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「課題を認識しつつも超高齢社会をポジティブに。新たな高齢期像を志向すべき」と提言

8月5日開催の「高齢社会対策大綱の策定のための検討会(第8回)」(内閣府)を傍聴しました。

「高齢社会対策大綱」(以下「大綱」)とは、「高齢社会対策基本法」によって政府に作成が義務付けられているものであり、政府が推進する高齢社会対策の中長期にわたる基本的かつ総合的な指針となるもの、です。

本検討会は、今回で最終回。構成員からほぼ合意を得ている「高齢社会対策大綱の策定のための検討会 報告書(案)」について事務局から報告があり、あとは、各構成員からの感想といった内容でした。

「高齢社会対策大綱の策定のための検討会 報告書(案)」の構成は下記の目次をご覧ください。

資料1 高齢社会対策大綱の策定のための検討会 報告書(案)P1

大きな流れとしては、下記の5部の構成になります。

第1部 基本的な考え方として
第2部 生涯を通じて活躍できる環境の整備
第3部 高齢期の一人暮らしの人の増加等に対応できる環境の整備
第4部 身体機能・認知機能の変化に配慮した環境の整備
第5部  今後の高齢社会対策の推進に当たって

第1部の「基本的な考え方」に高齢者対策の意義として

我が国の平均寿命は世界で最も高い水準となり、高齢期の人々の体力的な若返りも指摘されている。また、65 歳以上で就業する人等は増加し続けており、その意欲も高い状況にある。このような状況を踏まえれば、65 歳以上を一律に捉えることは現実的ではない。年齢によって、「支える側」と「支えられる側」を画することは実態に合わないものとなっており、新たな高齢期像を志向すべき時代が到来しつつある。
このような観点から、年齢によって分け隔てられることなく、若年世代から高齢世代までの全ての人が、それぞれの状況に応じて、「支える側」にも「支えられる側」にもなれる社会を目指していくことが必要である。

資料1 高齢社会対策大綱の策定のための検討会 報告書(案)P1

と記載されています。

そして、下の3つの基本的な考え方にのっとり、高齢社会対策を推進すべきとしています。

(1)年齢に関わりなく、希望に応じて活躍し続けられる経済社会の構築
(2)高齢期の一人暮らしの人の増加等の環境変化に適切に対応し、多世代が共に安心して暮らせる社会の構築
(3)加齢に伴う身体機能・認知機能の変化に対応したきめ細かな施策展開・社会システムの構築

資料1 高齢社会対策大綱の策定のための検討会 報告書(案)P3〜4

上記の(2)の内容が第2部、(3)の内容が第3部、(4)の内容が第4部に、かなり具体的かつ多方面からの内容が記述されています。
厚生労働省、経済産業省、文部科学省、国土交通省など多くの省庁の施策と関係し、もちろん地方行政にも深く関わっています。
私個人としては、いつもはついつい予防・健康づくりの点ばかりから見ているため、総合的な高齢者施策として新しい気づきがありました。付録を含んでも27頁なのでご一読を。

構成員からは、
「広範囲で多様な構成員による検討ができる場になった」
「大綱の実現のために省庁横断で実効性の高い施策を」
「第3部の孤立、第4部の認知、内容を分けた構成になりよかった」
「この大綱を多くの人に知ってもらうために、わかりやすくした資料の作成を」「明るい超高齢社会という意識チェンジになってほしい」
などの発言がありました。

今後は最終的な細かなチェックの後、報告書として提出されたものが、閣議決定されて、公表されるとのことです。

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