好きな人が出来た

登場人物
① 僕・・・陰キャ
② 中学時代の女友達(Kちゃん)・・・明るい
③ 中学時代の男友達(Tくん)・・・仲良い
④ Kちゃんの友達のSちゃん・・・好き

好きな人が出来た。
違う高校の同い年の女の子(Sちゃん)だ。
きっかけは中学時代の女友達(Kちゃん)の仲介。
彼女は引きこもりがちな僕を外に引っ張り出してくれる。
高校生になってから趣味が一緒だったことが発覚し、今まで以上に仲良くなった。

そんなKちゃんが遊びに行きたいと言ってくれた。嬉しい。2人では味気ないから人を誘うことになった。僕はTくんを彼女はSちゃんを誘った。Sちゃん以外の3人は中学校が同じなため、友達である。

3人で集合場所に行き、Sちゃんを探す。
僕もTくんもSちゃんがどんな容姿、性格なのかを知らない。緊張。

正直町あまり期待していなかった。
なぜならKちゃんが明るい性格だからだ。

Kちゃんが指を指す。後ろ姿が見える。
僕は、この時、嫌な予感がした。
なぜなら、見たことないほど輪(ring)のついた上着に、4連のピアスをしていたからだ。陽キャかもしれない…。

だが、嫌な予感などすぐに消え去る。
Sちゃんが振り向いた。
・・・・・・とても可愛い

最初の印象はそれだけだった。服はピンクに黒。靴も薄ピンク。ピンクメイク。地雷系。

でも話し方や性格はまだ分からないし、期待しすぎも良くない。もう既に期待を超えてきているのだから。

軽い挨拶と社交辞令を済ませ、電車に乗っていく。何の話をしたかは覚えていない。
ただ覚えているのはSちゃんはKちゃんと話していて男組と女子組で別れていたということだけだ。こんなんじゃ先が思いやられる。

まだSちゃんのあまり性格は掴めていない。
話し方はフワフワしていて、僕が耳を立てて聞きとれた言葉は『チクチク言葉』という単語。久しぶりに聞いたな。なんというかキャラがしっかり確立されていた。田舎のキャバ嬢みたいに。(行ったことも見たこともない)

どこまでボケて良いのだろうか。ツッコミタイプではなさそう。かといて、モノマネとか出来る人でもないだろう。どのアプローチで行けば良いのだ…。迷っていると目的地の駅に着いた。

ここで!なんとプチハプニングが起こる。
Kちゃんのスマホ兼PASMOが起動しなくなってしまい、改札から出られずにいた。
Kちゃんは焦って話す余裕などない。その様子をSちゃんと僕でイジっていた。
正直これがまともに喋った最初なのではないか。初めての共同作業だ。(これは流石にキモすぎ表現かも)

この時点ではまだ好きという感覚ではなく、好印象くらいのレベルだった。しかし、ここからSちゃんの良さに畳みかけられるのである。

目的地に到着し、荷物をロッカーに入れる。
やはりSちゃんの荷物はクセが強い。
大きなリボンのついたカバン。どこで買えるんだ。でも嫌いじゃない。

目的地はアミューズメント施設的なところで、色んなゲームや運動が出来る。Tくんがボクシングゲームをやりたいと言ったので、そこに向かった。一人用だったので、僕を含めた3人は傍観。


ゲームの内容は簡単。言われた数字の所をパンチするだけ。どうやって盛り上げようか…
ゲームが始まった。Tくんは結構ちゃんと殴る。番号を間違えると『違う』と機械音が聞こえる。無機質なのが面白い。
最初は単純なボケとして、自分が監督役をやってみた。応援してるのとあまり差が無く、ウケは薄め。Tくんがやってる横から素手で番号を殴ってみた。結構ウケた。動く系のボケの方が良いんだなと察したところでゲームは終了。自分はやらなかった。尺がもたないし盛り上がりに欠けそうだったから。

ゲームセンターのような場所に行った。そこには、音ゲーなどがあった。Tくんは音ゲーが得意なので熱中していた。一人の世界に行かないでくれ。女の子2人を盛り上げなくちゃいけなくなるだろ。ある意味ラッキーではあるが。

一人が音ゲーをしてる間に3人でダーツをしていた。音ゲーマシンとダーツはすぐ近くなので会話は出来る。まずは練習感覚でダーツを投げてみる。思いのほか先端がぶれて、刺さらない。これじゃ格好悪い。焦る僕。
女の子2人も中々に下手だった。愛嬌があって嬉しい。Sちゃんはダーツが刺さったら少し可愛くジャンプする。これがわざとらしくないから余計に萌えた。

Tくんが音ゲーから復帰し、ダーツを投げる。結構安定して刺さっている。できるんかーーい。
そして4人対抗戦が始まった。
最初は僕。身長が180あるおかげで手を伸ばせば意外と近い。山なりに投げてみた。3本中2本刺さった。上出来。
Kちゃんは枠外に思いっきり当てたり、19のダブルを当てたりと、極端。
Sちゃんは相変わらず可愛い。意外と安定してるんだよなぁ。
Tくんは性格がダーツに表れており、外したときは矢の先端がへし曲がっている。
自分はプロっぽく、スピードの速い矢を投げることを意識し、なんと1位。格好いいとこ見せられただろうか。

