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ネオ・メトロポリス

山もみえずに
果て無くつづく街は 終わりを知らず
大海原を泳ぐさかな 泡となって消えてった
匿名性の高いこの街には
今日もとっかえひっかえに
人がたち現れては 意味のない記号を並べていく
通りに並ぶマネキン
型抜きされたスタイルに身を包んで
鎧を身に着けた気になってさ
洒落た君は 同じあの子さ
そうだろう
きみたちは仮面もかぶらずに顔を失ったのさ
そこにはなにがあるの?
ここにはなにがあるの?
きみがあると信じるものは見つかったかい?
交錯する人々 ネオンが照り付け
スクリーンから飛び出してくる
狂わないことが本当の狂気で
雑踏のネズミですら窒息する

ビルとビルのあいまを抜けていく
人形運びの電気箱
整列した黒づくめの戦士たち
見えないものに怯えるでもなく
ただ回線を切って 遮断された世界から
光の糸を伝って毒を垂らす
救いなんてものはあるのでしょうか
神が殺されたこの世界に
この手をのばして はいつくばって
転げまわって
溺ぼれかけた少年の顔から
眼をそらさずに
苦しみによがって 生を塗りつぶそう
痺れのなかで 叫んだ雄たけびに
不意打ちの光の残像をみる
慈悲があるというのなら
パルスを起こしてくれ
あぁ 僕は生きている
死にたくなるほどに
あぁ 僕は感じている
嬉しくなるほどに 

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