東京オリンピックが終わる頃

2020年のオリンピックが東京に決まったとき、私はまだ大学生だった。
部活終わりに友人と電車に乗りながら、「その頃は何してるんだろうね?彼氏出来てるかな?もしかして結婚してたりして!誰といるんだろう、どこにいるんだろう、その前に就職できてるのかな?(笑)」…なんて、就活前だったので未来に少し不安を抱きながらもわくわくしながら話していた記憶がある。
2020年なんて遠い未来だと思っていた。

何故だか私はスポーツメーカーに就職した。
「3年後、あなたはどのような人になっていたいですか?」
最終面接でこう聞かれた。3年後は東京オリンピックの頃だなあ、と思った。(正確には4年後だったが。)
なんと答えたかは忘れた。オリンピックまでの盛り上がりをスポーツメーカーで過ごせたら面白そうだなと思った。
と同時に、(就職してすぐに思うことではないと思うが)ぼんやりと「東京オリンピックが終わったら辞めよう」とも考えていた。
タイムリミットがそこだとしたら、もうすぐ期限が来る。 遠い未来だと思っていた2020年がすぐそこまで来ている。

私はどういう人になってる?

どういう人になりたいのだろうか?
20歳もそこそこに過ぎているのに未だに思春期みたいな悩みを持っている。大人になれないなあ。

東京オリンピックが終わった後の未来を考えるのはなんだか楽しい。
私自身のことも、社会全体のことも。
不思議なことに、オリンピックそのものよりもその後のことを考えることにわくわくしているのだ。別になんの希望もあるわけじゃないのに。むしろ空虚な世界が広がっていそうな気がするのだけれども。

なんだかよくわからない感覚だな。

ちなみに彼氏が出来る気配もなければ友達すらいない、おひとりさままっしぐらな人生を歩み始めているので来年もきっと一人でオリンピック見てるんだろうな。ごめんね、大学生の頃の私。でもそういうところ私っぽいよね。

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