セイロンティーについて

久しぶりにテイスティングをしました!今回用いたのは、こちら。

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ミツティーさんのセイロン、2種です。見覚えがあるという方は、かなり七志野ツウ…!(いるわけがない)
予算を決めて好き勝手に紅茶を買ったときの購入品です。1月に投稿してから、かなり寝かせてしまいましたが、ようやく開封に至りました。

まずは、セイロンってなによ、という予備知識からどうぞ。

セイロンティーとは?

セイロン、つまりスリランカの旧国名です。スリランカ産の紅茶を指します。セイロンという品種のお茶ではないので、「日本茶」「中国茶」みたいな感じの呼び方だと思っていただければ。
ただし、セイロンティーの場合は、この名称で商標登録がされていて、日本茶や中国茶よりも「正式名称」な印象が強いです。

この中に、産地がいろいろあって、それぞれの産地の中にもいろいろな茶園があります。

産地でよく聞くのは、ディンブラとかキャンディ、ルフナあたりかな。パッケージには「セイロン ディンブラ」「セイロン キャンディ」「セイロン ルフナ」のように書かれていることが多いです。
「日本 静岡」「日本 佐賀」的な。その土地のお茶だよ、という意味合いで使われています。あ、「静岡 掛川」「佐賀 嬉野」の方が、ニュアンスとしては近いかも。

ちなみに、個人的にセイロンは「冷めてもおいしいお茶」の絶対的王者という位置づけです。熱いうちに飲みきることができなくても、ダージリンやアッサムのように渋みが出てくることはないし、ニルギリのようにツンとしてくることもありません。
温度変化の影響を受けにくい紅茶だと思うので、大人数で飲むときに作り置きしていても、ある程度は大丈夫。あとは水筒にいれて持ち歩くときにも、セイロンを選ぶことが多いかも。

それでは、実際に飲み比べたお茶をご紹介します。

561 ディンブラ BOP インジェストゥリ茶園

スリランカの中央部の高地より。木の実のようなウッディーなコク。まるで製茶工場にいるかのような奥深いアロマ。なめらかでメロウ。軽やかな後口。茶葉倍量にしてミルクティーにしても。
(パッケージより転載)

情報量が多いですね!

わたしはルピシアのお茶を飲むことが多いので、2文くらいの説明書きを見慣れているのですが、ミツティーさんはなんと、たっぷり6文(「軽やかな後口。」を1文とカウントしてよいかは微妙なところですが、ここでは句点ごとに1文と考えます)。

お茶の中身とは関係ありませんが、このパッケージ、好きです。ちょっとマットな触り心地で、食べ物のパッケージとしては珍しい質感だと思います。

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マチの部分はツヤがあってアルミっぽいのですが、表面のこげ茶の部分は、つや消しみたいな感じの加工が施されていて、上質な雰囲気があります。

いれる前の茶葉は、「紅茶らしい香り」がしました。「らしさ」をどう定義づけるかは個人差も大きいかと思いますが、今回は一緒に飲むサバラガムワとの比較を中心に、記述していきます。

563 サバラガムワ BOPsp ニュービタナカンダ茶園

スリランカの南部、肥沃な大地から作り出された紅茶。蜂蜜に包まれたかのような濃厚で甘い香り。渋みが少なく、ローストしたような風味。あと味は甘みの余韻。
(パッケージより転載)

ディンブラよりは字数少なめですが、それでもしっかり4文。

いれる前の茶葉の香りとしては、「蜂蜜に包まれたかのような」の部分が伝わってくる感じでした。もし、なんのお茶か説明を受けずに目隠しして茶葉を嗅いだら、台湾烏龍と答えてしまうかも。「ローストしたような風味」とされているように、軽焙煎を思わせる香りがあります。

実際に飲んでみて

ミツティーさんによる入れ方の目安は、下記の通り。
 ディンブラ:3.5g/300cc/3分
サバラガムワ:3.0g/300cc/2分30秒

300ccずつ作ってしまうと飲みきれないので、いつものように150ずつ。
茶葉を心もち少なめにしましたが、おそらくミツティーさんの推奨バランスよりは、茶葉多め(=濃いめ)の仕上がりになることでしょう。
蒸らす時間は、記載通りに。

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(左:ディンブラ、右:サバラガムワ)

写真ではうまく写せなかったのですが、ディンブラの方が若干、濃いめでした。ただ、そうは言っても、色の差は少ないほうだと思います。

この2種類、何が違うって、風味を感じるタイミングです。決定的に違いました。
ディンブラは、口に含んだ瞬間の「ハイ紅茶です!」感。その後、すっと喉を通って、別れは惜しまない感じのあっさりした後味で通り過ぎていきます(パッケージでは「軽やかな後口」との表記)。
一方サバラガムワは、口当たりではあまり味を感じません(あくまでもディンブラ比)。そして、パッケージにもあるように「甘みの余韻」がやってきます。甘みと言っても、しつこいような風味ではなく、ふわっと広がる幸せな感じ。

冒頭に「温度変化の影響を受けにくいお茶」と書きましたが、変化自体はもちろんあります。後味の部分に関しては特に、どちらのお茶も、上記の感想より強めの味に変わりました。
でも、渋みやえぐみが出るのではなく、味が深まるという感じの変化なのですよね。なんとも魅力的です。

あとがき

久しぶりのテイスティングレポ、なんだか難しい…!(笑)
拙い語彙力で、いかにその紅茶を伝えるか。言い回しを工夫しようとすればするほど、「そんなカッコつけたお茶じゃないのに…」ってへこむし。でもこれまでからそうやって書いてきたので、今回も同じスタンスでやってみました。この投稿から少しでも興味を持っていただけたら、嬉しいです。

ミツティーさんは、楽天から撤退したのち、現在は通販を自社サイトに一本化されています。初回購入限定のお試しセットは、楽天にあったものと変わらず、今でも購入できるので、初めての方はぜひ。

・リーフティー or ティーバッグ or アイスティー向き
・ストレート向き or ミルクティー向き or 選べないからどっちも♡

というように、選ぶ項目が2つあります。アイスティー向きには、ミルクティー向きオンリーの選択肢がないので、組み合わせは8通りです。定価よりもかなりお得にお試しできますよ~。

それから、久しぶりにミツティーさんのサイトを覗いてみたら、おもしろい試みをされていました。

残念ながら、既に予約枠が埋まってしまっているようですが…。
セイロンティーの産地の人々のお話を聞ける、web上での茶園見学!

5月末に第1弾が開催され、次回(7/25)で4回目を迎えるそう。ということは、さらなる追加開催もあるかもしれないので、気になる方は要チェックですね。

それから。 #note紅茶部 でよく記事を書いておられるかしいつなぐさんも、今回わたしが飲んだのと同じお茶を、飲まれていました。
購入時期によって、風味に多少の違いはあるかもしれませんが、少なくとも産地・茶園までは同じです。

最後になってしまって恐縮なのですが、併せてご紹介させてください!

同じものを飲んでも、視点が違うのでおもしろいですね。
かしいつなぐさんは、1記事・1品種で更新されることが多いので、読んでいると、紅茶の事典をめくっているような気持ちになれます。

それでは、このへんで。

七志野さんかく△Twitter @_oya_smi

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