その後、太鼓の達人、足踏みしたりボタンを押したりする競争ゲームをやった。結構個人戦だったし、これと言って語ることもないから割愛。

バスケットボールのシュートを競うゲームでは、Sちゃんとの勝負。3本勝負だ。1本目は1点差でギリギリ勝ち。2本目は引き分け。Sちゃんが上手いのか僕が下手なのか。3本目でなんとか覚醒し、勝ち越し。しかし思いっきりシュートをしすぎて、Sちゃんの所にボールが行ってしまった。まあ笑い話のネタが増えたって事だけども。ちょっとガチでやったのが垣間見えちゃって恥ずかしい。

そんな恥ずかしさを消すためにダンスダンスレボリューションをやった。全力で画面の中のアイドルと同じポーズをとった。笑ってくれたが、キモい方の笑いじゃないとありがたい。ちょっとやり過ぎちゃったかな。

外に行き、バドミントンをやった。
ここからが僕の本調子。グットッパーで2人ずつに分かれ、勝負することに。自分はKちゃんとのチーム。相手に男がいるとやりやすいな。バドミントンが始まる。Tくんはあまり得意ではない様子。それを全力で煽る僕。結構盛り上がった。Sちゃんにちょっと速めのショットを撃ってしまったときは流石に焦った。僕の煽りスキルが役に立ち、結構盛り上がった。これは嬉しい。ただ、Sちゃんからのヘッドショットを食らったときは、僕が焦りすぎて、普通のことしか言えなかった。Sちゃんはごめんごめんと言っていたが、僕が思いっきり倒れたりとか、ありきたりでも一芸をやっておけばネタに出来たのに。ハプニングに弱いとこ治さなきゃ。

テニスでも煽りの応酬でとても楽しかった。
アーチェリーでは、経験者であるTくんとKちゃんに教えて貰い、なんとなく打てるようになった。アーチェリーが置いてある場所の静電気がスゴく、何回もダメージを受けた。それはSちゃんも同様だったようで親近感が湧いた。

室内に戻り、ご飯を食べた。食べる瞬間だけマスクを外すのだが、マスクを外しても可愛かった。最強では?全男が好きなタイプだぞ?これは惚れるわ。
食べ終わった後に、卓球をしに行った。
卓球ではSちゃんと同じチームになった。Sちゃんは壊滅的に下手であり、スゴく面白かった。サーブが自分の所に戻ってくる、打ったはずのボールを見失う等の珍プレーを続出。見てて飽きない。Tくんは結構ガチで打ってくる。Sちゃんに当てんなよ。自分はちょっと下手くらいの立ち位置。まあラリーは出来る。楽しくラリーしたいのに。でも楽しかったからOK。

ローラースケートをしに行った。防具多すぎるだろ。怖いなぁ。フィールドに出てみると、全然滑れない。ちびっ子達に追い抜かされる。スゲー速いなちびっ子。
Tくんは一人で滑りの研究。僕は余裕がないため、女の子2人を気にかけることすら出来ない。弱い男だねぇ。
意外な事にSちゃんがローラースケートが出来るっぽくKちゃんの手を引きながらスベっている。スゴいな。格好いいな。そんな意外な一面が見え、ローラースケートは終わった。手応え何もねぇ。泣きたい。

運動ラストはトランポリンだ。こんなのただ可愛いだけの物じゃないか。トランポリン床が滑りやすく、思ったよりとコケる。そして疲れる。熱い。動画を回したりしたが、見返しても感想は可愛いだけだ。なんとも良いスポーツなんだ。楽しい。

クレーンゲームの場所に行った。僕の実力はとても普通だし、人前でやるなんて到底出来ない。可愛いクマが居たが誰も何もやらなかった。理想は、可愛いクマをひょいっと取って、Sちゃんにあげる。そんなこと出来るわけ。Sちゃんは呪術廻戦の宿儺が好きらしく、取ってあげたかった。くっ…。俺の実力が足りないばかりに…。多分今クレーンゲームの呪霊が生まれた。弱そう。

ラストはカラオケ。なんとボカロ祭り。趣味が合うのは嬉しいですね。まあ高音でないんですけど。パッションとがなりで何とかします。最初の曲だけ得意の眠り姫(SEKAI NO OWARI)で92点!そこそこの高さでは?
みんなで順番に歌っていく。民度高いなぁ。
女の子2人はice breakerをデュエットしたりして仲良いな。2,3時間歌い、ラストはチューリングラブを歌ってお開きになりました。

帰りの電車では架空の話でSちゃんと大盛り上がりし、気分良く帰りました。正直ここが一番面白かったかもしれない。Sちゃんも乗ってくるタイプで、僕は全振りじゃないボケをする女の子大好きだからスゴイぐっときた。多分ここで僕はSちゃんに完落ちしたのだと思う。

また遊びたい。会えるだろうか。もう二度と会うことも無いかもしれない。もし遊ぶ企画を立ててくれても受験が近づいて遊びに行けないかもしれない。あぁもどかしい。


どうせ叶わない恋なのに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?