見出し画像

右も左もホーチミン~常夏の都☆ハノイへの旅~

☆1日目夜

 ハノイ中央郵便局へ到着。
 入り口のカウンターでジャージ姿のおじいさんに声を掛けられた。郵便局の役人より、露天商のほうがしっくりくる爺だ。
「何しに来たのか?」「どこから来たのか?」とカタコト英語。コチラもカタコト英語で「ポストカードが欲しい」「日本に送りたい」と伝える。
 爺さんは、大量のポストカードの束をカウンターに置いた。こっから選べということか…爺さんの目線もあり、早く選ばねばと、ちょっと焦る。そのまま爺さんは、ポストカードの切手の貼る所を指差し、切手3枚分を横向きに置いた。こんな風に貼れということか、分かりやすい。
 今度こそ「com on 」とベト語で挨拶…と思ったが「thank you」しか出なかった。
 Air Mailなので番地から先に記入と…なんとか書き終え、爺さんに託す。この人、本当に郵便局の人なのだろうか、一抹の不安が残る。
(後日談。ハガキは帰国後一週間ほどで無事届きました。疑ってごめん)

自分宛てで送った葉書

 一仕事終えた達成感を感じつつ郵便局を出る。すっかり、日が落ちていて街灯や店、車やバイクのライトでチカチカと街は輝いていた。

 まずい、夜は危ないから暗くなる前に帰ろうと思ったのに!

 と同時に

 おお!これが見たかったのだ!熱気と活気のある夜の繁華街!

 と浮かれていた。道路を挟んだ向かい側にホアンキエム湖があるので行くことに。

 ホアンキエム湖は、15世紀に黎朝の始祖、レ・ロイが巨大亀から宝剣を授かり、それで明軍を打ち破った…という伝説がある。因みに巨大亀の剥製をホアンキエム湖上に建っているゴックソン祠で見ることができる。有料で。

 初・道路の横断。 
 二車線、逆走も関係なくバイクや車がビュンビュン飛び交う。「ゆっくり、大股で、決して途中で止まってはいけない」と地球の歩き方の指南通りに歩く。

『千と千尋の神隠し』で、千尋とハク様が湯屋の橋を渡るシーンさながらだった。ハク様いなかったケド・・・。

 この後、市内観光中はずーっと独りで『千と千尋ゴッコ』をしながら道路を渡っていた。

 ホアンキエム湖到着。水辺と遊歩道の間に柵がされていないので、ギリギリまで湖を覗ける。何なら、じゃぶじゃぶと入る事も出来てしまう。
 ガジュマルの木が湖と陸地の中間にドンと居座っている。根がウネウネとうねり、水を吸ったていた。
 街路樹も日本では目にしない種類だった。真っ直ぐ伸びた幹、生い茂る葉。ハノイの気温は30度だったが、葉は黄色く色づいた、丸みを帯びたハート形の葉だ。何の木か分かる人、教えてくれ~~!!
 ベトナム人は小柄だが、植物が異様に大きかったのが、印象に残っている。
 
 湖は、水面にビル群が映りキラキラしていてロマンチックだった。そして、ベトナム人は声が大きい!飛び交うベト語、蒸し暑い気候、空気に呑まれコチラも頭がハイになってしまう。

 グーグルマップで現在地からホテルまでの距離を確認。歩いて30分程か。タクシーは高いし、街を散策するがてら真っ直ぐ戻ることにした。が、グーグルマップで確認すると、すぐ側がハノイ最大の繁華街、旧市街職人街(ハノイ36通り)と発覚。
 11世紀に都が置かれてから、職人が集まり産業が栄えた歴史ある場だ。これはちょっとだけ寄り道だ。(これが迷宮への入り口だった…)
 
 旧市街に踏み込む。
 密接した建物と建物にショッキングカラーの看板を明るく照らす証明。所狭しと並ぶ商品の数々に沢山の人が狭い通りをウロウロしていて、クリスマスシーズンのおもちゃ屋だった。
 店は、入口は狭いが奥に行くと商品がズラリと並べられている。つい自分へのお土産を吟味してしまう。有名なバッチャン村の焼き物もある。可愛い。隣のお店も気になるな〜!とついつい寄り道。
 コミカルな鳥の絵が描かれた口が広いカップを購入した。180,000VND。日本円だと¥1,000程度。ペンとノートを店員さん二渡し、筆談で値段を教えてもらった。
 他のカップは朱色や紺色で花や魚が絵付けされていたが、コレだけ異質だった。いい買い物をしたと思う。

 その後もフラフラ寄り道し、途中で変な路地に入りでられなくなり迷子になる。大ピンチ。帰れなかったらどうしよう、と半泣きになりながらGoogleマップを頼りに、ホテルに到着。

 ホテルの設備は、割と良かった。温かいバスタブ付きシャワーに、2泊分のタオルと歯ブラシも付いていた。東〇INNレベルの設備。

 シャワーで疲れと汗を流す。お湯が出るか不安だった分シャワーを浴び、心底幸せだと感じた。
 晩御飯は、フラフラしながら見つけたコムビンザンでテイクアウト!好きなおかずを指差しで注文するスタイルの定食屋だ。ご飯は自動的に付いてくる。指差し、カタコト英語、首を縦か横に振る、のみで何とか頼んだ。

 ティットコーという豚の角煮、フライドチキン、じゃが芋と玉葱の炒め物。

コムビンザンでゲット

 お肉は日本のものと違い、かなり歯応えがある。筋肉質で噛めば噛むほど、肉の味がする。豚肉、鶏肉だからアッサリはしているが、顎の力が鍛えられそうだ。
 じゃが芋も柔らかく、ほのかな香辛料の味がする。
 白米は日本のものと余り変わらなかった。白米を食べると力が湧く。
 日本から持ってきたカップ味噌汁と共に食べる。暖かい味噌汁。このお陰でかなり体が楽になった。やはり、日本人には味噌汁だ。
 
 ホテルから夜景を眺め、しみじみと「ご飯うまい。ハノイに来たんだなぁ」と肉を噛み締めながら考えていた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?