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親のエゴと子育て
このまえ、アメリカに永住している日本人の方にホームパーティーに招待してもらったときの話だ。
母親が日本人、父親がアメリカ人で、子供は土曜日に補修校に行き、夏は日本に行って学校へ通う。補修校は、国語を中心に、普段の現地の学校教育ではカバーしきれない日本の学習内容を補修授業として行う。子供たちは月曜から金曜まで現地の学校に行き、土曜日に補修校へ行くというパターンが多い。その結果、大学を卒業した子供は、アメリカで育ったにも関わらず、日本語を話せる。
でも、子供は成人したいまも補修校は最悪だった、という。親のせいで貴重な休日を1日奪われて、追加で宿題をさせられて、補修校に行っている間は遊ぶ時間がほとんどなかった、と。この話を客観的に聞いていて、親は子供のことを思って補修校に入れたが、必ずしもそれが子供のためになっているか?はわからないと思った。
日本から駐在している人たちと話しても補修校にいっていることが多い。親の多くは、日本に帰ったときに日本語ができなくて苦労する、といった理由で子供のためを考えて入れている。が、自分は入れるべきか?入れないべきか?
何かにYesということは、何かに対してNoということになる。必ずトレードオフになる。この場合で言えば、土曜日に補修校にいけば、確かに日本に帰ったときに日本語で苦労しなくなるかもしれない。一方、そのためにいま子供がやりたいスポーツや芸術が出来なくなるのだ。
つまり、親が子供にとっていいと思っていることvs子供が今やりたいこと。どちらを取るか?という選択をしなくてはいけなくなる。
正しい答えはないが、わたしはこれだけ変化の早い世の中で、何が本当に子供のためになるかなんてわからないから、できるだけ子供のことは子供に決めさせたい。そう思っている。
では、親としてどうすべきか?親の役割はなにか?
親の役割は、「子供が何をやるか?を決める」ことではなく、「子供が何をやるか?を決められるようにする」ことだと考えている。
もう1つ。何をやるか?を子供が考えるうえで、必要な世界観を広げてあげること。親がインターネットや本へアクセスさせず、家の外からも出ないとする。そうした場合、子供が何をやるか?を決めたとしても、親が決めさせたのと大差がないと思うのだ。親が用意した限定的な選択肢から選ばせている。
だから、子供にオプションを提供すること。これも、親の役割じゃないかな、と。子育てにおいて、親のエゴを完全になくすことはできない。けど、それを抑えて、子供が自分で決める力を身につけて、自らの人生を歩んでいけるように横でそっとサポートしてあげたいな。とわたしは思う。
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