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自分を守るために「赤ちゃんできた?」から逃げる

わたしは基本的にはよく喋るタイプだと思うのだけど、職場では、付き合っている彼氏がいるとか、入籍するとか、結婚式を挙げるとか、そういうプライベートな話はしません。

さすがに名乗る苗字がかわったときは、入籍の報告をしたけれど、どうしても伝えておかなければならない課長と直属の上司以外には事後報告でした。

どうして話さないのかって聞かれると、明確な理由は言葉にしづらくて、ただ、あんまりいいきもちになれなくて。

ちょっとつよい言葉になってしまうけど、「信頼していない人に自分をさらけ出したくない」「自分の人生に深くかかわらない人に、個人的な情報を提供したくない」という気持ちがあるからかもしれません。



結婚してから、同じ課でお世話になっている男性上司2人に、それぞれ別のタイミングで「赤ちゃんできた?」と聞かれました。

本人たちにとっては深い意味も悪気もなく、ただ会話のきっかけとして聞いただけかもしれません。

それでも、わたしは鳥肌が立つほど嫌悪感を覚えました。

わたしのことを心配して気遣ってくれているんじゃなくて、興味本位で聞いてきているのが伝わってきたからだと思います。

田舎の市役所は閉鎖空間(この表現がうまく伝わるかわからないけど)なので、人の噂話が多いです。

「○○さんが離婚した」とか「○○さんの息子が○○高校に進学した」とか「○○くんと○○ちゃんが付き合ってるらしい」とか、よく言えば、昔のご近所付き合いみたいな、アットホームな感じなのかな。

でもわたしは、そんなふうに自分のいないところで話題にされているかと思うと、いやなきもちになります。

きっと「赤ちゃんできた?」と聞いてきた上司も、わたしが「はい」と答えたら、どこかで雑談のネタにするのだろうな・・・と思うと、それだけでいやな気持ちになるんです。



自意識過剰だし、気にしすぎだな、とはおもっています。

彼ら以外には信用できる人もいるし、本当に体調を心配してくれる人もいるし、誰にでもなんでも隠さず話せたほうが気が楽だなとも思います。

でも、いやなものはいやで、できないものはできないんです。

だから、妊活していることも、通院がはじまって休むことがあっても、万が一妊娠しても、ギリギリまで彼らに伝えるつもりはありません。(もちろん業務上迷惑をかけてしまう人や、直属の上司にはお伝えします。)

そして、答えたくない質問に心をすり減らさないために、彼らとは2人きりにならないように気をつけています。

わたしって冷淡なんだろうか。思いやりがないんだろうか。頑固すぎるだろうか。

だけどいまは、これしか自分の心を守る方法が思いつかないのです。

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