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【お直し】ジーンズの穴を補修する

今回は、昔のお直し屋さん時代にもよく依頼をいただいていたお直し。デニムの穴をどうにかしようという試みです。
やろうと思うといろいろ直すもの出てきますね🙄

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生地が破れたり穴があいたりした場合、場所やサイズによっては隠すこともできますが、それができない場合の苦肉の策(?)としてよく使われるのが「ミシンタタキ」(ミシン刺し)という方法です。
超ざっくりいうとこんなやり方↓

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ちなみに(デニムにはあまり使われないですが)生地破れをきれいに直したい場合は「かけはぎ」という方法もあります。破れてたのが全くわからなくなることが多くてとっても素敵な職人技。特殊技能ゆえ、もちろんお値段もそれなり。

今回は「ミシンタタキ」でやっていきます!

破れた箇所をアイロンで整え、接着芯を貼る

生地が摩耗したり、伸びたりして薄くなっているので、アイロンでなるべく元の状態に近くなるよう整えます。
その後ミシンタタキをする範囲を決め、軽く印つけをし、それより少し大きめサイズに接着芯(アイロンでくっつくのり付きの生地)をカットして、裏に貼って固定します。

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あて布を準備し、仮止めする

接着芯だけでは心もとないので、さらにハギレをあてます。
共布(表地と同じ生地)を使うのもいいんですが、デニムだと厚すぎてアタリが出たり(表地がテカったりする)縫いにくいので、程よい厚みで色みが近いものを手持ちのストックから探します。
今回はシャンブレーの裏側を使ってみました。

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こちらも接着芯より一回り大きくカットし、さらになじみをよくするために角を丸くカット。加えてほつれてこないようにジグザグミシンをかけます。
※ロックミシンあればそのほうがたぶんほつれにくいです
※ごわつくのでかけない場合もあります

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そして↑で用意したものを、アイロン接着の両面テープを使って端を仮止めし、縫っている間に動かないよう固定します。

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糸色を合わせ、細かく縫う

破れ箇所になるべく近い色の糸を数本用意し、生地にぴったり当ててどれがいいか選定。
色ムラがあるとちょっと悩みます(たまに数色使って混ぜることも)。でもなぜかこの糸選定楽しいんですよね。君に決めた感。

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ちょうどよい色を決めたら、いよいよ縫っていきます。
縫い目の長さを細かく設定して、端から埋めるように。(と言いつつ、最初からギチギチに縫うと生地が収縮して縫いにくいので往復して結果的に埋まるようにする派です)
ステッチの長さ設定はスーツとかだと1mm以下にすることが多いのですが、デニムはなんとなく織りで見えてる縦糸の長さに合わせたりしてみている。今回1.5mmで縫いました。

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余談ですがミシンの押さえに謎の透明板↑があり、縫う場所が見づらい…(´;ω;`)割と勘で縫ってるのできっちり針を落としたいときはやはり困る。
とはいえなんとか、できました!

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尻向け失礼します。
写真だと結構光を反射して目立って見えますが、
実際はもうちょいなじんで見える…ような気がする(;・∀・)

裏から見るとこんな感じ(粗を曝す恥を忍びつつ)。
ちなみに下端はきっちり縫うと逆にキワが目立つので、揃えないようにしてます。もうちょいランダムにしてもよかったかも。

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お直し後記

ミシンタタキは、生地によって/アイテムによって/箇所によって/人によって、などなど細かいポイントでやり方が変わってくるのでなかなかに奥深く、個人的に大好きなお直しのひとつです。
やればやるほど新たな発見に出会うのが楽しいʕ•ᴥ•ʔ

おまけ

ついでに過去に直した事例画像を発見したので、締めにいくつか並べてみます👯‍♀️

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