心理的ケア

臨床心理士の勤務領域は、医療・保健が最も多く、次いで教育、大学・研究所、福祉と続く(第7回「臨床心理士の動向調査」より)。

医療・保健領域の中では、精神科、心療内科で働く心理士が多い。しかし、心理士の活動領域はあらゆる身体科の領域に広がっている。医療現場での臨床心理士の仕事は、多岐にわたる。心理療法・カウンセリング、心理検査、家族ケア、カンファレンスなどがある。アプローチも、仕事の内容も、多様化してきている。

医療チームでの心理士には、心理士個人が多面的な視点を持ってクライアントに関われるようになることが求められる。さらに、チーム内の他のスタッフから得られる情報を大切にして、他の職種の専門性を十分に理解し、尊重し合い学び合う姿勢も欠かせない。

個別性を尊重する臨床心理学の知見や心理臨床の知恵が、チーム医療の中で活かされることで、心理的ケアがより身近なものとして実践されていくことを著者は期待している。

小林真理子『医療における心理臨床』心理と教育へのいざない


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