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写真に対する見方や関わり方について

昨日の勉強会にて。写真の見方や関わり方はおそらく一般社会と私との間には、大きなズレが存在するしているのだと、改めて再認識した。

写真はいまや誰もが撮影でき、即時にシェアできる時代。現代において世間一般的には撮ることよりも「撮った写真をシェアする」ことに重きが置かれているであろう。

また、いわゆる「写真愛好家」と言われる、機材や被写体、構図といった写真そのものに関心がある層が存在し、この層が写真産業を支えているといっても過言ではない。

彼らの評価基準は、写真サークルの先生や、写真雑誌に掲載されているようないわゆる「良い写真」。いかにいい写真が撮れ、誰かにいいねといってもらえるかが重要であるため、凡庸な写真(つまらない写真)や、わからない写真に対して、評判が悪いというのも頷ける。

読者アンケートでは、圧倒的にアンチコメントが多くなるのも必然であろう。自身がいいと思っている写真とは大きくかけ離れているのだから。ふと気になったのだが、アンケートに書かれている内容は写真そのものに対してが大半であり、そこに書かれた文章から読み取った写真について書かれていることって、かなり少ないのではなかろうか。

一般的に写真の見方や写真の読み方、いわゆる写真リテラシーは誰かに教わることはなく、身近な写真好きや写真雑誌から得ることが多いため、そのリテラシーは極端であることの方が多い。いや、そもそも写真愛好家にとってはリテラシーは2の次で、写真を撮ることが第一条件なのであろう。

しかし、そんな中でも写真リテラシーに興味がある層は少数だとしても存在しているはずである。そうした層の一番の悩みは、「写真の見方がわからない」、「私の見方が正解なのだろうか」といったところにあると思う。

思いつきで書いてはいるが、写真雑誌の募集は当然ながら「写真」である。では、写真以外の募集、すなわち読者による写真批評(そこまで大げさなものではないが)ってこれまで存在しなかったような気がする。なぜなら、写真を評価するのが、写真家や写真評論家といった、いわゆる写真を知っている(であろう)人々しか写真について語っていないはず。というか、そもそも批評なんてしようと思ったことすらないと思う。

たとえば今月の募集テーマとして、一枚(複数枚)の写真と文章から、読者がそこからなにを感じ、なにを読み取ったのか。「良い」「悪い」ではなく、「あなたがここから感じたこと」を掲載されていれば、おもしろそうだなと。

もちろん、いきなり募集したとしても、その趣旨や目的は理解されないであろうから、初回は例として編集側で書いたものを掲載する(2, 3名ほど?)。

求めるべきは「正解」ではなく、「多様性」にあり、こうした見方や読み解き方があることを知ってもらうことにある。

名前が掲載されると極端にそのハードルがあがるため、ハンドルネームやイニシャルにとどめることが無難であろう(載せたければ書いてもいい、むしろ私なら名前は載せたい(笑))。「私」の写真の見方が掲載されることになれば、掲載された本人はその文章で自分が書いたものであるとわかるし、たとえ掲載されなかったとしても、必然的にほかの人が書いた文章を読む機会は格段に増す。

こうした草の根運動的な地道なリテラシー活動は非常に重要でありながらも、おそらく取り組んでいるところはほぼないに等しいのではなかろうか。しかし、先の写真産業を支えていくのは、アーティストや写真家ではなく、一般社会の人々であることにほかならない。

写真の裾野を広げ、写真に興味を持ってもらい、写真と関わることでいかに人生が豊かになるか。そうした写真との関わり方を続けていってもらいたい。

ちなみに冒頭に書いたが、私にとっての写真や考え方、その関わり方は世間一般と大きくかけ離れているため、純粋な写真との関わり方がとても新鮮に感じた。その大きく乖離した私写真論はまた別の機会にでもnoteに書いてみようと思う。


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