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三島由紀夫『奔馬』(豊饒の海 第二巻) 単語集

『奔馬』は全4巻からなる『豊饒の海』シリーズの二作目で、前作から18年後の世界。大人になった本多が、松枝清顕の生まれ変わりと思われる若い青年に出会う話です。
三島の最期を知っている現代の私たちからしたら、作者の思想が大きく入っているのかな?とも感じられる今作は、相も変わらずめっちゃ難しいです。特に神風連史話のとことか本当に…
というわけで、難解な単語を独自に意味をまとめました。これから読む方は参考にご覧ください。

※昭和52(1977)年発行の新潮文庫版を元にしています。
※解説・画像はあらゆるサイトから適当にそのまま引用しています。あくまで参考程度にご覧ください。



つういん【痛飲】 大いに酒を飲むこと。
かんぜりゅう【観世流】 観世流は能楽における能の流派の一つである。シテ方、小鼓方、大鼓方、太鼓方がある。
フォックストロット【fox trot】 1910年代に米国で流行した、4分の4拍子または2分の2拍子の社交ダンス。

ようせつ【夭折】 年が若くて死ぬこと。 わかじに。
きょき【歔欷】 すすり泣き。むせび泣き。
ふじひたい【富士額】 富士額とは、生え際が富士山の形に似ている額のこと。 富士額の人が髪を上げておでこを出すと、顔の形がハート型にみえる。 昔の女性は髪を結っておでこを出すのが一般的だった。 富士額は、昔は女性の額にのみ使用されていた言葉であり、和装が似合う生え際が美しいなどの理由で、美人の代名詞にもなっていた。
み【箕】 米などの穀物の選別の際に殻や塵を取り除くための容器。 不要な小片を吹き飛ばすことを主目的として作られる平坦なバスケット形状の選別用農具(農作業で使う手作業用具)である。※画像

しょうぜん【鏘然】 玉や鈴などの鳴るさま。また、水の音がさらさらと美しく聞こえるさま。
くりや【厨】 料理をする所。台所。
にんせいふう【仁清風】 野々村仁清風のこと。野々村仁清は、江戸時代前期の陶工である。通称清右衛門。京焼の色絵を大成。※画像

むこうづけ【向付】 懐石料理の献立中の一品で、向こう、お向こうともいう。 初め、あるいは二番目に出す料理で、客の向こう側に置くところからこの名がある。
ほおのはな【朴の花】 モクレン科モクレン属に属する落葉高木の1種である。別名としてホオ、ホオガシワなどともよばれる。※画像

そうそつ【怱卒】 あわただしいこと。用事のために、ひまがないこと。また、にわかなこと。
ちょうめい【澄明】 澄み切って明るいこと。

きく【規矩】 手本。規則。
めんば【面罵】 相手を目の前においてののしること。
しょうかん【消閑】 ひまつぶし。
しんかん【深閑】 物音もせず静まり返っているさま。
ファナティック【fanatic】 狂信的なさま。
はしけ【艀】 本船から岸壁へ、岸壁から岸壁へと貨物の移動等に使用される輸送船。※画像

しんに・しんい【瞋恚】 怒り。十悪の一つ。自分の心に逆らうものを憎み怒ること。
しつぴ・しっぴ【櫛比】 櫛(くし)の歯のように、ほとんどすきまもなく並んでいること。
いしゃ【慰藉】 なぐさめていたわること。同情して、またはすまないと思って、なぐさめること。

しょうはく【松柏】 マツとコノテガシワ。また、一年中緑を付けている、常磐木(ときわぎ)。
けいさい【禊斎】 心身を清めること。
ほうてん【奉奠】 うやうやしくささげること。
ばんきん【輓近】 近ごろ。最近。
からはふ【唐破風】 中央部を凸型に、両端部を凹型の曲線状にした破風のこと。 破風とは、東アジアに広く分布する屋根の妻側の造形のことであり、切妻造や入母屋造の屋根の妻側にも取り付けられている。※画像

