牛とともにつくる循環

「牛は土のお医者さん」

土が硬くなりすぎて、耕運機も入らなくなった耕作放棄地に
牛を放牧したら、一年でふかふかの土になり、豊かな畑となった。

一年前は耕運機も入らなかった土地。現在は実り豊かな畑となっている。

牛はよく食べる。背が高くて硬い草で覆われた土地も、牛が入れば一ヶ月で低い草ばかりになる。

放牧開始から一ヶ月後の牧場で餌やりをする森川薫さん。


牛は腸が4つある。草の消化に時間がかかるため、食べた草を口の中に戻しては、噛んでは飲み込み、4つの胃で反芻しながら、消化・吸収をする。
牛の胃には、繊維が多い草を消化するためのたくさんの微生物が存在する。
反芻するうちに、食べた草が発酵する。
それが糞となり、土壌を肥やす。

牛とともに作られる豊かな土。
土が整うと、水も整い、海が整う。
牛が作る循環。

耕作放棄地は、イノシシの巣だらけになっていることが多いが、
牛が入ることでイノシシの害も減る。

人だけではどうしようもないことが
牛と協力することで解決できたりする。

牛も、本来の牛らしく、土の上に立つことで、ストレスも病気も減る。
体も引き締まり、健康的だ。
森川畜産の牛は、馬のように毛艶がいい。

野菜を食べる放牧場の牛。


耕作放棄地の草だけでは足りないので、野菜加工センターからもらった野菜くずや、酒粕やおからの発酵物などで作った発酵飼料も、様子を見てあげる。
産業廃棄物も牛の餌になれば捨てるものが無くなる。
牛の腸内環境も良くなり、一石二鳥三鳥だ。

牛の腸内環境がいいからか、森川畜産の牛舎は全然臭くない。
放牧場も、いわゆる動物園のような獣臭は全くしない。

牛も人も、本来のあり方に
それだけで、病気もストレスも減り、みんなハッピーだ。

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