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【5000字超】個人事業主ロゴの制作過程を1から100まで全部見せ〜必要な4つの視点〜

「開業準備忙しいし、
自分のロゴなんて雰囲気いい感じにぱぱっと、ちゃちゃっと…」

ちょっと待ってほしい。
(悲痛な叫び)

ロゴを怠るとこんなデメリットがあることをご存知でしょうか。

✅適当に作るから心から好きになれず、結局お金をかけてロゴを作り直すことになる
✅自信を持って自分達のことを説明出来なくなる
✅自分達の想いや強みがあやふやになるので、お客さまにも伝わらなくなり、機会損失

今は技術も発達していますし、
「それっぽいロゴ」はいくらでも無料で作れます。

ですがこちら↓の記事でも述べたように、ロゴはその人や会社にとって
最初にして最重要なコミュニケーションツールなので、
(どうせなら)時間をかけて、こだわり抜いてつくって頂きたいのです泣

ありがたいことに結構反響を頂きまして、その中で
「企業ロゴだけでなく、個人として働く人向けのロゴのコツも見てみたい」というご要望を頂きました。

例えばこういった方々かなと思います。

クリエイター系のお仕事(デザイナー、カメラマン、ライターなど)
サロン・お教室系(ネイリスト、イメージコンサルタント、料理教室等)
士業の方(税理士や弁護士など)
その他(翻訳家、YOUTUBER、ハンドメイド作家など)

個人がロゴをつくる目的とは

そもそもなぜ個人がロゴ作る必要あるの?という点ですが、
私は以下の2つだと思っています。

1.人柄を伝えるため
2.自己理解のため

個人の場合、ロゴの使用場所は、
名刺・SNS・ホームページ等になってくるかと思いますが、
お客様が「あなたに頼みたいと思う理由」として、
ロゴを一つの起点として人となりをしっかりアピールするのは重要です。

加えて、ロゴを作る過程もめちゃめちゃ大事で、
それが2番の自己理解

そもそも自分の大事にしたい価値観ってなんだっけ?
事業やる理由ってなんだっけ?
強みってなんだっけ?

このあたりを、ゆっくり言語化して整理する時間を
持てていない方、意外と多いんじゃないでしょうか。
(私もそうでした。)

ということで、今回は
私の屋号「TABIKI design」を例に

「これを意識するとonly oneのロゴ作りやすいよ〜!」という
4つの視点と

具体的な制作20STEPをお伝えします。


結論から言います。
only oneのロゴ=WHY+HOW+WHAT+LIKE
です。

なんだかワクワクしてきましたね〜〜!ということで本編スタートです✨

変態レベルに長い記事なので、「こんなに考えるの嫌です泣」という方は
私が代わりに素敵なロゴ作ります。下記からお気軽にご相談下さい🙌

(ロゴ制作の方法はデザイナーさんによって千差万別なので、必ずしも私のやり方や考え方が唯一の正解とは限りませんのでご了承下さい🙇‍♀️)

事前準備フェーズ(STEP1~3)

準備は3つです。

【STEP1】マインドマップツールを用意する

考えを一通り発散させるために最適なのがマインドマップ。

おすすめのツールは、miroかmindmeisterです。
基本、最初の数ページは無料で使用できるのでぜひ利用してみてください。


【STEP2】壁打ち相手になってくれる友人を探す

第三者がいた方がいいです。

普段ロゴを作成している私でも、
自分のロゴになると客観的に考えられなくなったので
友人に壁打ち相手になってもらいました。

そして、自分が喋り、友人にマインドマップで
整理してもらいましょう!

【STEP3】デザインソフトを用意

ロゴ作成にはAdobeの専用ソフトであるイラレを推奨します。
持っていない方は無料のデザインソフトcanvaでも、簡単なものでしたら出来ると思います。


WHYフェーズ(STEP4)

【STEP4】自分の価値観を知る

職業(例えばデザイナー、ネイリストなど)はあくまで手段です。
一番重要なのは「なぜやるのか」です。
(参考:https://youtu.be/qp0HIF3SfI4)

「想いをかたちに」という言葉はクリエイター界隈でよく使われると思いますが、
具体的に「想いをかたちに」するために、
まず、これらの問いに答えてみてください。

屋号にどんな想いを込めていますか?
仕事で忘れたくない価値観はなんですか?
事業を始めたきっかけはなんですか?
相手にどんな価値を提供したいですか?

変にカッコつけて答えようとせず、思ったままのことを壁打ち相手の友人にそのまま話してみましょう!

ここをパシっと短く答えられる人って意外と少ないんじゃないかな〜と思います。私も、えーと、あーと…って言いながら答えていきました笑

例えば、「屋号にどんな想いを込めているか」という質問には、
私の場合「旅」「たきび」と答えました。(合わせてTABIKI)

友人に「それはなぜですか?」と聞かれたので、
以下の2つだと答えました。

余談ですが、私は今キャンピングカーで生活してます。笑

さらに友人から、「旅」と「たきび」ってどんな価値観が含まれてるんですか?と深掘りしてもらい、改めて考えた結果、こんな風に答えました。

ポイントは、なぜ?を数回繰り返すことです。
そうすると、「あ、これが大事にしている価値観かも」って気付きやすいです。

他にもたくさん壁打ちしてもらいました。

とにかく発散
とにかく発散

いったん全て発散させたら、次に行きましょう〜!


