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あっちもこっちも 【#創作大賞2023#エッセイ部門】

考えすぎて、不安になる。悪いことばかり考えてしまうのはなぜだろう。元々考えていたことは、明るいことのはず。
その、あっちこっち忙しなく、それでも元の場所に戻る時の頭の中のこと。


「あっちもこっちも」行ったり来たり。
それでも、それだから、毎日はおもしろいはず。


テレビに気持ちが引っ張られる

テレビドラマが好きなのに、観終わると毎回どっと疲れている。「入り込み過ぎている」らしい。最初は楽しく、ただおもしろいから観ているだけなのに、だんだん自分も「中の人たち」になりきっているみたい。「中の人」じゃなくて、「中の人たち」なのは、それぞれ登場人物全員の気持ちに入り込み過ぎてしまうから。俳優の人たちよりも、一人何役も勝手に気持ちを作ろうとする。ニュース番組も同じように引っ張られる。悲しい事件、ハッピーな報告のニュース、それぞれいろいろあるけれど、なんでもかんでも自分のことだと勘違いしている、のだろうか。

「感情移入しやすいんだね」、なんて言われたこともあるけれど、だんだんこののめり込み度合いに呆れられる。世の中のこと全て、自分も関係しているのかも、なんて思ったりもする。ここまで来ると引っ張られ過ぎていることに気づく。戻らなくちゃ。


テレビに引っ張られそうな時、1番はテレビから離れることだけど、テレビっ子の私にとっては難しい。そんな時は「もう1人勝手に作る」のが、今のところの必勝法。
ドラマだったら勝手に役を自分の中に1人作る。その役は"そのまんまの自分"。自分が主人公とかになるのではなく、自分がこの中に入ったらどうしたいか、を考えるとおもしろい。あくまで入り込むのは、今現在の自分。

悲しい場面、シリアスな場面だって、自分が入り込んだら自分の経験になるから「もうやるしかない!」ときっと思える。そうして、人の気持ちに入り込むのでなく、「自分の気持ちで動く」。
どうせなら、妄想でもなんでも良いから、おもしろがらなくちゃ。



天気に左右される

今は「気象病」なんて言葉もあるくらい、悩まされている人も多いはず、な天気。私の症状は頭痛とか肩こりとか、そんなことよりもネガティブな感情に引っ張られることが一番つらい。
どんより暗〜い天気の時には、この世の終わりか、というくらい気持ちも暗くなる。自分ではどうにもできないくらい、揺さぶられる。

そう、揺さぶられるから余計つらい。天気が良いと、スカッとするくらい元気だから。元気いっぱいはしゃいで、「人生最高!」なんて思ったりして。でも、もくもく雲に制圧される。一気にジェットコースターの下りみたいに、落ちる。戻らなくちゃ。


最近思いついた戦い方は、"記録"をもとに迎え撃つこと。
数年前にメンタルを崩してから日記を書くようにしていて、日付と天気、満月の日にはそれも書く。ネガティブジェットコースターのエネルギーになりそうなことは、なんでも簡単にメモするようにしている。
あまり見返すことはないんだけれど、母がよく日記を見返す人で「去年の今頃はこうだった」などとよく話すもんだから、私も見てみた。

大体同じような天気の時にどうなるか書いていたし、そういう時こそ長めにくどくどしく過去の自分は書いてくれている。過去の自分good job!

それを見ながら戦法を練る。曇りの時、雨の時、満月の日、、、。それぞれに応じて"フラットな自分"に戻れそうなことを考える。美味しいコーヒーを飲む。雨の中洗車気分でドライブ行く。好きな音楽にどっぷり浸かる。戦法は思いつけば思いつくほど良いはず。
それも忘れないように、次の同じような天気に向けてお守りのようにメモをする。書いているだけで落ち着くことだってあるから、効果は良いみたい。

