サブスクの問題点

サブスクを利用している人はかなりたくさんいると思います。
もちろん僕も映像系のサブスクを契約している。
AmazonPrime Video、Netflix、Disney+、バンダイチャンネル
と、4件のサービスを契約してる。
映像系だけで4件はちょっと多いかもしれない。

でも、1つのジャンルで複数のサービスを使っていなくとも
音楽、電子書籍、ファッションなど
様々なジャンルでサブスクが存在するので、何かしらいろいろと契約している人は多いのではないでしょうか?

サブスクはとても便利で、上手く有効活用すれば人生を楽しく生きる手段となる。
しかし、僕はサブスクには問題点もあると思っています。


サブスクとは

今さらになるけど、一応サブスクとは何かの話をします。
サブスクリプション(subscription)の略で、意味は定期購読や定額制などです。
月額や年額を支払うことで、一定期間サービスや商品を利用することができます。

例えば、Netflixは月額を支払うことで配信されている映画、ドラマ、アニメなどが見放題になります。

昔からある焼き肉食べ放題なんかと同じですね。
あれもサブスクと言っていいかもしれない。


なんでもかんでもサブスク

映像や音楽などのサブスク配信サービスが成功することによって、サブスクブームが到来した。
それに伴い服、家具、車なども定額制でレンタルできるサービスも増えました。

ただ、なんでもかんでもサブスクと言い過ぎでは?
とりあえずサブスクと言っときゃいいって風潮もある。

そもそも、物質が存在するタイプのサブスクはあまり良いものとは思えない。
上でも挙げた服、家具、車なども存在する物質をいつでもレンタルできるというサービスだ。
でも、モノが存在するということはモノが無い場合にはレンタルできないという事になる。
利用者が多くなればなるほど、人気の商品は順番待ちとなり自分の好きなタイミングにレンタルできないという事も起こりえる。

車などの高価なものほど数に限りがあるだろうし、結局、サブスクの“好きな時に好きなものを使用できる”という利点が
物質が存在する場合はかなり不安定になる。

支払っている金額に対して提供されるサービスが見合っていない
なんて事も物質が存在するサブスクではあり得る。

利用しなければ無駄金

定額で使い放題という事は、逆に言えば全く利用しない場合は無にお金を支払わなければならない。
はじめはたくさん利用するつもりでいても、いつの間にか利用頻度が減り、最終的には全く使っていない
なんて事はよくある。

ひどい時には契約している事を忘れ、意味もなく月額を延々と支払い続けている人もいるかもしれない。


解約すれば何も残らない

当たり前だけど、サブスクを解約すると手元には何も残らない。
例えトータル100万円支払っていたとしても、解約すれば無だ。
「100万円あればもっと他にも良い物を買えたんじゃないか?」とか考えてしまうタイプの人にはサブスクは向いていない。


サブスクはモノの価値を下げる

正直言うと、上で挙げた問題点は表面的なものでしかなくて
僕は大した問題ではないと思っている。
上で挙げた事が気になる様なら解約すればいいだけの話である。

僕が一番問題視しているのは、サブスクによって一つひとつのモノの価値が下がってしまうということだ。
サブスクに満足して利用し続ける人ほど、この問題点には気づきにくい。

僕は映像系のサブスクを利用しているが
多くの作品をいつでも自分の好きなタイミングで観れるのはとても便利だと思っている。
それに多くの作品の中から自由に好きな作品を選ぶこともできる。
映画やアニメが好きな僕からすればとても有益なサービスだ。

しかし、サブスクを使用していると
“得をしたい”という気持ちが芽生えることがある。
月額1000円なら1000円以上の利益を得たいと思ってしまう。

月に1本しか映画を観なかったら、その映画は1000円になるが
月に10本観れば1本100円、月に100本観れば1本10円で映画を観ることができる。
多く観れば観るほどお得になるように思う。

でも、これって作品一つひとつの価値が下がっているという風にも取れる。

サブスクは確かにとても便利なサービスではあるが、作品の価値を下げてしまった。

常に新しいものがどんどんと追加され、様々なジャンルのどんな作品も選び放題になった。
そうなると1つの作品に構っている時間は少なくなってくる。
1つの作品に時間をかけるより、できるだけ多くのモノを消費する方がお得だからだ。

価格とはモノの価値の指標にもなると思う。
サブスクで作品を大量消費する人からすれば、1つの作品の価値は1円にも満たないのかもしれない。


サブスクは作品の使い捨て

作品の価値が下がれば一つひとつ作品は使い捨てられていく。
月額分の元を取るために映画や音楽を垂れ流しているだけ
という人も多いだろうと思う。
より多くを消費するためにアニメを倍速視聴する人や音楽のサビだけしか聴かない人もいる。
とにかく作品を大量消費することが中心になってしまった。

これは作り手にも影響を及ぼすかもしれない。
どんなに真剣に作品と向き合って制作しても、受け取る側が全く真剣に向き合わずに消費するだけなら
真面目に作品を作る意味など無くなってしまう。

最近では時間が短いものや分かりやすいものが好まれ、作り手側もそれに迎合する者が増えてきた。
言葉では「時代に合ったものを作る」なんて事を言ったりするが、実際はただ妥協してるだけだ。

そうして薄っぺらい作品がどんどん増え、一つひとつの作品の価値の低下に拍車がかかる。

もちろんマイナス面だけではなく、NetflixやDisney+などではクオリティの高いオリジナル作品も作られている。
でも、それらのクオリティが高い作品も使い捨てのように消費されているのが現状で
一時話題になってもすぐに忘れ去られてしまう。


本当に欲しいモノはなんだ?

最初はみんな面白い作品、感動できる作品、興味深い作品に出会いたい
という気持ちでサブスクを利用し始めたと思う。
しかし、サブスクを使い続けることで、いつの間にか“映画を観ること”や“音楽を聴くこと”が目的になってしまった。

ただ与えられたモノをひたすら消費するだけになってしまった。
それは本当に自分で何かを選んでいると言えるのだろうか?
自分で選んでいるようで、自分の好きなジャンルっぽいモノやその時の気分に合ってるっぽいモノを選ばされているのでは?
お得になるからと言って、惰性でたくさんのモノをただ消費するだけでは心がカラッポになってしまうのではないか?

僕は作品一つひとつに価値を見出ださず無闇に消費し続けることは危険だと思っている。
それは作品の価値を下げるだけでなく、自分自身を空虚な存在にしてしまうからだ。

自分は本当は何を求めていたのか?
それをもう一度見つめ直さなければならないと思う。


一つひとつの作品を噛みしめる。

僕は観たい作品がなければ観ない。
例え毎月定額を支払っていようが、観たくない時は観ないし観たい時には観る。
サブスクだからって作品との向き合い方を変えたくない。

一つひとつの作品としっかり向き合うことができれば、サブスクは自分の世界を広げる有益なものとなる。
受け取る側にしろ作り手側にしろ
サブスクの使い方を誤れば文化を衰退させかねない。
しかし、これを上手く利用することができればより良い作品を生み出すことも可能だ。

馬鹿と鋏は使いようではないか。

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