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わたしのパワースポット〜はじめてZINEを買いました〜

ササキアイさんのZINE『フリーズドライ』を本屋イトマイさんで購入しました。本屋イトマイさんのようなお洒落個人書店で本を買うのは初めてだし、ZINEという個人作成の本を買うのもはじめてで、なかなか刺激的な体験でした。そして、そこは個人的なパワースポットだったというお話です。

さて、話は変わりますが、初対面の誰かに会うというのが大人になっても苦手です。なんなら子どものときよりも苦手になっている気がするくらいです。
ちょうど1年くらい前、初対面の方とお会いする予定がありました。ただでさえ緊張するのに、《間に合わないかもしれない》というスパイスを効かせたくないので、かなり時間の余裕をもって近くまで行き、本を読んで過ごそうと思っていました。ただ、緊張していると物語に入りこめないので、読みやすい本を探していました。
そんなときに書店で見つけて購入したのが燃え殻さんの『すべて忘れてしまうから』。空いた時間の緊張を和らげてくれるベストチョイスでした。

それから、燃え殻さんの本にはまって、毎週の深夜ラジオまで聴くようになった2023年。X(旧Twitter)で燃え殻さんをフォローしてたら、おすすめのなかにササキアイさんのポストが流れてきて、気がついたら『フリーズドライ』を読みたくなっていました。

どうやらZINEというものは個人作成の小冊子で、駅にある大型書店などには置いていないということがわかり、どうすれば購入できるのかを調べたところネット通販か個人書店のどちらかで購入できそう。
購入できる書店が近場になければ、あきらめてネットで購入しようと思ったところ(本は可能な限り書店で購入したい派でして)、どうやら近くに『フリーズドライ』を置いてある書店があることを発見。
それが、ときわ台にある本屋イトマイさん。ときわ台は、20代の頃に仕事のあと美味しい焼肉を食べに行くところとして何度も訪れていた街。
久しぶりにときわ台へ行ってみるのもいいなと思い、平日の夕方に仕事を調整してときわ台へ。

ときわ台駅の北口からすぐ、本屋イトマイさんはありました。
ん?ここは?よく来てた焼肉屋があったところでは??
10年以上前の記憶で確証はもてないものの、2階にあがっていく階段の感じは間違いない気がしてならない。
階段をあがってみれば、なんとも趣深いお洒落な空間が待っていました。そんなに広くない空間に、想像していたよりもたくさんの本が所狭しと並んでいて、自分以外の誰かの本棚を覗くような感覚が面白い。お目当ての『フリーズドライ』を見つけ、他にも気になっていた千早茜さんの『さんかく』も手にとる。

「今日はカフェのご利用はありますか」
お会計をしようとしたところ、店主と思われる方に声をかけられる。
0.2秒くらい悩んで、
「今日は大丈夫です」
という、何が大丈夫なのかわからない返事をしてしまった。
お洒落な空間でコーヒーと本を楽しみたい!という強力な欲求があったけれど、どうしても仕事のメールを1本すぐに送らなくてはいけない。確認するまでもなく、このお洒落な空間ではキーボード音などさせてはならないと思ったので断念。
次は時間の余裕をもって、コーヒーと本を楽しみに行きたいと思います。

それにしても、少し薄暗い店内で美味しい焼肉を堪能していた場所がこんなお洒落な書店に変わるとは。
時の流れを感じるとともに、種類は違えど自分に元気を与えてくれるこの場所がパワースポットなんだろうなと思うとなんだか嬉しい。
美味しい焼肉は友だちを連れてワイワイ来ていたけれど、この書店は誰かに教えたりせず一人でこっそり楽しむことにしよう。

家族と暮らす今、一人で本と過ごせる時間は至福。
誰かと過ごす時間も楽しいけれど、どうしても1人になりたくなってしまう。
さみしがり屋だけど一人の時間がないと息が詰まる、こんな面倒な性分も悪くないなと思えるくらいは大人になったなと感じるこの頃です。

そして、『フリーズドライ』とてもよかったです。とくに、題名のつけ方に惚れ惚れしてしまいました。
年末年始のお休みにもう一度じっくりと読もうと思います。

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