美しい景色を見続けたい

世界は美しい景色であふれている。

幼いころから景色を見るのが好きだった。
小学校の頃、家族で行った万座温泉で見た夕日が、今も忘れられない。
静寂を保った雄大な自然の中で、昼の時間が徐々に西の方へと遠ざかり、濃い橙色から赤色、青紫色へと空が変化していく様子。一瞬たりとも同じ色を見せない空と、夕日の影になって暗黒の色に染まった山並みに、幼い私はただ、圧倒された。
色の鮮やかさは、賑やかな昼の終わりと、静かな夜の始まりを告げていた。

なんて刹那な時間なのだろうと、今でも思う。

ビルがそびえたつ都会でも、ゆるりと時間が溶け込む自然豊かな場所でも、変わることなく、日が差して影ができる。空が深い青色を見せ、風は私たちに爽やかさを運ぶ。

尽きることがない美しさを、私は見続けたい。そして、目にした景色を一つ一つ、大切に言葉に紡いでいきたい。

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