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マノミコト

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こころのおくのほう。毎日更新。     マルハダカ。
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2021年5月の記事一覧

2021/5/27 「人生とは舞台」

水を汲みに来るお客さんの姿が映る。コップを探していたけれど、見つけたみたいだ。自分の分と友人の分。あ、注ぎ口もう少しちゃんと閉めて。と心で伝えてみる。あ、後で、閉めに行こう、と心に刻む。 カップルで来たお客さんが席移動の希望をお願いしてくる。もちろん、オッケーである。お二人のために、と思い、流し入れた生地はいつの間にかきつね以上の色になっていた。まぁ、大丈夫だろうと思いながらも若干の不安を抱えたが、上からかけていくメイプルシロップにいつも以上の愛を込めて上書きすることにし

2021/5/23 「脳みそ出血」

これは昨日、文章を書き終えて、さぁ眠りに着こうとしていた矢先に起きた出来事である。些か珍しく、この先グロティスクな文体になってしまうことをここらへんでご了承いただき、先に進んでいただけるとありがたい。なお、そのグロティスクな文体にも、暖かさや、澄んでいる世界を。と思いつつ描いていこうとは思っているので、もしよければ、ここで終わらずに進んでもらえると幸いである。 早朝4時になっていたかもしれない時間帯だった。詳しくは覚えていないのだが、確かそのくらい、一瞬でも眠りにつけたのか

2021/5/22 「笑ってる」

「らおたん、笑ってる」と、私の叔母はよく言います。らおたんとは、トイプードルとチワワがミックスされた、10月25日生まれのワンちゃんですが。「どしたの、嬉しいの」と、まるで孫をあやすかのように話しかけるわけです。今日もまたうちに遊びに来て、たかいたかいをして、抱っこしながら部屋を探検し、そそくさと自宅へ帰っていきました。 従姉もまた同じように、「らおたん、笑ってるねぇ」と言うわけです。表情が豊かだって言うのです。 たしかにらおたんは、去勢手術の後うちへ来た時、どこか不安そ

2021/5/20 「鳥かご」

鳥かごの中の人間ってたくさんいる。数的じゃない。種類的。数的にもなのかな。みんな、どこにいるの。私は、どこにいるのだろう。 あの人は、檻を自ら創って、自らその中に閉じこもっているように見える。それは私も同じなの。 出ていきたくない。もしこの鳥かごが開いて解放されたとしても、私はまた鳥かごを作り、その中に閉じこもる。そのようにしか生きられないの。誰かが助け出そうとしてくれても、きっと無理。幸せなんてどうでもいい、自由になりたい。 あの人が鳥かごを創っているのは、人のことを

2021/5/17 「論理」

綺麗ごとばっかりいうよね。理想だけは高いよね。言われ続けた長い月日です。なんだかんだずっと夢を持ち続けて生きてきましたが、その時々でかけてもらった言葉たちに、今はもう、どれだけ本気で言ってくれてたのかなと疑いを持ってしまうような人間になりました。 自分でも、綺麗ごとだよなと疑い始め、前置きをするようになりました。それでも「そんなことないよ」って嘘つかれて、綺麗に打ち返されるよりはよっぽど信頼できたけど。綺麗ごとっていう人も、前置きをする自分のことも。 綺麗ごとだったのか、

2021/5/16 「告白」

「貴方のレジュメ、私好きです。」告白されました。私。ついに。文章の中か上で生きる私、興奮いたしました。受取人として相手の告白を直に頂戴した生身の人間である「私」、あまりに予想だにしていなかった出来事で、あはは~という薄笑いと、戸惑いの表情をお返しするので精一杯でございました。 これがもし、文体×文体の文章上であれば、こんなことには致しません。倍の倍の倍以上の、愛文体でお返しできたはずなのです。それが、顔対顔の画面上だったものだから。相手のお顔も確認できておりまして。想像以上

2021/5/12 「自傷行為」

なぜ自傷行為は受け入れられないのだろう。「自分のことをもっと大切にして欲しい」言葉が付き纏う。「メンヘラなだけでしょ」安っぽい言葉が付き纏う。 自分で自分の檻を作って、そこに自分自身を閉じ込めている。だからこそ、その檻は一生付き纏う。映画の中でオードリーヘップバーンがしていたことも同じ自傷行為だ。 でも、彼女は美しかった。何を言っているのか、彼女の語りの内容はほとんど分からない。最高に頭のおかしい女性だった。でも全然退屈じゃない。どんな人間よりも最高に惹かれる、檻の中で美

2021/5/5 「刹那」

人は生起し死滅する。それを刹那に繰り返しているのだと聞いた。 佐藤正英の「日本倫理思想史」序論、である。 刹那に生起し死滅する。それを繰り返している。そうだ。 だとすれば、私はなんで「殺せ」と思いながら文章を書いていた時があったのか、皆目わからなくなってしまった。勝手に死滅しているなら殺す必要なんてないし、殺しても生起してしまうのなら、もっと殺す意味がなくなってしまうのである。そもそも「殺せ」なんて本気で思えていないかもしれないし。 文章の中か上で、生きている。生きてい

2021/5/2 「21年の勘違い」

私は最近、おかしいです。「そうありたい。」という思いなしかもしれません。それはそれでおかしいですが。 ある映像を撮りたいと思って、お花を買いに行きました。この時期だから、切り花と言っても品ぞろえは、大体がカーネーション。か、もしくはお供え用の花、でした。カーネーションと一言で表されてはしまうものの。色には種類があって、「お母さんになったら、この色のカーネーションを母の日にもらいたいなぁ」なんて考えてしまいました。子供がもし男の子だったら、絶対お花送ってほしいです。それだけで

2021/4/30 「立てる人立てない人」

私はエンターテイメントの世界が好きです。現実世界を離れることができるから。エンターテイメントの世界に立てる人達が羨ましい。あそこは誰もが立てる場所ではなくて、立つべき人のみが立てる場所。それくらい、神聖な場所?っていう表現が合っているのか分かりませんが。それくらい、私にとって、あの世界は特別な場所。 そういうところって、「自分は立たずに見ていたい。」って思う人もいると思うけど、私は立ちたかった。自分じゃなければの話です。みんなもそういう意味で、言っているのかな、どうだろう。