HOWフェーズ(STEP5)

【STEP5】自分の強みを知る

次はHOWです。

自分の得意なことや、自分の事業の強みはなんでしょうか?
答えやすい質問だけでもいいので、以下のような質問を参考に考えてみましょう。

あなたの強みはなんですか?
得意としていることはなんですか?
他の人とは違う特徴はありますか?

私の場合は、
「かべさんのデザインって、本質的ですよね!」と言って頂けることが
何回かあって、それが自分の強みかもしれないと思いました。

「本質的とはなんだ?」と思ったのでめちゃめちゃ深掘りしました笑

その結果、
オンリーワンのストーリー作りが得意
その人のルーツや個性、価値観を聞き出す力がある

これらのキーワードが出てきました。

お室様の名前もあったのでぼかしました

皆さんはどんな強みがあったでしょうか?

WHATフェーズ(STEP6~7)

【STEP6】自分の仕事内容をまとめる

以下のものをまとめてみましょう。こちらは機械的に答えられる部分も多いと思います。

業種
事業内容
価格帯
場所

【STEP7】アピール内容を考える

自分の仕事内容をまとめると、
ロゴでどんなことをアピールすればいいかの候補が上がります。

「デザイン」などの名前なのか、
ネイリストさんでいう「爪」などの実際のモチーフなのか、
「高級感」などの価格帯をイメージさせるものなのか。


私の場合は、少しでも質の良いデザインをより多くの人に届けたいとの思いから中価格帯にしているので、

ロゴは高級感がありすぎず、でも崩れすぎず、親しみもある感じがいいな〜という感じでイメージを膨らませました。

LIKEフェーズ(STEP8~10)

【STEP8】好きを知る

一番楽しい部分かと思います笑

毎日見るロゴになるんですから、
自分の主観的な造形の好みも非常に大事です。
ネット等でイメージ画像を集めてみてください!

また、入れたいモチーフがある場合はここで考えておきましょう!
私の場合、「炎っぽい何か」は入れたいな〜となんとなく決めていました。

【STEP9】嫌いを知る

必ず、「嫌いなロゴ」も集めてください!
それによって、自分にとっての不正解のデザインを
視覚的に把握することができます。

【STEP10】言語化

好きと嫌いが集まったら、
造形的な共通点を言語化してまとめてみるといいです。

私の場合
好き
水彩、グラデ、ニュアンス感、手触り感ある感じ、解釈分かれる感じ
嫌い
いかにも火です、みたいな分かりきった、想像力掻き立てられない形。はっきりしすぎ、パワーありすぎ

という感じになりました。

連想ゲームフェーズ(STEP11~12)

ここまでお疲れ様でした!壁打ち相手のお友達にもお礼を言いましょう!

ですが!はい、全体の半分しか終わっていません!(がーん)

休憩がてら、たき火の画像置いておきます。

【STEP11】キーワード抽出

これまでたくさんキーワードが出たと思います。
ここでいったん収束させます。
大事だと思うもの、ピンとくるものを3〜5個くらいに絞って抽出してみます。

TABIKI designの場合・・・このようになりました!
#今この瞬間
#全員がonly one
#価値観やルーツの具現化
#炎

自分が大事にしていること、強み、モチーフや造形の好みをそれぞれ1〜2つずつ絞るとうまく行きやすいです!

【STEP12】キーワード発散

そして、連想ゲームでもう一度発散させます!

今この瞬間って、要は何?
→一点、今の形、now、時間が今、未来や過去ではない、今いる場所?

全員がonly one
→どんな人も美しい、どんな状態でもOK、色んな状態のものがそれぞれ輝いてる感じ

価値観やルーツの具現化
→モヤモヤのものが美しくなってく感じ  軌跡 


→ゆらゆらしてる感じ、オレンジ、七変化

キーワードが「要はなんなのか」を分解して書き出すことでロゴのイメージが湧いてきます。


紙に書き出すフェーズ(STEP13〜14)

【STEP13】キーワードを可視化する

連想ゲームが終わったら、いよいよロゴの形を探っていきます。
ここまでしっかりWHY HOW WHAT LIKEを言語化しているので、
方向性がこの後大きくぶれることはあまり無いです!

雑多に連想ゲームで発散させたキーワードを可視化します。
A4の紙とペンを用意して、思いつくままにラフを描いていきましょう!

正直この段階でも、最終形の形は見えていないです。
うーんうーんと唸りながら紙に向き合います。
いきなり正解を探し出そうとせず、数をかくのがコツかな〜と思います。

私の場合、お客様のロゴのラフを考える際100個くらい書き出すのですが、
ちょっとそこまでは無理です…という方は、まずは20個頑張って書き出してみましょう!

