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流行らなかったIT分野への投資ってどうなるんですか?

現在に至るまで、IT関連では色んな言葉が使われてきました。次はこれの時代だ、あれはどうだ、などなど。ほとんどがそのまま通り過ぎていき、その後見聞きすることはありません。そんな中、それらに投資してきた会社がどうなっていったのか、なにか知っていることがあればお教えいただきたいです。

弊社では、世の中に出たての状態でお客様に提案することはありません。ある程度成熟してから提案します。サービスが安定しなかったり、コスパが悪かったりするからですね。

そういう弊社の事情がありまして。なのであんまり事例を知りません。
たまたまニュースで読んで知っていたGEという会社で、航空機エンジン絡みでIoTと3Dプリンタについて紹介してみます。

GEという会社では、もともと航空機のエンジンを販売していました。それをまずリースに切り替えを行い、故障中は料金が発生しない、使用中のみ費用が発生するという価格に切り替えたようです。3DプリンタもIoTも関係ないですね。まぁ経緯が大事なので少しお付き合いください。

で、リースにすると故障パーツの可視化が以前よりはかどります。そうするとその対処を反映したエンジンを開発することができるようになるんですね。

そして、次第に何時間稼働すればどこが壊れるということがわかってきます。そうしたら早めそのパーツだけ交換しちゃうなんてことができます。

徐々に弱いパーツがわかってきたところで活用するのが3Dプリンタです。航空機エンジンはそれこそ無数のパーツの組み合わせでできあがりますが、結局のところつなぎ目からトラブルになることがわかっています。組みたてるために最適な構造が取れないから、歪が生まれるらしいんです。

これを溶接しながら組み立ててくれるようなよくわからない3Dプリンタで実現します。100以上あるパーツが5個とかに減り、組み立てに関する工数も激減しました。強度は以前の何十倍とかなんかもうよくわからないくらいすごいレベルの話らしいです(だいぶうろ覚え)。しかしその手の3Dプリンターだと量産はとても大変のようですが。

そして精度の高いエンジンと先回りのメンテナンスでリースが堅調に利益を伸ばしていきます。常に状態を把握するためにセンサーも膨大な数を必要としました。そこで活用するのがIoTの技術です。センサーをたくさんつけて事前に不調の前段階から対処します。さながら日々の生活の中で健康診断が完了しているレベルの話ですね。

そしてこれを発展させ、他社エンジンも対応可能な航空機エンジンのメンテンス業に進出することになります。壊れる前に異常を検知することができる。それが可能なのでこれはいけると判断したわけですが、、

GEはこのIoT及びメンテナンス業に全力で投資します。それは航空会社だけではなく、IoT分野での共通OSを開発し、MRIをはじめあらゆる分野でIoTによる事業を展開していこうと企てます。GEデジタルという事業でこれを行いますが、まぁこれが鳴かず飛ばずの大惨事となりました。数十億ドルの投資と2020年までに150億ドルの売上目標だったにも関わらず、売上はその1割ほど。結果は目も当てられない惨状になりました。GEクラスの規模でこれはなかなか珍しい気がしますがね。

まぁコケた話の紹介だけではちょっとGEが可哀想ですので。

GEデジタルへの投資を決めたジェフイメルト氏は、ある時、、、2000年台初頭だったかな?部下から蓮の葉っぱの秘密について報告を受けました。内容は、蓮の葉っぱは水を弾きますが、水が丸くなって中心に落ちていきますが、その時の水は完全な球体になり、周りの汚れも巻き取って落ちていきます。その内容に大変興奮し、いくらかかってもいいからその秘密をさぐれと指示したそうです。なぜなら、彼は世界中で風力発電の掃除やメンテナンスでどれだけ人の命が失われているのか知っていたからです。それが蓮の葉を応用した表面構造を持つ風力発電が作れれば、メンテナンスコストは劇的に下がります。

そう、彼にとっては、メンテナンスコストを下げることがとても重要な使命と考えていました。人間と一緒ですね。健康的な体作りと、病気の早期発見早期治療で健康寿命を伸ばすということです。

結果はうまくいかなかったですが、これにも色々理由がありそうです。反面教師としての理由を探る意味でも調べて見ても面白いと思います。

あくまで世界でみた大手企業のお話でした。こんなことが有りましたよというだけの話で恐縮ですけども、参考までに。

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