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結婚しないと言っていた男が結婚した話

「結婚はしなくてもいい」

よく聞かれる質問に毎回回答していた言葉だ。

「結婚したいと思っていますが、どうでしょうか?」
1年ほど交際していた女性からの申し出だった。

「子どもに関心がないのに理解してもらえるなら、いつでも結婚できるよ」
私からの非情な返事。

しかし、子ども好きの女性はそれすら乗り越えてきた。

「子どもがいてもいなくても、一緒にいたい」

「じゃあ、いいよ」
情緒も何もない返事をしてしまった。これだけは本当に酷いなと未だに思う。

その後はトントン拍子にすすんでいき結婚した。

私は結婚は子どもともたない夫婦ならばする必要はないと思っていた。

一緒にいることも、別々の仕事をすることも、性交渉することも結婚しなくてもできることだ。
子どもだって結婚しなくてもできるじゃないかと言われればそうだが。

それなのに、2人が一緒になって全ての生活をともにしていく制度は不思議でしょうがない。

結婚してよかったことよりも、困ったことのほうが多い気がする。

1人だったからできたことや、感じられたこと。

それが2人になったことでその時間が失われてしまう。

だから「結婚しなくてもいい」と思っていた。

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女性はそんな私のネガティブ思考を華麗に飛び越える明るい人だった。

いつもひょうきんな行動や思考で、こちらの斜め上を超えてくる。

この女性となら結婚してみようかなと思わせてくれた。とても上からの目線になっています。すみません。

「結婚したいと思っていますが、どうでしょうか?」

「子どもに関心がないのに理解してもらえるなら、いつでも結婚できるよ」

「子どもがいてもいなくても、一緒にいたい」

「じゃあ、いいよ」

これだけで我々は結婚することになった。

今はまだ2人だけの生活が続いている。同じ家に住むようになっただけで、夫婦の関係性は何も変わっていないと思う。

結婚したところでそれぞれの個人。変わったのは女性側の名字。

「名字を変えてみたかった」と元気にいっていた彼女は素敵だ。

朝ごはんは妻1人で食べる。私は寝ている。

妻は1人でドラマを見ている。私はPCで遊ぶ。

妻は家で一人ご飯。私は飲みに行く。

妻は友達と旅行。私は1人で帰省。

こんな毎日の繰り返し。こんな婚姻関係の継続も悪くはないかなと思うようになった。

そんなに難しく考えずに、その時の直感に任せてきた結果がこれだ。

この先子どもを持ちたいと思うかもしれないし、変わらないかもしれない。

妻は諦められずに説得に乗り出してくるかもしれない。

世の中結果論でしかないと思っているから、勢いで楽しんでみるのもいいんじゃないだろうか。

毎度あり!






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