じだ【耳朶】 耳たぶ。また単に、耳。
れっぱく【裂帛】 帛(きぬ)を引き裂く音のように、声が鋭く激しいこと。
そんきょ【蹲踞】 体を丸くしてしゃがむ、または膝を折り立てて腰を落とした立膝をついた座法を言う。※図

りゅうりょう【嚠喨】 管楽器の音などが、すみわたっているさま。
かくする【劃する】 画する。
かちどき【勝鬨】 勝った時に、一斉にあげる喜びの声。

けいしょう【軽捷】 みがるですばやいこと。
めのう【瑪瑙】 縞状の玉髄の一種で、オパール、石英、玉髄が、火成岩あるいは堆積岩の空洞中に層状に沈殿してできた、鉱物の変種。※画像

こごしい【凝しい】 岩がごつごつしていて険しいさま。
みずごり【水垢離】 神仏に祈願するため、冷水を浴びて体のけがれを去り、清浄にすること。
かいせん【疥癬】 ヒゼンダニ(疥癬虫、Sarcoptes scabiei)が皮膚の最外層である角質層に寄生し、人から人へ感染する疾患。

ごうん【五蘊】 仏語。 色(物質)、受(印象・感覚)、想(知覚・表象)、行(意志などの心作用)、識(心)の五つをいい、総じて有情の物質、精神の両面にわたる。 因縁によって生ずる有為法をいう。
ごうき【剛毅】 意志が強固で不屈なこと。
こうきょ【薨去】 皇族・三位(さんみ)以上の人が死亡すること。
とんせい【遁世】 世間をのがれ(=遁)去り、俗事とのかかわりを絶つこと。仏門に入ること。隠遁(いんとん)・隠居すること。
とつおいつ【とつおいつ】 あれこれと迷って決心のつかないさま。
そうりん【相輪】 相輪とは、五重塔などの仏塔の屋根から天に向かって突き出た金属製の部分の総称。九輪と水煙はその中の部位。※画像

さんしょく【蚕食】 (蚕(かいこ)が桑の葉を食うように)片端から次第に他の領域を侵略すること。
れんかん【聯関】 物事の、互いに連なり続いているような関係(があること)。

しょうぎ【床几】 脚を打ち違いに組み、尻の当たる部分に革や布を張った折り畳み式の腰掛け。 陣中・狩り場・儀式などで用いられた。また、数人掛けられる程度の横長に作った簡単な腰掛け台。※画像

こうらん【勾欄】 橋や廊下などで人が落ちたりしないようにするために設置する柵のようなもの。 闌干。
ほうきめ【箒目】 ほうきで掃いたことのわかるような筋目。
れいじん【伶人】 雅楽を奏する人。楽人(がくじん)。
がんしゅう【含羞】 はじらうこと。はじらい。
かっこ【羯鼓・鞨鼓】 雅楽で使われる打楽器で、鼓の一種。 奏者の正面に横向きに置き、先端を団栗状にしてある桴を使って左右両面を打つ。 ※画像

