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❏もういちど読みたい記事

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もういちどと言わずなんどでも読みたい。
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#美術

人生の途中で感謝を伝えそびれた人たちへ

人生の途中で感謝を伝えそびれた人たちへ。 本当はびっくりするくらい感謝していて。 この文章を読んで貰えていたらと 心から、思う。 もう一度、出会えることが出来たら良いのに。 どのくらい私が感謝をしているかを 伝えることが出来たら良いのに。 思い掛けず、庇ってくれて、 涙が出るほど嬉しかったこと。 私が方向を間違えても、 見守ってくれて、 全てを受け入れて励ましてくれたこと。 その人が放った何気ない一言で、 人生の価値観が変わり、 自分の知らなかった、 考えに触れて

Illustration_painting そして漫画ブルーピリオドの感想文

画材の絵。 友人に勧められて"ブルーピリオド"という漫画を読んだ。面白かったです。 ざっくり概要を説明すると 【なんでもそこそこできちゃう男子高校生が絵画の世界の深さを知り、自らが”本気”になる面白さに目覚めて東京藝大を受験する話】 なのだが、(ほんとか?)一応自分も美術系の大学に通っていたため登場人物の心情に重なる部分が多く、湘南台にある温泉のリラクゼーションコーナーにて一人感動に打ち震えていた。 人様の創作物のレビューができるほど崇高な存在では無いので、自分なり

社会的羊と一匹狼

例えば、高級レストランに行ったとする。 白いテーブルクロスに夜景が見渡せるガラス窓、上品なお洒落をした客。クラシック音楽とワインを注ぐ音が静かに流れる店内。 お皿の余白が気にならないほど色鮮やかな前菜に目と舌を楽しませたあと、メインへの最後の序章ともいえる、温かいスープが運ばれてきたとする。 さて、いざスープを慎重に唇の隙間からゆっくり流し込もうというとき、席を共にする相手がズズズーっと音を立ててスープを飲み始めたとしたらどうだろう。 ギョッとして冷や汗が噴き出てくるだろ

夕闇に沈むモレの橋

「この絵の場所を知りませんか」 フォンテーヌ・アヴォンの閑散とした駅舎で、ぼくは息を切らしながら駅員に尋ねた。正確には、ガラケーに保存していたその絵の画像を差し出した。充電はもう残りわずかしかない。 聞き取れないはずのフランス語でも「知っている」と言っているのがわかった。彼は線路の下り方面を指さして、2つ先の駅で降りろとだけ教えてくれた。橋の詳しい場所までは知らないようだった。 晩秋のパリ郊外。時計の針は午後4時半を回っている。日が暮れるまであと30分もないであろうこと

スポレートのフィリッポ・リッピ

イタリア中部、ウンブリア州にスポレートという町がある。 アッシジの語学学校に通っていた時、同じペルージャ県にあるその町に日帰りで出かけていった。 日本に住んでいると、気軽に電車に乗ってほいほい出かけていくのが好きだけど、イタリアでは電車(というか列車)に乗って、自分の住んでいる町から出かけていくのはちょっとした小さな旅行のような気分だった。(日本でも、地方だとそうなのかもしれませんね。) スポレートはローマからだと列車で1時間半くらいらしい。日本人はあまり訪れることは少な

美術館に行くとつい買ってしまうポストカードみたいな

美術館に絵を見に行く。特別展ではなく常設展狙いで。常設展にはその美術館・地域の人々・行政の価値観が大いに反映される。美術品の蒐集には莫大なお金がかかるから。私設の美術館でなければその財源は公的な資金、つまりその地域の人々の税金(や寄付)で賄われており、つまりはその地域の人々の価値観を反映したものであるはず。(もしくはそれによって文化芸術の教育がなされていくから、後天的にそれらの芸術的価値観を獲得していくことになる)常設展を見ることの楽しみはその価値観を知ることにある。初めて行