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蜜の夢

夕方にLINEの通知、「このあと会える?」なんて
あたしがなんて返すかわかってて言ってるんでしょ

『もうすぐつくよ』
「わかった」

近頃、LINEもそっけないし
いつからかインターホンすら応えてくれなくなったね

ねぇ どこみてんの、
こっちきなよ いつもみたいにさ


"スキ"が溶けてしまうくらいに熱い夢に溺れさせて
最後の夜にしたいはずなのに何度も応えてしまう
唇だけもってくれたらよかったのに、
心までもっていくなんてずるいんだから
離れられなくなる夜と理性の間、そのやさしさがつらいんだよ



ぬるくなった飲み物に手を伸ばす
ぬくい指と重なって鼓動が揺れた

遠くをみるあなたをみつめるのが辛いの
なんて、勝手に追っかけてるのにな(笑)

あなたの横顔を見る度
泣きたくなるのは苦しくなるのは
行為以上の想いに気づかざるを得ないから


"スキ"が溶けてしまうくらいに熱い夢に溺れさせて
最後の夜にしたいはずなのに何度も応えてしまう
唇だけもっていってくれたらよかったのに、
心までもっていくなんてずるいんだから
嫌いになるための言葉ひとつすら投げないで
てきとうにあしらってんじゃないよ



「いらっしゃい」って、「寒かった?」って
言ってたあなたがいなくなった
「はいってー」なんて姿ひとつあたしが見つけにいかなきゃいけないんだね


"スキ" が溶けてしまうくらい
沈んで、くらくて、消えちゃえばいいのに
光すら届かない星になって記憶ごと手放したい
なんてね、言ってみたかっただけよ

ねえ、今度は恋人として拾ってよ


"スキ"が溶けてしまうくらいに熱い夢に溺れさせて
最後の夜にしたいはずなのに何度も応えてしまう
唇だけもってくれたらよかったのに、
心までもっていくなんてずるいんだよ

また明日も恋してしまいそうだけど、
キライなんだ