へいし【瓶子】 壷の一種で、口縁部が細く窄まる比較的小型の器形のものをいい、主に酒器として用いられた。※画像

じょうえ【浄衣】 白の布または生絹(すずし)で仕立てた狩衣(かりぎぬ)形をした装束の一つで、主に神事の折に着用する。※画像

しべ【蕊】 雄しべと雌しべ。 ずい。また、ひも・緒などのふさのもとにつける飾り。
なおらい【直会】 直会とは、神社に於ける祭祀の最後に、神事に参加したもの一同で神酒を戴き神饌を食する行事である。
らいらく【磊落】 気が大きく朗らかで、小さいことにこだわらないこと。気性がさっぱりしていること。
せがれ【倅】 自分のむすこを指す、へりくだった言い方。転じて、他人のむすこ、年少の男を、いやしめて表すのにも使う。
けいひつ【警蹕】 昔、天皇の出入、貴人の通行、神事などの際、先払いが掛け声を掛けて、人々をいましめたこと。その声。神殿のとびらをあける時などに、神職が出す「おお」という声。
かんがんのいたり【汗顔の至り】 自分が過ちを犯して恥じ入る様子を表す表現。
ふぶんみょう【不分明】 明らかでないさま。 はっきりしないさま。
じっていほう【実定法】 慣習や立法のような人間の行為によってつくりだされ、一定の時代と社会において実効性をもっている法。 制定法・慣習法・判例法など。 人為法。

まなじりをけっする【眦を決する】 気力などに満ちた様子で目を大きく見開くさま。
おのがしし【己がじし】 各自それぞれ。 思い思いに。
かんし【諫死】 死んでいさめること。 また、死を覚悟していさめること。

そうはつ【総髪】 男子の髪形の一。 月代 (さかやき) を剃らず、髪を全体に伸ばし、頭頂で束ねたもの。※画像

くすび・くしぶ【奇霊】 霊妙に見える。 不思議な様子である。
うけひ【宇気比】 古代日本で行われた占いである。宇気比、誓約、祈、誓などと書く。
しょこう【曙光】 夜明けにさしてくる太陽の光。
こうまい【高邁】 けだかく、衆にすぐれていること。
かのう【嘉納】 進言などをほめて聞き入れること。ほめ喜んで受け取ること。
かんしん【姦臣】 悪心をいだく家臣。
ぬかずく・ぬかづく【額ずく】 丁寧に拝礼すること。 額を地面につけるようにして礼すること。
ふよう【芙蓉】 アオイ科フヨウ属の落葉低木。 種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意。 ※画像

いてき【夷狄】 (古代中国において東方の未開国を「夷」、北方のそれを「狄」といったところから) 辺境の民族や外国人を、野蛮人と卑しめていう語。
りょうしゅう【領袖】 集団のかしらや主だった人。
かいこう【恢弘】 広く大きくすること。 事業や制度、教えなどを世に広めること。
ざんかん【斬奸】 悪者をきり殺すこと。
りょりょく【膂力】 筋肉の力。腕力。
しょうあい【鍾愛】 あつく寵愛(ちょうあい)すること。
びくん【微醺】 ほろ酔い。
へんちゅう【貶黜】 官位を下げて、しりぞけること。 貶斥 (へんせき) 。
つのぐむ【角ぐむ】 草木の芽が角のように萌(も)え立つ。芽ぐむ。
こうぼう【光芒】 光のすじ。
ますらお【益荒男】 強く堂々とした、りっぱな男子。ますらたけお。
じこん【爾今・自今】 今からのち。今後。以後。
そうもう【草莽】 官職に就かないで、民間にとどまっている人。在野の人。また、自分をへりくだっていう語。
まいし【昧死】 死をかえりみず、あえて申しあげること。
かんぜん【間然】 間然なき。あれこれと非難する欠点がない。
るちん【縷陳】 こまごまと述べること。縷縷(るる)陳述すること。
ていご【牴牾】 くいちがうこと。
ひや【鄙野】 いなかびて、品のないこと。 また、そのさま。 野鄙(やひ)。
ろうぎ【螻蟻】 螻蛄(けら)と蟻(あり)。 また、虫けら。 転じて、小さくてつまらないもののたとえ。
めんばく【綿邈】 年代や場所がはるかに遠いこと。
かんてい【戡定】 武力で戦乱を平定すること。
しゅゆ【須臾】 しばらくの間。わずかの間。
はくいんぼうしょう【博引旁証】 事を論ずるのに、広く例をあげ、あまねく(=旁)証拠を示すこと。
そうが・さうが【爪牙】 つめと、きば。転じて、人を傷つけ、また脅かすもの。魔手。また、主君や国家を守護する家来。
びょうさん・べうさん【廟算】 朝廷のはかりごと。
とじ【徒爾】 むだなさま。無意味なさま。
ここう【股肱】 一番頼みとする部下。手足と頼むもの。
かいよりはじめよ【隗より始めよ】 言い出した者から実行せよ。
しなと・しなど【科戸】 風の異称。特に、いっさいの罪やけがれを吹き払う風の意に用いられる。
ぶご【部伍】 隊列の組をつくること。 また、その組。 隊伍。
げんれい【厳厲】 きびしく、はげしいこと。
てんゆう【天祐】 天のたすけ。天助。
みたましろ【御霊代】 みたまに代えてまつるもの。御神体など。
すいか【誰何】 相手が何者かわからないときに、呼びとめて問いただすこと。
あざみ【薊】 アザミは、キク科アザミ属 及びそれに類する植物の総称。標準和名を単にアザミとする種はない。スコットランドの国花。※画像

