Lucio Rossi Design/D7II
どうも。最近すっかりと暖かい日がちらほらと増えましたね。
春の訪れを感じさせます。
花粉症とは無縁の私には気持ちの良い季節です。
↑すっかり記事を書き慣れた人間風な挨拶をしていますが、足がつるほど背伸びをしていることをここにお伝えいたします。
さて今回は私のお気に入り芯ホルダーの一つでもある、
Lucio Rossi Design(以下LRD)の 「D7II」を紹介したいと思います。
最近はXの方でもLRDへの関心も高まっているように感じます。
その方の後押しや、検討材料になればと思いますので是非最後までご覧ください。
※本記事にて一部590&COさん及びlucio rossi designさんの写真が出てきますが、使用許可をいただいて掲載しております。
※本記事を作成するにあたり、LRD代表のLucio A Rossi氏に詳しくインタビューをさせていただきました。
最後にLRD発足から今までの略歴やメッセージの方頂いております。是非最後まで読んでいただけると幸いです。
-芯ホルダーとは?-
まず、芯ホルダーって何ですのん?
という人もいるかと思います。
芯ホルダーというものを説明するにあたって、まずは時を紀元前まで遡ります。
そしてそれと同時に遡ったことが無意味であることに気付きます。何でもトライアンドエラーですね。
今回は紀元前を絡めずに説明いたします。
芯ホルダーというのは、読んで字の如く
鉛筆の芯だけをシャーペンみたいなペンで筆記するよ という道具です。
鉛筆よりも削った際のゴミも少なく、また適度な重みや剛性感のある軸が多いので、書き味もかなり変わってきます。
代表して2パターンの機構があります。
・ノック式
・ドロップ式
ノック式はシャープペンシルのように、ノックをして一定量の芯が露出するタイプ。
そして今回紹介する芯ホルダーの機構でもあるドロップ式という、自由落下する芯を先端のチャックと呼ばれるパーツでホールドするタイプがあります。
-Lucio Rossi Designについて-
Lucio Rossi Designは、
デザイナーであるLucio A Rossi氏によってデザインされた家具や照明、筆記具などのプロダクトを生み出しているイタリアのメーカーです。
プロダクトを通して全体的にミニマルで洗練されたデザイン。前衛的なデザインで虜にされます。
そして金属の持つインダストリアルな質感、プロトタイプのような荒削りながらもロマンのあるデザインが本当に魅力的です。
筆記具では現状
・2mm 芯ホルダー
・万年筆
・ローラーボールペン
をメインに展開されていますが、公式によると0.5mmのMPも現在制作途中とのことで、今後が楽しみですね。
↓Lucio Rossi DesignのHP
しかしlrdは日本国内では中々入手が難しく、通常の文房具屋さん等ではまず取り扱いがありません。
ご自分で購入することも可能ではありますが‥
590&CO(コクエンアンドコー)
という神戸に構えてらっしゃる文房具屋さんにて、時折在庫を抱えて販売してくれています。
文房具好きであればこちらのお店のことについてはご存知のことかと思いますので詳細は割愛します。
筆者は九州なので、神戸にはなかなか遠くて行けませんがいつかはお伺いしたいお店です。
↓590&COさんのHP
実際に店舗でも取り扱いがある他、ウェブストアにも掲載されている時がありますので、
こちらのお店を利用されるのが1番安心かも知れませんね。
-D7II copper-
改めて今回紹介させていただくのがこちらの
D7II copper です。
このペンは2mmのドロップ式芯ホルダーで、
中のオレンジ色の軸は 銅(copper)で出来ています。
そしてその外側を包み込むパーツはステンレス製。
この2種類の材質が一本のペンで調和された素晴らしいペンになっています。
どうですか、このロマンの塊みたいなデザイン。銅だけに。銅だけに、どうですか。
#D7(Designers7)IIについて
このDesigners7II ホットロッドは、
LRD初期の頃にデザインした芯ホルダーであるD568・Designers7の後継機として、
内部機構が変更となる際に
「よりスリムな後継機にしよう」
というアイデアのもと設計がなされたそうです。
そしてその過程で軸に用いる材質を、
今までにない「時間の経過と共に色が変化する素材にしたい」
という発想のもと銅素材を採用したらしいです。
またこの銅軸とは別に、ホットロッドシリーズには真鍮バージョンもありますので、気になる方は是非お試しください。
#素材としての魅力
このペンを選んだ何よりの理由として、
銅 であることが大きく挙げられます。
真鍮や木製の素材の筆記具は持っていましたが、銅は持っていませんでした。
純粋に素材への興味本位という点もありましたね。
とにかく真鍮にも言えることなのですが、
くすんだ時の表情 と 輝いている時の表情 の差が何とも言えません。
サビでは無く、酸化被膜という化学反応の一部らしいですね。
