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「〈NFTアート〉への共同ステートメント」が公開されました

2021年11月19日に開催したオンラインイベント「〈NFTアート〉の可能性と課題」での議論をきっかけにはじまった、「〈NFTアート〉への共同ステートメント」プロジェクト。多くの方に参加していただいた約3ヶ月間の議論と準備を経て、2022年2月20日の夜にWebサイトを公開、同時に署名が始まりました。

ここまで一緒に取り組んできた起案者チームのみなさん、ゲストとして公開ミーティングに参加していただいた伊東さん(第3回議事録)と永井さん(第4回議事録前篇後篇)、DiscordおよびGitHubでの議論や公開レビューに参加していただいたみなさん、Twitterなどで支援していただいたみなさんに、心より感謝申し上げます。

希望する方はイーサリアムのウォレットにより署名していただけるほか、Twitterへの投稿により支持を表明できるようになっております。最終版のステートメント全文だけでもお読みいただけましたら幸いです。

このプロジェクトが当初の目的として掲げたのは、〈NFTアート〉の黎明期において、〈NFTアート〉に関わる人々がどのような態度で取り組んでいるかを表明すると共に、今後大きな問題が起きた時のために記録することでした。しかしながら、振り返ってみると、この目的を大きく超えたところに到達できたのではないかと思います。私が起案者チームのメンバーとして担当したのは、主にステートメントのテキスト作成でした。この作業にあたって考えていたことと、いま考えていることについて少し書き記しておきたいと思います。

〈NFTアート〉はまだ黎明期にあり、それが何であるかは定まっていません。私の作業は、〈NFTアート〉のプロジェクトにクリエイター、エンジニア、プロジェクトマネジャーなどの様々な立場で関わる人々が一人称単数(=私、僕など)で主観的に語った言葉から、ここは共通するのではないかと思われる部分を見つけ、時に翻訳しながら一人称複数(=私たち)による一つの物語へと紡いでいくことでした。これは、三人称視点で客観的に説明することとは大きく異なります。私が目指したのは、この議論に関わった誰もが、「これは自分が書いたテキストだ」と思えるようにすることでした。果たして、そこまで辿り着けたかどうかはわかりません。それでも、2月16日に開催した最後の公開ミーティングで、この回のホストになった高尾さんが最終候補版を読み上げた時、少なくとも私にはそう思えました。テキストを取りまとめた本人なのだから当然だろうと言われてしまえばそれまでですが…。既に署名していただいた、起案者チーム以外のみなさんがどう感じたのかについて、機会があれば伺ってみたいところです。

このステートメントに関する活動はこれで一区切りとなりますが、これで終わりではなく、ようやく出発点に立てたのだと思います。たとえば、ステートメント中でも述べているように、有体物ではないデジタル作品には所有権が認められないなど、現状に対応できていない法や慣習を適切に更新するための知見を醸成していくのはまだこれからです。ステートメントの中から、私自身がこのプロジェクトに関わりたいと思った動機について述べている部分を引用して終えたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。ぜひ、この取り組みにご参加ください。

〈NFTアート〉とは、私たちの社会を発展させるための可能性と課題が顕在化する現場なのです。先に述べたような混乱も、〈NFTアート〉が現実世界と切り離された架空世界の出来事ではなく、暗号資産を通じて現実世界と接続された活動であることの何よりの証拠だと言えるでしょう。

『〈NFTアート〉への共同ステートメント』より

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