かいへい【潰兵】 敗走の兵。
ちく【馳駆】 走りまわること。
せっしやくわん【切歯扼腕】 「歯を切(き)り腕を扼(やく)す」と読む。 はげしく憤るさま。 転じて非常に悔くやしがるようすを喩(たと)える。
きんけつ【禁闕】 禁門(禁闕)の変のこと。禁闕の変は、室町時代の嘉吉3年9月23日夜に京都で起こった後花園天皇の禁闕への襲撃事件。
よじん【余燼】 燃え残りの火。「大火の―」。比喩的に、事のあとに残る影響。
せつえん【雪冤】 無実の罪であることを明らかにすること。 身の潔白を示すこと。
ておやめ・たおやめ【手弱女】 たおやかな女。やさしい女。

かきん【瑕瑾】 きず。特に、欠点。短所。
きょうげき【矯激】 人の言動が度はずれて激しいこと。
しんい【信倚】 信じて頼ることを意味する語。
げはん【下阪】 東京から大阪に行くこと。
ようろ【要路】 重要な地位。重要なみち。

十一

ろうおく【陋屋】 狭くてみすぼらしい家。
へこおび【兵児帯】 和服における男物の帯の一種。以下の二様がある。 大幅もしくは中幅の縮緬地などをしごいて締めるもの。明治以降に流行した。※画像

あくた【芥】 腐ったりなどして打ち捨てられているもの。ごみ。くず。廃物。  

十二

おるぐ【オルグ】 団体が組織拡大のために、主に労働者・学生に対して、宣伝・勧誘活動で構成員にする行為、又はその勧誘者を指す。 organizeまたはorganizerの略。
いやさか【弥栄】 繁栄を祈って叫ぶ声。ばんざい。
ちょうちゃく【打擲】 ぶつこと。なぐること。
しかつめらしい【鹿爪らしい】 態度・顔つきが、まじめくさって緊張した様子だ。
はんぺい【藩屏】 守護するもの。 特に、王家を守護するもの。
どうまごえ【胴間声】 調子のはずれた(男の)太い声。

十三

いっしどうじん【一視同仁】 だれをも差別せず、すべての人を平等に見て一様に仁愛をほどこすこと。
ゆうよく【遊弋】 艦船が水上をあちこち動き回って敵に備えること。また、あちこち動き回ること。

十四

かくやく・かくえき【赫奕】 光り輝くさま。
しんきん【宸襟】 天子の心。

十五

いっぴ【一臂】 かたひじ。転じて、少しの助け。
そうちつりょう【宗秩寮】 宮内省に設置された内部部局の一つ。
きょうきゅう【匡救】 悪を正し、危険などから救うこと。
リフレーション【reflation】 リフレーションとは、デフレーションから抜け出たが、本格的なインフレーションには達していない状態のこと。
ざんかんじょう【斬奸状】 悪者(=奸)をきり殺す趣意を書いた書状。