自分はいつも、定期的に金属磨きクロスで磨いて綺麗にしています。
くすんだ表情も好きなのですが、やはりキラキラとした銅のオレンジが1番好きですね。
高校球児と同じくらい輝いてます。
いつかlrdさんも中の軸が高校球児のモデル作ってくれないかな。
それなら引退後に坊主が妙にチャラついた髪の毛に変異していくという経年変化も楽しめますしね。
#芯ホルダーとしての性能
皆さんが気になる芯ホルダーとしての性能ですが、これだけは言わせてください。
めっちゃ書きやすい訳ではないです。
ハッキリと言います。目を見張るほど書きやすくはないのです。
しかしそれでも有り余るほどの魅力がこのペンにはあります。
チャックは三叉で、購入した時はノックの際にかなりシャリシャリした感触があり、少し心地悪さを感じました。
砂抜きしていないアサリなのかと思いました。
アサリではなかったので一安心です。
少し改善したくて内部機構を分解したところ、ファーバーカステルの芯ホルダーtk4600と同じ内部機構でした。
そちらと入れ替えたところ少しはノック感の改善に繋がりました。
個体によると、たまにガタ付きの多い個体もあるそうですが、自分は特に問題ありませんでした。
そしてペン尻のキャップを外すと、芯の出し入れが可能となってます。
このペンは軸径が6ミリ程しか無くかなり細身です。
ここがこのペンの「合う・合わない」を別れさせる大きな点かなと思います。
故にペンの握り方もこれにあった握り方をする必要もあります。
自分は通常の文字を書いたり、しっかりと筆記がしたい時にはこのように、銀のパーツとの境目に指を引っ掛けて筆記しています。
ですが本体の重量もそこそこあるので、この持ち方だと次第に疲れてきます。
なので適当にラフに筆記したりする際には下のように、スリットに指をかけて筆記してます。
しかしこれだけビビらせることを言ってはきましたが、
使ってみればそれなりに使えます。
そこは安心してもらって良いです。
長期筆記や勉強のお供には厳しいかも知れませんが、さらっと筆記するくらいには充分使用できます。
#デザインの秀逸さ
冒頭でも話した通り、このペンの最大の魅力は
圧倒的なデザイン性の高さ
に他ならないと考えてます。
自分は文房具趣味において、「視覚的に楽しめる」という点にかなり重きを置いています。
ついつい手に取りたくなる感覚。
触りたくなる質感。
写真に収めたくなるデザイン。
その観点からこのlrdの芯ホルダーは本当にお気に入りのペンとも言えます。
・ステンレスと銅の対比
・テーパーがなくストレートを貫き通した軸
・スリッドが近代的な印象
特にこれらがお気に入りポイントであります。
-購入を悩まれてる方へ-
この芯ホルダーのみだけでなく、
lrd製品は基本的に材質や輸入という点もあり高価な部類に入ります。
芯ホルダーでも平均1万円前後くらいの価格帯です。
この値段に対して、
・筆記のしやすさを求めるか
・デザイン性、所有欲を満たしたいか
次第で受け取り方も違ってくるかと思います。
自分はこの唯一無二のデザインに1万円程払って購入しましたが、全くもって後悔はしておりません。
後悔どころかとても愛着の湧く素敵な筆記具だと、そう思っています。
なので気になっている方へはおすすめ出来ます。
しかし全く興味のない方へはおすすめ出来ないですね。
そもそも気になっている方はデザインに惹かれていることかと思いますので。
-Lucio Rossi Design 略歴-
-199X年-
#olive爆誕 世界中が歓喜する。
-2013年-
デザインスタジオとしてLRDをパリにて発足
-2015年-
ペンや芯ホルダーのデザイン・制作を名目に、
「Venvstas」をパートナーと立ち上げるも、
成功せず
-2019年-
別のイタリアの友人と共に「Venvstas Italy」を設立
-2020年-
パートナーとの価値観の違いから、
いつの間にか純粋なデザイン制作ではなく
人間関係に悩まされるようになる。
そして改めて一人になり、一から新たなスタートを切ることになる。
以来人間関係は解消され、より自由な仕事が可能となった。
-Lucio A Rossi 氏よりメッセージ-
-後書き-
最近はlrdのカーボン製品等も増えてきて、ますます魅力的なプロダクトが増えてきましたね。
今回取材も絡めてlucio氏に触れ、その情熱的であり自由な発想が更に魅力に感じました。
それはブランドとしてもそうですが、一人の人間に対しての魅力もそうです。
自分はMPが気になって気になって、
このままでは気になりすぎて十二指腸が十四指腸くらいになりそうです。
今回の記事を書くにあたり、Twitterの友人でもある「たま。」さんに翻訳をお願いしました。ありがとう。
↓たま。のクリエイターページ
次回以降もしばらく一本紹介をしていきたいですね。
良ければコメントもくださるととても励みになります。
ありがとうございました。
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