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夜に、

昨日読んだ小説に心が揺れた
あなたがきえちゃったら、
なんてまた意味のない "たられば" を抱く

考えたってどうしたって
情緒が振れるだけなのに

ならいっそ、何も考えないであなたの腕に沈んでいたい
なんてそれすらも頭で思うだけ
春の風に耳を傾けることすらこわくなる


花びらが月を隠す
そんな夢に酔いおちる
あなたのとなりにいる私をかたどる風に身をゆだねて
夜にしずむこと、あなたがとなりにいない時間
"また明日" それが怖くてたまらない
あなたの影を追うことをまた重ねる、そんな夜に



枯れた花の名前を呼ばなくなるように
あなたが薄れていくのかも
枯れた花の思い出を忘れていくように
私もあなたから消えるのでしょう?

考えたってどうしたって
心が疲れるだけなのに

ならいっそ、何も考えたくはないね
夜につられて傍にいくのも悪くないのかもしれない


花びらが月を隠す
そんな夢に酔いおちる
あなたのとなりにいる私をかたどる風に身をゆだねる夜に



怖いもの知らずに憧れた
桜色、夜の香、空に佇む雲の隙間の月の光
見える世界に溺れそう


花びらに酔うあなたの傍
月の光にゆらり揺れる

花びらが月を隠す
そんな夢に酔い落ちる
夜に、