十六

てんめん【纏綿】 まといついて離れにくいさま。特に、愛情が深くこまやかなさま。
れんけつ【恋闕】 宮殿を恋しく思うこと。天皇に惚れること。
ようえい【揺曳】 ゆらゆらとなびくこと。「―するかげろう」。後まで長く残って、認められること。
しこう【伺候】 貴人のそば近くに居て仕えること。また、貴人の御機嫌伺いに行くこと。
こうずる【薨ずる】 (皇族または三位(さんみ)以上の)貴人が死ぬ。薨去(こうきょ)する。
しせき【咫尺】 わずかの距離。また、貴人の前近くに出てお目にかかること。
ぞうじょうまん【増上慢】 仏教で、まだ悟らないのに、悟ったと思って、おごり高ぶること。転じて一般に、十分な力が無いのに、自信の強いこと。

十七

かのう【嘉納】 進言などをほめて聞き入れること。また、ほめ喜んで受け取ること。
そうもう【草莽】 官職に就かないで、民間にとどまっている人。在野の人。また、自分をへりくだっていう語。

十八

へんげんせっく・せきく【片言隻句】 ほんのちょっとした言葉。
みずさかずき【水盃】 二度と会えないかも知れない別れの時などに、酒のかわりに水をついで、杯をやりとりすること。
きょき【歔欷】 すすり泣き。咽び泣き。
ばくげき・ばくぎゃく【莫逆】 意気投合してきわめて親しい間柄。
あやめ【文目】 模様。色あい。物の筋道や区別。
そこつ【粗忽】 軽率で不注意なこと。そそっかしいこと。それによるあやまち。粗相。

十九

てんめん【纏綿】 まといついて離れにくいさま。特に、愛情が深くこまやかなさま。
いっかいせい【一回性・アインマーリヒカイト】 ある事柄が一回しか起こらず、再現できないこと。
あらやしき【阿頼耶識】 瑜伽行派独自の概念であり、個人存在の根本にある、通常は意識されることのない識のこととされる。

二十

こうしょう【哄笑】 大口をあけて笑うこと。高笑。
れいり【怜悧】 頭がよく、りこうなこと。
おおわらわ【大童】 一生懸命になること。 夢中になってすること。 なりふりかまわず、一心にすること。
はらげい【肚芸】 歌舞伎の演技用語。劇の進行上の気持の変化や決心などの心理表現のさい,せりふや動作,表現などをいちいちはでに表面に出さず,すべて地味に静的に抑制して,しかも観客には十分納得できるように表現することをいう。

二十一

やなぎごし【柳腰】 細くしなやかな腰つき。また、細腰の美人。
嘉する【よみする】 (身分の上の人が目下の者の行いなどを)よしとする。ほめる。
とどく【蠹毒】 害虫による食害。また、物事をそこない害すること。
せんない【詮無い】 何かをしても報いられない。かいがない。
けいかく【圭角】 玉のとがったかど。転じて、言語や動作などがかどだっていて、人と折り合わないこと。気性が鋭く円満でないこと。かどかどしいこと。

二十二

ふつぎょう【払暁】 明けがた。あかつき。
りょうしゅう【領袖】 集団のかしらや主だった人。
こうてい【高弟】 弟子(でし)の中で、特にすぐれた弟子。
しゅうしょう【周章】 あわてふためくこと。うろたえ騒ぐこと。
じゅんじゅんと【諄々と】 相手によく分かるように、言い聞かせるさま。 繰り返し教え諭すさま。丁寧に道理を説くさま。 くどくどと。
ふき【不羈】 束縛されないこと。他から押さえつけにくいこと。

二十三

ぬるでもみじ【白膠木紅葉】 ヌルデの紅葉。※写真

たのも【田面】 田の表面。田づら。
とくしん【瀆神】 神を涜すこと。神の神聖をきずつける行為。
あおじ【蒿雀】 秋から冬にかけて日本に渡来し、春に日本を離れ、繁殖地に移動する渡り鳥。 日本より北方で繁殖(子育て)し、日本で越冬をする。 日本の中の同じ地域に一年中生息し、繁殖(子育て)をする。 基本的には、夏鳥や冬鳥、漂鳥のように季節的な移動をしない鳥。※画像

