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コナカの読書記録『陰影礼賛』

谷崎潤一郎薯『陰影礼賛』。

過ぎたるお盆休みの夜は(下書きを寝かせすぎた)、ページをめくり、谷崎の文体に惚れ惚れするのだった。

繰り返しで用いられる「くの字点」が、するっと流れるようでどこか引っかかりのあるリズムを生み出している。

谷崎は、日本建築における「かげり」の美を語る。障子で和らげられる灯り、うまれる暗がり。想像するだけで心が静まっていく感覚がたまらない・・・

うだるような暑さのなか、学校からなんとか帰宅した瞬間の玄関の涼しさや暗さ、障子越しのやわらかな日差し、焚かれたお香。これらを思い浮かべてなんだかむせそうになる。


初期の文体はまた違うらしいので、彼の他の作品を読んでみるのも楽しみだ。


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