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篠原ともえになりたかった話

篠原ともえ個展
「SHIKAKU」 −シカクい生地と絵から生まれた服たち−

最終日滑り込みで見てきたよー!

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予約は満席で締め切られてたけど、お客さんの入り具合では当日でもOKとのことだったので行ってみたら入れた。ちょうど渋谷で用事があったし、グッドタイミング〜でした。

思ってたよりもコンパクトな展示で、作品をじっくり間近で見ることができて良かった!

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舞台衣装を作るにあたって出てしまう余剰生地を利用して〜という裏テーマ(?)については見ただけではあまり実感できなかったけど…
お針子さんだった祖母の着物からインスピレーションを得た「四角い生地」っていうテーマは伝わってきた。
私のおばあちゃんもお針子さんだったから、そしてその影響を受けて服飾の学校に進んだ身だから、そんなところにもなんとなく共感できた。

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作品を作る過程のスケッチやメモ書きなんかも展示されてて、学生時代を思い出して感慨深いものがあったり。

制作の過程を見られる映像の彼女は完全に職人の顔をしていた。かっこいい。

この展示を見るまですっかり忘れていたけど、
私が小学生の頃、まさにシノラーブーム真っ只中で、もれなく私もシノラーになりたかった田舎の日焼けした小学生だった。
ポップなヘアピンをたくさん髪につけて、ジャラジャラとおもちゃみたいな腕輪を手首につけて。
近年メディアで見かける篠原ともえは「衣装デザイナー」として活躍しているアーティストで、「綺麗な大人の女の人」になっていた。
私はというと、何も成し遂げることもなく中途半端な社会人に仕上がってしまった感。
服飾の仕事をしたいな〜というざっくりとしたビジョンだけで、何度か掴みかけたチャンスもガッツが足りないせいで逃してばかりだった。
ふわふわと流されるように就職して、それなりに仕事をしてたまに小さく病んで、日々を過ごしてきた。
(…こうやってまとめると人生に後悔しているみたいだけど、そういう訳ではない)
結局アパレルメーカーは退社して今は違う仕事をしているけど、ものを作るのが好き!という根本的なことは変わらないし、現状には結構満足している。


子供の頃、周りの大人は、将来何になりたいかしきりに聞いてきて、何かにならなければいけないと思い込んでいたけど、結局私は何者にもなれないし、それで別にいいと思うことにした(諦めとも言うか)。

そして、20数年の時を経ても未だに篠原ともえは私の憧れなんだなーと思った。

そんな、展示内容とは全く関係のない感想を持ってしまったけども。
相対的に見て、良かった。まぁ満足✊

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シノラーになりきれなかった私でも、明日からまたがんばるのだ。

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