二十四

くるまざ【車座】 多くの人々が輪の形になり、内側へ向かってすわること。 まどい。 くるま。
ちゅうみつ【稠密】 そこに、すき間もろくに無いほど多く集まっていること。こみあっていること。
かかずらう・かかずろう【拘う】 かかわりを持つ。関係する。また、その結果、とらわれてこだわる。
へいこ【炳乎】 (光り輝いて)明らかなさま。明白。
かいこう【恢弘】 広く大きくすること。 事業や制度、教えなどを世に広めること。
きょかい【巨魁】 首領。親玉。
せんえん【遷延】 のびのびになること。はかどらず長引くこと。
あいくち【匕首】 鍔の無い短刀のこと。本来の日本語では「合口」であったが、中国の「匕首」と混同され、現在はどちらの表記でも「あいくち」で意味が通る。※画像

じょうざい【浄財】 伝道や慈善・社会事業などのために寄付する金銭。利得や報酬を考えないで寄贈する金銭。また、賭け事などではなく、まともな手段で得た財貨。
いなむ【辞む・否む】 いやだといって拒む。承知しない。断る。

二十五

がち【雅致】 風雅な趣。 みやびやかな風情。 上品な様子。
けんしょうひ【顕彰碑】 個人の著名でない功績や善行などを称えて、広く世間に知らしめるために建てられる石碑などのこと。
てんがく【篆額】 石碑などの上部に篆書で書かれた題字のこと。
えいいき【塋域】 墓地。墓場。
れいしょ【隷書】 漢字の書体の一種。※画像

しきみ【樒】 マツブサ科シキミ属に分類される常緑性小高木から高木の1種である。葬儀や法要などの仏事で使用される植物。※画像

二十六

にしきで【錦手】 赤・緑・黄・青・紫などで上絵 (うわえ) をつけた陶磁器。 五彩・色絵・赤絵などとほぼ同義で、古伊万里などで多く用いられる呼称。※画像

れんけつ【恋闕】 天皇に対して忠誠心以上の情熱で恋い焦がれることを示す言葉。

二十七

とんじ【遁辞】 責任などをのがれようとして言う言葉。逃げ口上(こうじょう)。
ちゅうしん【衷心】 まごころの奥底。衷情。

二十八

ささらこしたみ【簓子下見】 木造家屋の外壁の仕上げなどで、板を横に羽重(はがさね)にして張り、その上から縦に一尺(約三〇・三センチメートル)ぐらいの間隔をおいて簓子を打ちつけたもの。簓子羽目。※画像

ふしゅび【不首尾】 ぐあいが悪いこと。思わしい(よい)結果が得られずにしまったこと。
あゆ【阿諛】 おべっかをつかうこと。
そうじん【霜刃】 冷やかに光るやいば。鋭い剣。
みょうてい【妙諦】 すぐれた真理。

二十九

きっすいせん【喫水線】 船が水上に浮かんでいるときの水面と船体との交線をいう。※画像

しょっこう【燭光】 光度単位の一つ。以前に使われていた単位で、現在はカンデラが用いられる。一燭光は一・〇〇六七カンデラ。

三十一

せこ【世故】 世間のさまざまなならわし。
へんぱ【偏頗】 片寄って不公平なこと。
ちょうけんぶんらん・びんらん【朝憲紊乱】 国家が存立する基盤の法制度などが不法に侵されること。 「朝憲」は、国家の秩序を守るおきて。 憲法。 「紊乱」は、乱れること、また乱すこと。
えいだつ【穎脱】 才能が群を抜いてすぐれること。
ごしょにんぎょう【御所人形】 宮中をはじめ、京都の公家の間で好まれた幼い子どもの人形。※画像

