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№6 モノクロームは泣けない

からからからっと
季節外れの落ち葉が
道を転げていく
今夜は涼しい風が吹き抜けて
6月の雨を忘れさせてくれる

僕はもう随分とびしょ濡れのまま
この場所から動けずにいる

暦は容赦なく
7月の太陽が季節を待てずに
時折 顔を覗かせては
紫陽花の命を奪っていく

もっと鮮やかに咲けたはずの花びらは
モノクロームのように色褪せてゆく

土に根をおろしながら乾いていくそれは
僕とは対照的でありながら同類だ

動けずにいる間に 命が消耗されていく
美しい時は限られているというのに

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