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日向坂というチーム

前に日向坂は部活のようなグループだと書いた。では、日向坂とはどのようなチームなのかを見ていきたいと思う。


1.日向坂の特性

うまくいくチームは、全員が同じ方向を見て、志を共にしていることが多い。同じ目標、目的を持っていることが多いからだ。日向坂の抜群のチームワークは、やはり、グループの源流にある。周知の事実であるとは思うが、もう一度振り返ってみたいと思う。

欅坂46のアンダーグループとして長濱ねるだけのグループとして発足したけやき坂46。その仲間として加入したのが、現日向坂46の1期生である。ねるとの初対面のときは、感動して泣き出すメンバーがいた。自分がアイドルというよりは、憧れの側面がとても強かった。さらに、欅坂46との初対面の際には、齊藤京子はこう語っている。

「あぁ、無理だ。この人たちはもう遠すぎる。私がこんなすごい人たちと争って選抜に入るなんて、もう絶対に無理なんだ。」ー『日向坂46ストーリー』(集英社・p.70)

ここで、最初に大きな挫折を味わうのである。アイドルになったばかりの彼女たちには、とても大きすぎる存在となっていた欅坂46。そんな偉大な先輩と選抜で入れ替わりたいなんてことはメンバーみんなが考えていなくなっていた。そして、ひらがなはずっとこのメンバーで、仲良くやっていきたいよね。との思いがメンバーに芽生える。さらに、アンダーグループということでアピールする機会も少ない、その少ないチャンスでお客さんをハッピーにしたい!この時の想いが全員で共有している想いである。これが、今の日向坂46というチームの源流であると考えられる。

2.日向坂の強さ

「もし仲間が倒れた時は 僕が背負うから (中略) 絆とはそこにいること」 ー「約束の卵」(けやき坂46)

日向坂46の組織としての強さは、やはりチームワークの良さが挙げられる。仲間が一頓挫した時は、とにかく、信じて待つ。濱岸ひよりが休養に入った際の、「ひよたんが安心して帰ってこれる場所を作っておく。」という趣旨のメンバーの言葉は大変印象的であった。まさに、約束の卵の絆の概念と一致する。

さらに、日向坂46を象徴するエピソードがある。2020年7月31日の行われた無観客配信ライブ「HINATAZAKA46 Live Online,YES!with YOU!~“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち~」での出来事だ。

「苦しくてダメだと思った。途中でクタクタになってしまうかと思ったけど、みんなも同じ気持ちだから…。(中略)全員ヤバかったからこそ『あなたもヤバいよね?』『あなたもヤバいよね?』『私も頑張る!』みたいな空気感で頑張れた。」ー加藤史帆(「日向坂46の『ひ』」(文化放送)第19回 2020年8月9日)
「日向坂46のすごいところは、みんなも頑張っているから私も頑張ろうって、全員が思っているところだなと、リハーサル見てて思った。全員で頑張ろうっていう気持ちがすごく伝わったし、ライブ本番も画面越しに届いていたと思います」  ー影山優佳(日向坂46の『ひ』」(文化放送)第19回 2020年8月9日)

影山優佳がすべて語ってくれているので、余計なことは言わないが、相乗効果でどんどんパフォーマンスが向上していくのが日向坂46の強みだ。

さらに、番組やライブ欠席メンバーをポーズで表すのも印象的だ。

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しかし、ここで、強調しておきたいのは、日向坂46は、22人でないといけない。というわけではないということだ。

二重否定的でちょっと意味が取りにくくなってしまったが、日向坂46は現22人として、素晴らしいグループであることに疑いの余地はない。だが、個々で活躍できているのだ。前稿でも述べたが、個々がとても輝いている。一人のアイドル、タレントとして、全員が独立して活躍している。さらに、特定の派閥等が存在せず、外番組、ラジオに出る際、どの組み合わせにしても、うまくピースがハマる。言うなれば、変幻自在に変化するピースなのである。

グループとしての結束したときの力は、大変大きい。さらに、個々が強く、グループ全体でなくとも、様々な部分で活躍できている。それが、日向坂46というチームなのだ。

3.強いチームとは

みなさんは、『ヒトデはクモよりなぜ強い』という本をご存知だろうか。これは、クモは、頭を切り落としたら死んでしまうが、ヒトデは真っ二つに切られても、それぞれが個体になって再生する。これを組織に置き換えて考えるというものだ。絶対的な権力者がいて、それを中心に動いている組織は、その中心人物が倒れてしまうと、組織自体が停滞し、崩れてしまう。それに引き換え、誰がリーダーなのかわからず、どの役割を誰が担っているかわからない組織は、強い。

日向坂46は、まさにこの場合で言うヒトデである。佐々木久美という船長を「ハブ」にし、全員の想いをまとめ「スポーク」としてそれぞれのメンバーがそれぞれの場所で役割を担う。※ハブ(車輪の中心部)、スポーク(車輪の中心軸と輪を繋ぐ棒)

日向坂46は、組織としてもお手本のようなグループではないか。そんな彼女たちの”ただがむしゃらに”走っていく姿をこれからも追いかけていきたい。


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