インバネス【Inverness】 男性用の外套の一種。インバネスコート。※画像

そかく【疎隔】 うとくなって隔たりが生ずること。また、うとんで隔てること。
しま【揣摩】 事情をおしはかること。
そうにんかん【奏任官】 奏任官は明治憲法下の高等官の一種で、高等官三等から八等に相当する職とされていた。奏任官は天皇の任命大権の委任という形式を採って内閣総理大臣が任命し、官記には内閣印が捺されていた。
ざんこう【残肴】 食べのこしのさかな。酒宴のあとの残り物。
けんもん【権門】 政治・社会的に権勢を誇る門閥(世襲)勢力であり、具体的には王家(天皇家)、朝廷に参仕する公家(藤原氏など)、寺家(比叡山延暦寺や興福寺など)と社家(石清水八幡宮や賀茂社など)、それに幕府を運営する武家を指す。 貴族と僧侶・神官と武士。
つばなり【鍔鳴り】 刀を鞘(さや)におさめるとき、鍔が鯉口(こいぐち)と打ち合って発する音。
るいらん【累卵】 積み重ねた卵。不安定で崩れやすいので、物事が非常に危ない状態にあるたとえ。
こわもて【強持て】 おそれられて、かえって優遇されること。

三十二

たんだい【探題】 法会の論議の時、論題を選定し、問答の可否を判定する役の僧。探題博士ともいう。
がいたん【慨嘆】 うれいなげくこと。憤りなげくこと。
そうちつりょう【宗秩寮】 旧宮内省の諸寮の一つ。 皇族・皇族会議・王族・公族・華族・朝鮮貴族・爵位・有位者に関する事務をつかさどった所。
ようかい【容喙】 横から差し出ぐちをすること。
そつどく【卒読】 急いで(ざっと)読み終えること。
とんざん【遁竄】 逃げ隠れること。
ほうさん【宝算】 天皇の年齢。聖寿。
ゆうあく【優渥】 君が臣に対してねんごろに手厚いこと。恵みが厚いこと。
はんぶんじょくれい【繁文縟礼】 規則・礼式などがこまごまとしていて煩わしいこと。
こも【薦】 マコモを粗く編んだむしろ。現在は多く、わらを用いる。こもむしろ。
てんたん【恬淡】 あっさりとしていて、名誉・利益などに執着(しゅうじゃく)しないさま。
たいけんしぎ【大権私議】 権力を私物化して使うこと。
せきしん【赤心】 飾りのない、まごころ。丹心。
ふき【不羈】 束縛されないこと。他から押さえつけにくいこと。逃げ隠れること。
るいがおよぶ【累が及ぶ】 (悪影響や迷惑などの)関わりが及ぶということ。 他から災いがふりかかる、巻き添えを食う、とばっちりを受ける。
いんめつ【湮滅】 隠すなど処置して分からなくしてしまうこと。「証拠を―する」。何かの処置で跡形なく消え去ること。
きょうけん【恭謙】 つつしみ深く、へりくだること。

三十三

たたき【三和土】 敲き土(たたきつち)」の略で、赤土・砂利などに消石灰とにがりを混ぜて練り、塗って敲き固めた素材。3種類の材料を混ぜ合わせる。※画像

ふ【斑】 ぶち。まだら。
めしい【盲い】 視力を失う。 目が見えなくなる。
びゃくだん【白檀】 ビャクダン科ビャクダン属の半寄生の熱帯性常緑樹。英語名からサンダルウッド(英: sandalwood)とも呼ばれる。香料としても使われる芳しい香りの香木で、インド・インドネシア・西アフリカ・ハワイ・オーストラリア等の様々な熱帯・亜熱帯地域において産出される。