そんなことをしていたら、今日もすっきり晴れてきた。



人のことを勝手に考える

友人は多くない方だけど、みんな大切で、ちょっと執着してしまう時があった。

楽しいランチの時間、深い話が一度始まると、悩み相談なんかも始まったりする。みんなであーだこーだと話して、話してみるとスッキリして、解散するけど、その後が問題だ。
人の悩みをずっと考えてしまうから。悩みどころか、少しでもいつもと違ったかも?と思ってしまったら、ずっと「何かできることはないかな」、「悪いこと起きないといいな」なんて、起きもしないことを考える偽善者になる。
本当に何かあったりすると、「あの時の言霊だ」なんて被害妄想も酷いものだ。

頭の中はその子のことでいっぱい。勝手に考えて涙が出てくる時もある。
そこまで来たら、ハッと気づく。戻らなくちゃ。

多分友人のことを勝手に考えてしまうのは、いつか、離れちゃうんじゃないかと不安になるから。いつも頭のどこかに置いておきたいのかもしれない。ずっと考えておくことで、しがみついている。執着している。とんだ困ったちゃんである。

そんな時は、写真を見るのが私は良い。すぐに連絡を取りたくもなったりするけど、落ち着いて話すこともできなさそうだから、昔の写真を見返す。
楽しそうな写真でも、あの時こんなことがあったなあ、と苦労したことも一緒に思い出す。そして、それを乗り越えてきたんだからなんてことないか、と思える。その子たちの方が、私よりよっぽど強いし、かっこいい。尊敬する友人ばかりだから、私が考えるよりよっぽどいい策が見つかるはず。


人のことよりまずは自分のこと。自分のことも考えてくれ、私。



美味しいその後

美味しいものは無限に食べられる胃を、私は持っているようだ。
好き嫌いもなく、ほとんど何でも食べられるし、美味しく食べられる。

食べたい!、と思ったら止められないので、全部食べる。どんどん食べて、どんどん食べて、、、。お腹がパンパンになっても食べるから、お腹を壊すし、ふくよかまっしぐら。ここまで来ると、「なんで食べたんだろう」と罪悪感だらけ。健康のために、と思ってもやめれない、そして落ち込む。

楽しく、美味しく食べているのにダメダメ。戻らなくちゃ。

こんな頭の中になった時、解決策は一つ。自分を責めない。あっちもこっちも考えるのはやめて、おいしかったことに感謝する。以上。



常時緊急時

良いことなのかもしれないけれど、とにかく極度の心配性で、常に今この瞬間に悪いことが起きるんじゃないかと心配してしまう。だから、もし起こってしまったとき、どうしたら良いかも常に考える。

飛行機、電車、車、乗り物に乗っている時、散歩している時、見知らぬ土地に来た時、怖いことが起きるかもしれないと考える。その後、どう逃げようかとかどう戦おうかとか、なんてこと考える。頭がおかしいと思われるくらい。自分もおかしくなりそうになる。戻らなくちゃいけない。


「明後日のことは考えるな」なんて言葉があるらしい。でも私は明後日どころか、この瞬間のことだけ考えるようにしないといけない。
"この後"のことを考えると不安に、心配になるから、今だけのこと。

でもこれだけは、そういう性格なのかなんなのか、なかなか戻れないことが多い。そんな自分が嫌になる、でも、自分らしいなとも思う。

戻る呪文は「自分らしいかな、まあいっか」に、これからはそうしよう。



何人分もおもしろがる

母方の祖父に小さい頃「頭を開いて中を見てみたい」、と言われたことがあるらしい。覚えていないけど、自分でもそう思ったことが、何度もある。

なんでこんなに考えて、その度に揺さぶられてくたびれてしまうのか。自分のことを自分でコントロールするのが難しくて、嫌だなあ、と思う。

頭の中はどうなっているのだろうか。開けても分からないけれど、見えないなりにおもしろがることにしようと思う。

揺さぶられる度に違うことを考えて、違う人になれる気がするから、何人分もおもしろがれそうだ。


あっちに行って、こっちに来ていろんな景色を見て、いろんなモノに出会って。そんな生活もまあ良いかもね。



あっちもこっちも、欲張りに行こう。

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