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頭痛薬とロータリー

今日からここで日々のくだらないことを綴っていこうと思う。高三にもなるとめまぐるしく毎日が過ぎ去っていき、一生に一度しかない学生時代の繊細な思い出が残らない気がする。それではもったいないので、一日を振り返る時間を設けたいのと文章力を上げたいという気持ちでこの度ブログを開設した。生暖かく見守っていただけると嬉しい。

とりあえず今日は散々な日だった。


私はいつも0時半ごろベッドに入るのだが、昨日は気まぐれで母の足をマッサージしていたため1時半に寝ることとなった。

風邪を引いていたため鼻をずびずびしつつ、適度に温まった部屋の中、ちょうど買ってもらったばかりの裏起毛のフリースと裏起毛のズボンを着込んで布団に潜った。


……寝れない。


一向に眠気が来なかった。別に鼻が詰まっててとか暑くてとかではない。寝返りを打ってみたり呼吸を数えてみたり冷えピタを貼ってみたり、逆に寝返りを打つのをやめてみたりしたが一向に眠気が来なかった。ちなみに冷えピタは冷たすぎておでこが痛くなったので、暗闇でプルプル同士をくっつけて机に投げた。


時刻が3時になろうかという頃、私は半ば自力で眠ることを諦めていた。ネットで眠る方法を調べるも、ストレッチだのなんとかティーだの面倒くさいものばかりで見る気が失せる。ならばとブログを漁って見ているうちに、自分も書きたくなってきてしまったというわけだ。

結局4時半ごろまで意識があり、寝たんだか寝てないんだか分からない状態で6時半起きである。強烈な倦怠感と共にベッドを出た。


私は最近頭痛と肩こりがひどい。大方眠りが浅く睡眠不足なことと、風邪のせいだと思われる。なんとなく嫌な予感がしたので、どこかしらで頭痛薬を買っておこう…とフラフラ登校していると、いつも乗る電車に(ダッシュしないと)間に合わないということに気付き、のんびり20数分後の電車に乗ることにした。


道中ゴミ出し中の知らないおじいちゃんに出会ったので会釈すると「はい。いってらっしゃい」と予想だにしなかった言葉が返ってきて、なんだかさっきまでまとわり付いていただるさや疲れがスッとどこかに消え去った。いってきます、とおじいちゃんの目を見て伝えると、おじいちゃんはにこにこしていて、しっかりしなくちゃと感じさせられた。言葉の力は偉大である。


さて、駅に着いたのだが、確か西口だか東口だか、こちらではない方の入口に薬局があったなと思いついた。地下のトンネルを通って駅の反対側まで移動する。トンネルの壁面には、ヨットの浮かんだ海やひまわり畑、宇宙、やけに大きい瞳でこちらを見つめている猫などの絵が描いてあり、それぞれに近所の小中高校の名前の札がついていた。別に雨も降っていなかったのに、どこからか流れてくる水滴がピチョン…ピチョン…と濡れたコンクリートをなぞり、不気味にトンネルに響き渡る。私はローファーの靴音とリュックのキーホルダーのカチャカチャという音でそれをかき消すようにして、早足でトンネルを後にした。


地上に出ると、私が思っていたものとはかなり違う景色が広がっていた。まず、あると思っていた薬局がどこにもなく、ロータリーにはまだ開店していない調剤薬局ぐらいしかちゃんとしたお店がなかった。周りの建物はみな一様にシャッターが降りていて、なんとかビルとか飲み屋さんとか以外看板もなかった。辺り一面、灰色。


時間があったので道路に沿って歩いてみることにした。そうか、朝だから薬局はやっていないんだ。コンビニでも探そう。

ところがそう長くかからないうちに、この辺りでコンビニを探すという行為が無駄であることを察した。どこまでもまっすぐな道には、シャッターが降りて全体的に薄汚れたちょっと背の高い建物と、瓦屋根で木っぽさのある低い建物が9:1くらいの割合で並んでいた。唯一見つけた看板が銀行のものであることを確認すると、私は道を引き返した。

灰色や茶色を背に、たくさんの車たちとすれ違った。みんな働きに行くのだろう。こんな所に働ける場所はないもんな。決まった時間に決まった道を通って、決まった場所で働くのだろう。少なくとも朝の4時半まで起きていて、朝っぱらから頭痛薬を買い求めようとするアホは私くらいだと思った。


ロータリーに着くと、先ほど見た景色よりもワントーン明るいシャッターが静かに立っていて、この周辺にしては綺麗な方だったのかと気がついた。なんだろう、灰色であることには変わりないのだけど、やや綺麗な灰色…グレー、そう、グレーだ。なんか灰色よりもグレーの方がパッとしていて洗練された響きじゃないか。


もうトンネルには行きたくないのでそのまま駅に入った。電車に揺られながら今日の予定と頭痛薬について考える。ついでに睡眠剤的なものも見ていこうか。まあ学校の近くの駅か最寄り駅のコンビニで探そう…とあちこち物色したもののどこも二日酔い用的な薬しか見当たらず、何も買えないままバスの料金を払うことになった(いつもは徒歩)。まあ疲れていたし、後悔はしていない。


そんなこんなで朝から色々あり、いつもホームルーム開始20分前には着席している私も、本日は1分前着席なのであった。


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