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旅行記:金沢旅行②―1湯涌温泉街で「誰よその女ァ!」と叫びそうになる

はじめに

前回記事

前回記事では、僕が独断と偏見で金沢市街の観光スポットについて書きました。歩くの大好きな人はぜひご一読頂ければと思います。

本記事は一日目午後に湯涌温泉へ行って散策した旅行記です。

※3200文字くらい

本編

『花咲くいろは』

フォロワーと合流し金沢駅から湯涌温泉へ向かう。金沢駅から湯涌温泉まで凡そ40~50分でタクシー代は5500円くらい(参考)。

個人的にはバスだと片道一人600円。使い分け的には往路復路どっちかバス、もう片方はタクシーがいいと思う。理由は、旅行の移動が行きも帰りも同じだと面白くないから。

それはさておき、フォロワーとの合流前に旅館へ「タクシーで行く・チェックイン前だがキャリーケースは預けたい」旨を電話していたので、旅館到着してからの流れはスムーズに終わる。そして、やることは勿論───

───『花咲くいろは』の聖地巡り。

この日のために自宅に籠って『花咲くいろは』1クール目を視聴しておいて本当に良かった。アニメで見た光景が現実世界とリンクする。さながら受肉のようで感極まる。民衆が非現実が現実に顕(あらわ)れるのを感じ取る心境ってこんなんだなと理解した。

しかし反対に為政者の気持ちも理解した。8世紀のピザンツ皇帝、レオン3世が聖像禁止令を発したのもよく分かる。当時の人間が自身の支配領域で「この山頂でミカエルが〜〜したんですよぉ😭👆💦」とか独自解釈して異端を結成して暴れられたら厄介すぎる。

少し話が飛躍していることは承知の上で例示しているのだが、実際に訪問した感覚としてはこれに近いものとご理解いただければと思います。

※「2クール目はなんで視聴してないの?」については、実際に聖地巡礼をして解像度を上げてから2クール目に臨んだ方がいいかなと考えたため。

閑話休題。当日はまあまあ雨が降っていたし、フォロワーは未視聴で完全に「付き合わされた人」状態で、にも関わらず早口で虚空に向けてオタク語りをしていた。またお構いなしでデッケエ萌(ブヒ)声を上げながら写真を撮りまくることができて大変満足。

ありがとう『花咲くいろは』。ありがとう湯涌温泉。フォロワーさんありがとうございます。

竹久夢二

この湯湧温泉は『花咲くいろは』だけが観光資源という訳ではなく(そもそも湯涌温泉の由来は西暦700年代とクソ古いです。気になる人はwikipediaなど参照ください)、画家・詩人である竹久夢二の所縁の地でもある。

竹久 夢二(たけひさ ゆめじ、1884年〈明治17年〉9月16日 - 1934年〈昭和9年〉9月1日)は、日本の画家・詩人。本名:竹久 茂次郎(たけひさ もじろう)。

wikipediaより

湯涌温泉の目当ての二つ目は竹久夢二にある。

おれが竹久夢二の絵画と出会ったのは2017年9月だった。なんかの用事で東京に行った際、なんかのきっかけで上野の「弥生美術館・竹久夢二美術館」に足を運んだ時のことだ。

おれは日本の絵画などの造詣はまったく深くないのだが、不思議と彼の絵画は常に脳内にこびりついていた。

絵画を載せるのが手っ取り早いので、まずは二点ほど彼の絵画を紹介する。

どうだろう?好みが分かれる絵であることは理解している。万人からこよなく愛されるタイプではないだろう。ただ、おれは彼の絵がすげえ好みだった。

湯涌温泉は竹久夢二と所縁の地でもある。彼の記念館「金沢湯湧夢二館」(以下、記念館と記載)も所在している。宿泊先の旅館から徒歩5分ほどのところにだ。

偶然か?運命か?勿論、行く(坂口安吾)。

結論から言えばメチャクチャ面白かった。竹久夢二自身と彼の女性遍歴が。

現代SNS風に言えば「Twitterで鬱とか人生しんどいとかポエムをツイートしつつ、イラストを投稿し時節自撮りも載せている」感じだろうか?(一応書きますが特定の誰かをイメージ云々は一切ありません)

