あの時泣いて歩いた道を再び行く

数か月前泣いて歩いたあの道を、今日は別の用事で通ることになった。

歩きながら、あの時の置きどころのない感情を思い出して、ともすると、こういうこともあった、と乗り越えたように装ったり、自分には必要な経験だったと、人生における意味付けをしてしまいそうだった。
時間を、自分の感情よりも押し進めようとしていた。

そうして、いい意味の理由を探すことは簡単だけれど、結局偽りの姿でしかない。
素の私は、今でも悔しく、届かなかったあの大きなビルに打ちひしがれている。

だから、あの場所では今は叶わないけれど、自分の置かれた場所で、自分にしかできない何かを作り出したい。
もし何年後か、またその道を通った時に、誰よりも誇りを持って歩くために。

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