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多くの人に評価される=良い芸術、ではない

今回くまおさんの #スキすんな という企画に参加してみることにしました。

無造作にスキ押して回ってるのって、意外と伝わりますよね。絶対最後まで読んでないとは言えないけど、正直、ほんとにスキかよと疑ってしまうことはある。

つぶやきや写真の投稿は別として、通常の投稿では記事を最後までスクロールしないとスキできないような仕組みだったらいいのに、と思います。

Instagramのストーリー・LINE・Slackなどには、いいねやスキではなく、絵文字が選べるリアクションがあるけど、noteもそういう仕組みがあったらどうだろう。もっと優良なコミュニケーションが楽しめるんじゃないだろうか。

そんなわけで、いつもスキしてくれるみなさんありがとう。でもこの記事には絶対にスキしないでください

※最終更新日:2020.9.13

芸術は「コミュニケーション製造機」

「ギャラリーや美術館って、鑑賞者の中でそこにいなければ考えもしなかった会話が生まれるから好きなんだよね」

知り合いのアーティストの何気ない言葉が忘れなれないのは、私にも思い当たる節があったからだと思います。

就活の時期、チームアートボラで行った合同展の話をすることが何度もありました。そんなとき、大抵の面接官は決まって「お客さんは何人来ましたか?」「利益はいくら出ましたか?」と聞くんです。

面接官は仕事を任せる相手を探してるんだから結果の数字を重視するのは当たり前かもしれないけど、この合同展を開催した当時の私は、そんなことちっとも考えていませんでした。

なぜなら、チームアートボラの目的は以前の記事にも書いたように、

❏デザフェスボランティアについて知ってもらう
動機は記事にもありますが、ボランティアの存在をただ多くの人に知らせたいということではありません。ボランティアに参加してくれる見込みがある人に、内容を詳しく知ってもらい、気軽に参加できることを伝えることが重要でした。

❏「隠れクリエイター」を表舞台へ
素敵な表現者なのに自分の作品に自信がない、という方は、作品に対して反応がないことや、あっても微妙な顔をされることを恐れているみたいです。見る人を選べばいい反応を得て、自信がつくだろうという考えがありました。

のふたつだったからです。

私はチームアートボラを通して、鑑賞者側の実はボランティアのような活動をしてみたかった自分に気づく機会や、アーティスト側の作品について話し合う喜びを知る体験を作りたかった。

芸術・自己表現における成功とは、より多くの人を楽しませることではなく、有名になることでもなく、作品によって"コミュニケーションの機会が生まれる"ことなのです。

多くの人から評価されていても、何が良いのか理解できないものってたくさんあります。反対に誰からも評価されてなくても自分にはとても魅力的に思うことだって普通。

芸術を前にして数字は無力です。

芸術の消費活動報告についてはこちらの記事でも軽く取り上げましたが、そもそも芸術は売るためにあるのではないわけで、美大卒でもない限り就活でアートの話はご法度だということにも今更気がつきました。

優先すべきは「量より質」

アートは鑑賞者に問いを投げかけている、とよく言われます。鑑賞者もまたアートを見たとき「この作品は何を意味しているんだろう」「作者はどんな人なんだろう」などと考えると思います。

作者が投げかける問いに向き合う質が、その作品を更に良くしていくのではないでしょうか。

もちろん、好き嫌い関係なくとにかく多くの人に見せる必要がある芸術も存在します。分かりやすいところで言えば、バンクシーなんかはそうなのかな。彼のような表現の場合、注目を受けて初めて作品が完成するようなものなので、数は重要です。

とはいえ彼のようなやり方だって、"コミュニケーションの機会を生む"という芸術の目的のひとつを、"多くの人に知ってもらう"というやり方でまっとうしているに過ぎません。

必ずしもお金もちだけが幸せなわけではないように、多くの人の反応によって自害してしまう方がいるように、なんだって多けりゃいいというもんじゃない。

それを見ても何も感じない大勢に見せるよりも、たったひとり誰よりも理解してくれる人からの共感の方が、よっぽど大切なはずです。

これから作品を発表するアーティストへ

もしあなたが今、個展やライブなどを控えていて、何人来てくれるだろうか、作品は売れるだろうか、と数字のことばかり考えているんだったら、その考えは全て捨てる必要はないから、いちばんの目標だけは、数字以外のものに設定し直すことを強くおすすめします。

「ファンが驚く"らしくない"作品を作る」
「いつもバカにしてくるあの人を見返す」
「他ジャンルアーティストの友達を作る」

数字の目標より優先して、きちんと見てくれる鑑賞者ひとりひとりと向き合ってみてください。

スキを押してくれたその人が、どんな考えを持っていて、自分の何に興味を持ってくれたのか、じっくり考えてみてください。

私はアーティストではないんだけど、チームアートボラはもちろん、最近もギャラリーの企画展にいくつか参加したりしています。そんなときは、たくさんの方が来てくれることも、作品が売れることももちろん嬉しい。でも、なによりやりがいを感じるのはやっぱり、大切な人たちからの感想が聞けることです。

私の表現を見てくれるかもしれないたったひとりを想像しながら、今もせっせと制作を続けています。(わけあってガラスをかち割ったりしてる

ところで #スキすんな 企画そのものも、スキを制限したらコメントによるコミュニケーションが増えるのか、というものでした。

私はもともとフォロワーも少ないから、スキゼロチャレンジいけるかもしれない…どうでしょう。

もしスキしたいな〜と思ってくれたら、私の他の記事の中からきちんと読んでスキだったものにだけスキしていただけたらと思います。読んだ上でしてくれるスキはとてもスキ。

手っ取り早く読みたい場合は、サイトマップ風の自己紹介記事をドウゾ。

私も必ずみなさんの記事を見に行きます。

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