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名付けのタイミング
「こちらでお待ちください」
美容院の受付を済ませ、ソフアに案内された。待ち時間に使えるよう、タブレットも渡される。電源が入ったタブレットの画面には、雑誌の表紙がタイル状に表示されていて、どれを読もうかと目を走らせていたが、ある言葉で急ストップをかけることになる。
「OFF-LINE SHOPPING」
その言葉に新鮮さを感じると同時に、とてつもない求心力を感じている自分にとても驚いた。
オンラインショッピングは私の日常に馴染んでいる。同年代やもっと若い世代の方よりは使う頻度が少ないかもしれないが、買い物の手段として身近だ。
その対義語としてのオフラインショッピング。要は対面での買い物、店舗に赴くということ。意味は理解できるし、これまで自分も行ってきた行動だ。ただ、その行動にそのような呼び方をしてこなかった。
昨今の世界情勢でオンラインが加速したことから、それと同じ土俵で区別するための呼び方が出てきたということなのだろう。
大げさかもしれないし、他の人からは理解されないかもしれない。
だけど、私はその1つの言葉から、暮らしの変化と名前の発生について思考を巡らせたのだった。
髪を切ってもらっている間はタブレットにて雑誌を楽しみ、その後は本屋さんに立ち寄ってその雑誌を買って帰った。ページをめくると、印刷の香りがふわっと立ちのぼった。
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