私を惹きつけるカエル肉

カエル肉は私を度々惹きつけてきた。
幼少期から食材として認識していたが、当時食用であるウシガエルは身近にいなかったし、大人になった今は熊の棲まう森に出向く気にもなれない。

そんな遠い食材であったカエル肉だが、近いうち九州に住んでみることになりそうだから、食べることが出来そうなのだ。

募る好奇心

あれはきっと『世界ウルルン滞在記』だった。

棒に刺されたカエルが焼かれている様子がテレビに映し出され、その様はまさに鶏肉なのである。当時は小学校低学年くらいだと思うが、子どもながらに「美味しそう!」と感じた※。カエルを食材として認識したはじまりだった。

※「ヘビ肉食べてみたい」と言う母の元で育ったからか、爬虫類や両生類を食材として受け止めるのに全く抵抗感はなかった。はたまた、血は争えないのかもしれない。

年月が経ち、大人になった私はウシガエルを捕まえて調理・喫食するYouTubeコンテンツと邂逅する。

彼らが調理するその肉は相変わらず美味そうであり、やはり「美味い、美味い」と食っているのである。興味をそそられない訳がない。
ちなみにカエル脚肉はフランス人に根強い人気があり、高級フレンチ食材だそうだ。そう聞くと食べてみたくなる人もいるのではないだろうか?

日本においてウシガエルは生態系に問題を与える深刻な外来種であり、採って食べること(=駆除)はどちらかというと喜ばしいことだ。口に合えばいくらでも食べてよい。これも、私がウシガエルを食べてみたい理由のひとつだ。

ウシガエルを求めて九州、国東へ

カエルだけが目的ではないけど。居住地として前々から魅力を感じていた杵築や国東を一目見たいと思い、北海道からはるばる訪問した。ウシガエルの生息も確認されていたので、あわよくば捕獲・喫食したいと思い荷物にタモをしのばせて。

現地ではXの相互フォロー様をはじめ、色々な方が力を貸してくれた。杵築や国東の町のチェックはもちろんのこと、ウシガエルが確認できているポイントを教えてもらったり、さらにはそこまで車を走らせていただいたり。(奇特な申し出も快く受け入れていただき、深く感謝🙏)

「田んぼの用水路とかにいたら捕まえられるかも」と安易に考えていたが、土地の権利関係などで今時結構シビアなようだ。となると池や川で採取することになるが、タモ網での捕獲は難しそうだった。
短期滞在のため大した装備を出来なかったのもあり、カレーの準備をしていたがカエル肉を断念した※。

※後日釣り竿で釣るのが良いかもと教えていただいた。釣り竿は持参していたが、既に滞在の疲労があったりカレーの連続消費で疲れていたので、ちょっと悩んだけど断念した…

ジビエの入門、カエル肉

短期滞在では捕獲を断念したものの、現地に住んでしまえばウシガエルの捕獲はかなり簡単だろう。狩猟免許がなくても捕獲できるし、目の前に動く物があれば食らいつくようなので池に釣り竿をのばせば釣れるのではないだろうか。浅い水辺など、安全なポイントならタモ網や手掴みで獲っている人もいる。

そして、締めるのも捌くのも難しくないようだ。小さいし、メインの可食部は脚のみ。脚の皮は靴下を脱がすように綺麗に剥がれるようだ。捕獲〜調理までかなりハードルが低い食材だと感じている。

親戚や友人に「カエルを食べてみたいと思っている」と切り出すと、意外にも食べたことがある人が多い。同年代の友人が喫食済みなことには少し驚いた。
お味については「鶏肉みたいで美味しい」「海産物感のある鶏肉」「淡水魚感のある鶏肉」など、人によってカエル肉の印象は違うようだ。鶏肉に近いことだけは易く想像できる。臭み・風味については採取地の環境や処理の仕方などでも変わりそうだ。

自分で調達したタンパク源を食ってみたい方は、カエル肉でデビューしてみてはいかがだろうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?