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「同窓会で先生方がヤンキー達に対してお前ら更生したなぁ〜的なこと言ってたら幻滅します」


「昨年と異なり、今年の関東の梅雨明けは8月のあたまになるようです。」

マイナスイオンを発しているかのような笑顔いっぱいのお天気お姉さんの声が聞こえてくる。朝からキュート全開の姿に癒されたが、瞼の重さはさして変わらなかった。どうやら昨年と同じであれば今日で梅雨が明けるみたいな事も喋っていたみたいだがあまりよく覚えていない。


本日のお空はなんと1日中曇天だった。それもまるで美術部の3年生が描いたように色ムラがなく、水分を多量に含んでぼやっとした私の絵とは対極に位置するもの。頭上に広がる空を見て、自然の精巧さみたいなものにまた一段と惹かれた。



そういえば、成人式まであと半年もないらしい。カレンダーを見ていて気付いた。今年度は疫病の影響で開催されるのか否か神のみぞ知るといったところだが、できれば旧友との再会を祝してワイワイやりたいものだ。

このタイミングを逃せばもう一生会わない人もいるだろうし何としても、という気持ちが募るばかりである。しかし大概の場面において膨張し過ぎた期待は良い結果をもたらさない。それどころか現実とのギャップを目の当たりにして悲しみ、そして怒りが到来する。感情に左右されずヘルシーに生きたいのならば期待の一人歩きだけは阻止しなければならないと個人的に思う。



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「同窓会で先生方がヤンキー達に対してお前ら更生したなぁ〜的なこと言ってたら幻滅します」



先日、友人がこんな事を呟いていた。心の中で100回いいねを押した。


小学生の頃、私は担任の先生の目をしっかりと捉え、「理解しているよ」の合図として数回頷き、一字一句聞き逃さずに話を聞く事が正義だと信じていた。これこそが正しく、それ以外は正しくないと思い込んでいた。真面目である事が正しいと本気で思っていた。でも、違った。先生の話を聞かずに喋っているけど算数の練習問題では必ず100点をとるあの子、同じクラスの子を泣かせるけど足が速いあの子。彼らの方がずっとずっと正しいらしかった。算数100点、かけっこ1位は称賛され注目を浴びるけど、それらと比較してみると「真面目ですごい!」とはあんまり言われなかった。目立たなきゃだめなのか?と思った。





そして、中学生になった。「えんじ色のジャージの学年は何故か毎年素行のいい子たちにちょうどあたる」という噂を聞きながら、3つ上の兄が着ていた少々くたびれた同じ色のジャージに袖を通した。

実際、その噂は噂でしかなく現実とはかけ離れていた。

市内では荒れている学校だと認識されていたが、ドラマと同じような感じかと言われたらそれほどではなかった。生徒の様子を見るため、いつでも親が見にこれる特別授業参観なるものが行われた。いつ友人の親が来るか分からないというフリースタイルぶり。保護者だけでなく、怒ると怖い運動部の顧問もたまに教室に来た。

それだけでなく、2年に進級したらヤンキーを封じ込めるためごつい先生もやってきた。

学年も上がり同時に部活動も世代交代となった。有難い事に部長に任命されたが、引退までの期間特にこれと言って何も成し遂げる事が出来ず、お世辞にも集団の長をうまく務めたとは言えなかった。この時も注目されるのはやんちゃして注意されるあいつら、プレーが上手なあいつらだった。部活終わりに片付けをしたり、グラウンド整備をこなしたりする行為は「すごい!偉い!」とは言われなかった。いや、もしかしたら言われたのかもしれないけれどこちらが鮮明に覚えている程記憶に刻み込まれたものではなかった。

当時やるせなくなったのを今でも覚えている。

これならいっそ彼らのように破壊活動を行ったり酒や煙草なんかに手を出した方が良かったのではないかとさえ思った。それと同時にそんな度胸なんてあるはずもないとも思っていた。

「若いうちはグレた方がコスパが良い」という言葉をインターネットで見かけた事があるが、的を射ていると思う。ただし修正可能な範囲内でなければならないという条件付きとなるが。



「若い時は暴れてたけど今となっては働いて自立して立派なもんですよ」

「昔はひどかったもんだよなぁ、立派になっちゃって」


話の盛り上がりはだいたいストーリーの幅で決まる。多くの人はこういった幅を求めているし、その差があればあるほど盛り上がる。反対に、ずっと横ばいで生きてきた人のストーリーは盛り上がりに欠けるしつまらないと判断される事が多い。誠実に生きてきた場合であっても。

非常に傲慢だが、話の高低差だけで語るのではなく「その人が何をやったか」「何をやってきたか」にフォーカスして語って欲しいと思う。


更生した事と普通に生きてきたという事をどうかフラットに見て欲しいと強く強く思うばかりである。



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色々書いてきたわけだが、きっと社会に出たらやるせない事なんて山ほどあるに違いないし、いちいち反応していたら自分の精神がもたなくなってしまうだろう。自分のメンタルケアのためにも徐々に理解していかなければならない。20歳の目標はこれにしてみよう。




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今日はヤンキーと普通に生きてきた人のお話でした。

ご読了ありがとうございました。


※ヤンキーという属性と人格は切り離して考えているので悪しからず




おわり


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