『』


『新月に花』2021.04.22


夜の色を知りたい 春の風を呑みたい
少し酔いが回ったら 白昼夢を願いたい
夜に神様がいるならそれはきっとあの月のことで
貴方の声を思い出す 月明りみたいな声

意味を持たない旅をしよう
価値なんて要らない

泣き零れたもう戻らない姿だけを
未だ幻のような夜辺を繰り返して
今日は新月だから 暗闇さえ美しいから
浅い呼吸で詠って花を眺む


空の遠さを知りたい 雨の形を描きたい
いつか貴方に逢えたら 永遠を捜したい
もし神様が見えるならそれはきっと貴方のことで
息を吸うそれだけで 想いは巡る春爛漫

拙い言葉でも側に居たい
貴方に触れたい

溢れるまま拭えない苦しさだけが
やけに透明でそれさえも愛しいから
それならいっそ募るまで 私を花雫に溶かして
浅い水面に浮かんで月を眺む


過去に囚われてばかりだ
淡い熱だけずっと抱えて
ただ、貴方が、貴方に、貴方と

さよならばかりが身に染みて痛い


泣き零れたもう戻らない姿だけを
未だ幻のような夜辺を繰り返して
今日は新月だから 暗闇さえ美しいから
浅い呼吸で詠って花を眺む




一番好きな一節の入った詩
ただただ綺麗な詩を書きたかった

そこに貴方を織り交ぜたのは私のエゴ

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