竹久夢二

この記念館は彼の女性遍歴を主軸として展示されている。エントランスには夢二の年表が掲示されており、複数人との女性との交際関係が紹介されていた。

まあいくら戦前といえども、別に女性の二人や三人と彼是(あれこれ)していてもいいだろ…と思っていた。展示場に入る。掲示されいた女性関係に特化した年表を見る。

同時並行で複数人の女性と付き合っていた。何回も。だいたい別れそうになった頃になると、新しい女性との交流が始まっていた。

文章だけでは伝わりにくいので、超簡単なイメージ図を載せる。

超簡略的な図

お分かりいただけましたでしょうか?レオナルド・ディカプリオの方が真っ当に恋愛してるだろ。

これは現代社会でも一部では見られる傾向だ。現恋人と上手くいかなくなってきたら「候補」を並行して探して、そっちといい感じになったら現恋人から乗り換えるやつ。男女ともに見受けられる。転職活動じゃねーんだぞ。

おれは社会人生活で「彼女」という存在がいたことないので詳しくないが、こういうムーヴって100年前の日本でもあったんだなと素直に感心した。

別にこれについて批判とかするつもりは一切ない。未婚ならお好きにどうぞ程度の意識です。

それはさておき、さらに面白いのが本館では夢二の主要(?)恋人三人にスポットが当てられているのだが、第四の女性の影もあることだ。取り上げられているだけでも四人。これで収まっているわけがない。

既に第三の女性の紹介の段階で「誰よその女ァ!」とか「他の女は近づけさせないわ!」みたいなエピソードも散見されている。

『School Days』の相関図みたいだね。地方の温泉街で地獄を顕現させるな。

※比喩であり竹久夢二の人格を否定する意図での発言ではないことをここにお断り申し上げます。

もはや絵画の鑑賞というよりも「竹久夢二」本人の解説が面白すぎるという具合だった。フォロワーと盛り上がりまくった。まあ入館してすぐ掲示されている年表の段階で二人で「これやべーだろ」と談笑していたのだが。

ここまでが一階の話。この記念館は二階もある。

さらに盛り上がったのだが、これまでの記述で竹久夢二についてのイメージは掴んで頂けたと思うのと、実際に皆様も本館を訪れて欲しいのでここまでに留める。

さて、この記念館に限らずだが、地方の博物館・美術館・記念館は来場者が少ない。少ないというか「これ潰れるんじゃねーの。大丈夫か?」とまで思うこともある。

しかし、裏を返せば気兼ねなく鑑賞中に会話ができるのだ。都市部の特別展とか無言になるかクッソ騒がしいかのどっちかだし。そういう面でもこの記念館は楽しめた。

日本絵画を鑑賞しながら「絶対に女性の絵画の服装で匂わせとかしてるわ!」「二股中の期間と絵画の着物の色って関係あるだろ!」とか、竹久夢二本人の解説を読みながら「これ現代のクズ男ならこうすると思うわ!」とか色々と盛り上がってベラベラ喋っていた。おれが。

この記念館に行って本当に良かった。竹久夢二の人間性の解像度が明瞭となった。絵画だけでなく本人も好きになってしまった。コツコツ資料等を収集して別に記事を書こうと思う。

詳細な説明を失念していたが「なんで湯涌温泉街にそんな記念館があるの?」について。これは竹久夢二が第二の女性と二週間ほどここで湯治(という名の温泉旅館でワイワイ!)の滞在をしていたことにある。

竹下夢二の滞在した宿が今から戻って宿泊する宿だったと知ったのは、記念館で展示を見ている時だった。

おわりに

竹久夢二についての""語り""が長くなりすぎたので分けました。

今回改めて気付いたことですが、絵画というのはそれ自体だけでなく作者のエピソードや人間性も知って鑑賞すると情報量が増えてより楽しめるということです。

竹久夢二の交際相手の写真資料を可能な限り収集し、同時期に描かれた美人画の着物の色合いと突き合わせて「匂わせ」がどこまであるか、調べてみると面白いだろうなと思いました。

気力があれば続きを書きます。

次回記事

最後まで読んで頂きありがとうございました。

以上

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