見出し画像

2021年に50周年を迎えるアルバム達を聴く〈4〉ラント: ザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン

"2021年に50周年を迎えるアルバム"を聴くシリーズ。
今日は4枚目。
ビッグ3が続いたのでここでちょっと一息ついて。

先日私は、masa@themusicさんの記事でトッド・ラングレンについて読ませて頂きました。


久々に聴いた彼の曲は、懐かしい友人にバッタリ街で再会したような感覚で、それ以来のマイブーム。
その時も私は
"彼のアルバム「something/anything」(1972)は無人島に持って行くリストに入ってます"
とコメントを残したほど昔からこのアルバムが好きでした。
masa@themusicさんも、"納得の神がかった名盤です"と仰っていましたので、まだの方はゼヒ。

そこで。
今日はそんなトッド・ラングレンの50周年を迎えるアルバム、「ラント: ザ・バラッド・オブ・トッド・ラングレン」を聴いてみたいと思います。

先述の「something/anything」が彼の名刺的ヒットアルバム(ビルボードで29位を記録)なら、こちらは言わば、前史かも。本格的ソロになって2枚目のアルバムでビルボード214位。


01. ロング・フローイング・ローブ

「長く揺れるワンピース」何か思い入れの有りそうなタイトル。
シンプル&ライトなイントロからファルセットで入ってくるボーカルに胸キュン。
まるでマージービートさえ思わせるコーラスとタンバリン。
とにかくメロディがキャッチーです。


02. ザ・バラッド(デニー&ジーン)

三拍子でゆったり。メロディと歌詞の掛け合いが絶妙で夢見心地。とにかく優しく、切ない。三拍子で三角関係を表しているのかな。揺れる想い。
こりゃ、本気のバラッド。


03. ブリーディング

ゆったりブルージー・ロック。しばらくすると、出たっ、またファルセット。そして待ってました、間奏ではバッチリ彼のギターテク聴けます。


04. ウェイリング・ウォール

ピアノ一本、弾き語り。とても美しいバラッド。途中から湧いて出るようなファルセットコーラスが幻想的。非常に透明感のある内省的なものを感じるけれど、つなぎのコード進行がニクイなー。


05. ザ・レンジ・ウォー

再び三拍子。懐かしい思い出を語るカントリー調。牧場の話だからですかね。ご近所同士折り合い悪いんですね。しかしそれをさらっと歌ってちょっと三面記事的。この曲好きです。イーハッ、ってかけ声も聞こえます。

06. チェイン・レター

アコギ一本ににエコーなしのボーカル。田舎から出てきてひとり街頭で歌う無名の青年みたいだね。
と思ったらドラムに目を覚まされるように、いつの間にかポップ歌手になっている!泣けるコード進行は懐の暖かくなった証拠みたいな成長っぷり。
おおっと、だんだん大御所になってきたね。シンバルバンバンの連打+多重録音のファルセットコーラスで、まるでオーケストラか!ってくらい派手になってます。大ホールで歌ってるみたいな自信。ラストはバリバリギターソロで思いっきりイッてくれよ。国歌でもフィーチャーされてるかの如く大々的なアレンジです。タイトルの意味がここでよくわかってくるのか。ややプログレ道入道ですね。5分でパタッと終わるけど、やりたいんならもっと長尺でもいいよ。"あるミュージシャンの半生"みたいな曲です。


07. ア・ロング・タイム、ア・ロング・ウェイ・トゥ・ゴー

サクッと自然体で書いたボクの曲です(ウン、キミらしくていい曲だね)、今ハマってる多重録音バリバリ入れちゃいまーす、堪能してー!って感じ。オルガンが効果的。またすっごいドラのようなシンバルだね。

08. ボート・オン・ザ・チャールズ

ボートに乗っているかのように浮遊感たっぷり。ビブラフォンでアンニュイさを演出。エコーもたっぷり利かせましょう。上手く踏んだ韻が心地良い。


09. ビー・ナイス・トゥ・ミー

「つれなくしないで」。横になって眺めてるだけでいいって?随分控えめ男子ですね。リズミックなピアノが余計に哀しみを誘う。そしてそれを煽るカバサと気怠いタンバリン。究極は前に出てくるベルの音。教会の鐘の音にも取れなくないよね。手遅れです。

10. ホープ・アイム・アラウンド

哀し気ロッカーバラード。さっきから畳みかけるような哀愁が秋の長雨のよう。全ては過去形、全部終わってる。「キミが必要な時にはその辺に居られるようにする」って言われてもね。
でも意外とソウルフルに盛り上がって、オルガンの音と共にプロコム・ハルムっぽいね。
でもこの曲かなり好き。

11. パロール

やった!元気なロケンロー来た。気持ちよくすっきり落ちていきます。それにしちゃ急に態度が変わって、一気に強気な攻め。今までのウツっぽい気分が吹っ飛んで良かったです。

12. リメンバー・ミー

わかった。やっぱりどうしてもバラッドとファルセット多重録音で終わらせたかったんでしょ。タイトル通り。
終わりよければすべて良し。
めでたしめでたし。


ん~、やっぱりトッドはかなりなギターテクを持ちながら、繊細なソングライティングも出来(時々ちょっと大丈夫?って程落ちるケド)、そしてマニアックに我が道を行くロマン派男子だったわけです。
うるうるきちゃいます。ますます好きになってしまった。
どうぞ皆さん聴いてあげてね。

そんなところで、それではまた。










この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?