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1/8日記「新成人に幸あれ」

今日は成人の日。
街で『二十歳のつどい』の行き帰りらしい振袖姿の女性や少し華やかにスーツを着ている男性を見かけると、20年ほど前の自身の成人式を思い出す。
少し時間があったので駅のカフェで1人ぼんやりした。

成人式。
参加するかどうかギリギリまで迷っていたものの、近くに住む同い年の従姉弟に誘われて式に参加した。
そのままの流れで、夕方の同窓会的な飲み会にも参加することになった。

自分が集団行動を苦手なことに気づいたのはいつだろうか。
少なくとも成人式のときには、その認識があった。

高校3年生、文化祭の打ち上げも卒業式のあとのカラオケも途中で抜けだして帰ってしまったのを覚えている。
何か嫌なことがあったわけではないと思うし、帰ってしたいことがあるわけでもないのに、1人になりたくなってしまったのだと思う。
集団で過ごしていると酸素が薄いような感覚になる。

成人式のあとの飲み会もそうだった。
今と違い居酒屋やカラオケに年齢確認なんてなかったあの頃、お酒を飲みたければ二十歳を待たずに飲めたのに、参加しているみんなは解放感に包まれたようでとても楽しそうだった。
特に美味しく感じないビールを少し飲んで、頃合いをみてトイレに行くふりをして帰ってしまった。

ほんのりとした罪悪感と、うまく立ち回れない自分に情けなさを感じながら、そのときつきあっていた年上の彼女の家へ向かった。
すでに社会へ出て働いていた彼女は、しょぼくれている新成人の僕を励ましてくれた。
「大丈夫、なんとかなるよ」
何の根拠もない励ましだったけどすごく嬉しかった。

それから20 年と少し。
たしかになんとかなっている。
あのとき彼女の言ったとおりだ。

大人になると、子どものときよりも自分の居心地のよい場所を見つけやすいし作りやすい。
大人になるのも悪くない。

そんなことを思いながらカフェの窓際席から新成人たちを眺めた幸せな午後でした。
新成人に幸あれ!


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