【STEP14】採用するラフ案を絞る

やっていくうちに・・・
ビビッとくる瞬間が訪れるのです・・・

TABIKI designの場合
「うーん、『今』とは…時間が今…時間軸?横棒で過去、現在、未来って感じはどうか…お、そんで真ん中に丸を描いて…」

実際のメモ

「お?横棒が未来に真っ直ぐ伸びるにも見えてきた?TABIKIの矢、的な!?おおお!?その人の価値を最大限光らせて、未来に待ってるお客様の元へ一直線、みたいな!?横長のマークってのも斬新でいいかも!?わああああこれだああああああーーー!!!」

鼻血が出たらクリアです。次に進みましょう。
(正確に言うと、あ、これ上手くいくかも?という感覚が7割くらいあれば大丈夫かと思います)


デザイン起こしフェーズ(STEP15~18)

【STEP15】ざっくりラフトレース

戦いの始まりは、ラフをトレースするところから。

まず簡単にデザインをイラレで起こします。
文字も仮に入れるとざっくり雰囲気わかります

【STEP16】細部を整える

そして、太さ、長さ、大きさ、色などの造形を整えていきます。

今回は、「炎」「ニュアンス感」「意志を感じる」
こういったイメージになるようにしたいな〜と思っていたので、
そういうイメージを持たせるにはどうすれば良いかを考えてみました。

真ん中をグラデーションっぽくしてみる
ぼかしてみたり、正円じゃなくしてみたり
横棒の長さ検証してみたり


【STEP17】更に細部にこだわる

とにかく妥協せず、試しまくるのが大事です。
真ん中のグラデとかもめっちゃ検証してます。

今回の場合、形がシンプルな分、
なんか物足りないな?と感じてきました。

なんか足りない

横棒が味気ないのが原因だと思ったので、手書きで書くことにしました
マジックペンで紙に線を引きまくり、良さそうなものをいくつかイラレにトレース。
ロゴは、時にアナログな手法も武器になる!!

ちょっと味が出たのわかりますか?( *´艸`)

【STEP18】ロゴのストーリーを再度、言語化

ここで、当初のキーワードをちゃんと表せているか確認しつつ、相手に説明する時のストーリーを考えます。

モチーフは、「一本の矢」「時間軸」「炎」です。価値観やルーツの具現化を通して今のあなたの価値を最大限光らせ、未来の大切なお客様のもとへ一直線に向かえるようなお手伝いをします。

大丈夫そうだと思ったら、最後にロゴタイプ(文字)の選定に進みます!

ロゴタイプフェーズ(STEP19~20)

【STEP19】フォントの候補を選ぶ

ロゴタイプ=文字のことです。相手に与えたい印象に近いフォントを、
とりあえず10個前後並べてみましょう。

並べることで、マークとのバランスだったり、
実際に自分が受ける印象なんかも
確認することができます。

皆さんが与えたい印象を言葉にするとどうなりそうでしょうか?
私の場合は「意志を感じる」がテーマ。

並べた結果、下のフォントを選びました!
炎のキラキラとの相性も良さそうだと思ったので。

【STEP20】文字のブラッシュアップ

以下で最後のブラッシュアップを行なっています。
デザイナーではない方はここまでやらなくてもいいかもしれないですが、
細部までこだわりたい方は参考までにどうぞ!

Aの横棒を色々検証。dとnの付け根が少し頼りない印象を受けたので若干太らせました。
iの点を、シンボルマークの点と同じものにしてみました(絶対気づかれないと思いますがこだわりたかった笑)


そうして微調整を重ねた結果・・・


ロゴの完成です!

白ver.
黒ver.
たきびver.



皆さんはどんなロゴができたでしょうか?

役に立ったよー!こんなロゴできたよー!
など、twitterで絡みに来てくださると嬉しいです!

終わりに〜ロゴつくると覚悟が決まる〜

個人がロゴを作成する目的として、冒頭で

人柄を伝えるため
自己理解のため

とお伝えしました。

あともう一つあるなと感じます。
覚悟が決まります。

別にロゴが無くても屋号だけでよくないですか?
パパッと作っても問題なくないですか?

全然それでもいいんですけど、
やっぱり自分のマークを作ると、なんだか定まる感があります。
(…と、お客さんからも言ってもらえてます)

自信と愛着も湧くし、自分が繋がりたいと思っている相手への
アプローチもしやすくなると思います。

自分のロゴを見るたびに原点に帰れます!頑張るぞー!!

皆さんもぜひ、自分の原点に帰れるような、強みや人柄を
アピールできるようなロゴを作ってみましょう!✨✨

もし、「自分だけだと限界がある…」「壁打ち相手がほしい…」という方は、
私が代わりに素敵なロゴ作ります。下記からお気軽にご相談ください♪✨




最後までお読み頂きありがとうございました!サポート頂いた費用はさらなるデザインスキル向上のための、勉強代に使用させていただきます!