じゃくまく・せきばく【寂寞】 ものさびしく静まっていること。
ようとう【揺蕩】 ゆれ動くこと。 また、ゆり動かすこと。 たゆたう。
じゅうき【什器】 仏教の什物(じゅうもつ)に由来し、寺で宗徒が使う器具、日用品、生活用品を指す。
へんまん【遍満】 広くいっぱいに満ちふさがること。あまねく満ちること。
えいいつ【盈溢・盈満】 物事が満ち足りること。欠けたところがないこと。
にゅううん【乳暈】 乳頭の周囲を取り巻く褐色・輪状の部分。 乳輪。
いっかな【如何な】 どんな情況になろうと一向に。どうしても。
ためつすがめつ【矯めつ眇めつ】 あちこちの向きから、よくながめる様子。

三十四

こうてつ【更迭】 人事処置の一つ。 高い地位についている人間の役職を解き、別の人間を当該役職に充てることを指す。
はりしつ【玻璃質】 ガラス質。
こうこう【耿耿】 光の明るいさま。 きらきら光っているさま。また、心が安らかでないさま。 かたく思っていることがあって忘れられないさま。
しんぎん【呻吟】 苦しみうめくこと。

三十五

しょくもく【嘱目】 気をつけて見ること。また、目に触れること。
よめな【嫁菜】 キク科の多年草。道端で見かける野菊の一種。※画像

しちょく【司直】 法律によって事の曲直を裁く人。裁判官(・検察官)。
けんせき【譴責】 自分の行為を反省・謝罪し、将来同じ間違いをしないと誓約するために始末書を提出する処分。
たいきょ【太虚】 虚空。おおぞら。また、限界も形もなく、感覚を越えた、宇宙の根元。

三十六

マホガニー【Mahogany】 センダン科マホガニー属に属する植物に冠される総称。木材としては導管が大きく柔らかいため加工しやすく、繊維方向に現れるリボン杢と呼ばれる立体的な見た目から高級家具や高級楽器などに使用される木材として知られる。※画像

きりづま【切妻】 屋根形状の一種。最も単純な形式の屋根である。※画像

三十七

めくぎ【目釘】 刀や槍の中子(なかご)の穴に柄の表から挿し通して、刀身の抜けるのを防ぐための釘。 竹または銅の釘を用いる。※画像

じゅんじょう【準縄】 おきてとなるもの。規則。
きんおうむけつ【金甌無欠】 少しのきずもない黄金のかめのように、完全・堅固で欠点がないこと。特に、国家が強く立派で、外国の侵略を一度も受けていないこと。
つうぎょう【通暁】 すみずみまで非常にくわしく知ること。
こと【糊塗】 あいまいに取り繕っておくこと。一時しのぎにごまかしておくこと。
かみごいちにん【上御一人】 天皇の尊称。 または国王、皇帝。
とよあしはらみずほのくに【豊葦原瑞穂国】 神意によって稲が豊かに実り、栄える国の意。日本国の美称。
ぎょうきまつよ・まっせ【澆季末世】 人々の心が荒れ果てた末の世。「澆季」と「末世」は、この世の終わりのような、道徳や人情が乱れた世の中のこと。

三十八

かいぎゃく【諧謔】 面白い気のきいた冗談。しゃれ。ユーモア。
ごしょぐるま【御所車】 牛車(ぎっしゃ)の俗称。源氏車(げんじぐるま)。※画像

りゅうしょう【隆昌】 盛んなこと。栄えること。隆盛。
いしゃ【慰藉】 なぐさめていたわること。同情して、またはすまないと思って、なぐさめること。

三十九

はきょう【破鏡】 夫婦の別離。離婚。

四十

しんし【参差】 高さ・長さなどの違うものが入り混じって、ふぞろいなさま。
しおりど【枝折戸】 折った木の枝や竹をそのまま使った簡単な開き戸。 多く庭の出入り口などに設ける。※画像

かくやく【赫奕】 物事が盛んなこと。また、光り輝くさま。