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「エドワード・ゴーリーを巡る旅」の話

見たい展示が大渋滞でたいへん!な今日この頃。
レポが追いついてない〜


松濤美術館で開催中のエドワード・ゴーリー展へ。
平日だったけど思った以上に人が多かった。土日はかなり混んでるみたい…!

エドワード・ゴーリー。
細い線で描かれたモノクロの絵と、ブラックユーモアの効いた内容が有名な絵本作家。

中学生ぐらいのゴスロリ片足突っ込み期(なんてあったの?w)に雑誌でゴスな世界観の絵本!として紹介されてたから存在は知っていたけど、ほぼ前情報なしの状態で訪問。

かなり近づいて見ないとよく見えない、緻密な線で描かれた小さな原画と、彼の人柄が垣間見えるたくさんのエピソードから、エドワード・ゴーリーとは何者か?に迫る面白い内容でした。
(絵も小さいけど解説の文も小さくてめちゃ読みづらかったw)

これはフォトスポットだからどーんとデカい

亡くなったとき住まいから2万6千冊もの本が出てきたとか、作品によっていろんなペンネームを使っていたとか、なんとなく頭の良さそうな人だったんだろうなというエピソードが多数。(そしてひねくれている)

変わり者エピソード例→ Q.生まれ変わったら何になりたい? A.「石」

老後移り住んだ地での地元民との交流など…楽しそうで羨ましい。

勝手にイギリスとかそっちの人かと思ってたけどアメリカ人なのね!
子供の頃の絵も展示されていて、それはアメリカらしいキャラクターの絵だった。普通に上手い。

良く見たら文字は全部ハンドレタリング(手書き)!不思議でオシャレな雰囲気の正体はこれか。

私は意外だと思ったけど、演劇、特にバレエが大好きだったらしい。
本当に好きなの?っていうくらい覇気の無い顔のバレリーナの絵。でも実際にバレエ団の人が絶賛していたから多分バレエ愛がデカ過ぎたんだろう笑

舞台衣装のデザインでトニー賞を受賞していたり、本国では彼のファッションに注目した展示なども行われていたらしい。
UNDER COVERのコレクション(2020年SS)も展示されていてあーそうだった!と思い出したり。
動物愛護活動をしているのに本人はいつも毛皮を着ていて、21着も持っていたという矛盾エピソードもなんか笑ったw

(猫派なのも好印象。)

出版されている絵本たちを手に取って自由に読めるコーナーがあったんだけど、大人が楽しめる絵本って感じですごく面白かった。
でも彼の絵本は子供の頃に出会っていたとしても、私は多分好きになっていたと思う。

ブラックジョーク的な話に思わずクスッと笑ってしまう、そして不思議な世界観のお話がたくさん。
(悪魔に飛び蹴りくらう女の人とか…)

子供が不幸になる話が多くて、彼の子供に対する感情が不思議だと思った。単純に子供が嫌いなのか、逆にすごく好きなのかもしれない。
でも子供を子供扱いしないっていうか、1人の人間として考えていたんだろうなとは思う。
子供向けではない絵本を作ろうとしていたっぽいし。
有名な「うろんな客」とは、家庭においての子供ではないか?って考察、なんかわかる。
(私も子供ってどう接して良いかわからない存在だから~)

「昔から意味のないものを書くことに惹かれていた」
作品にある"間"や"余白"。それは彼が日本文化に精通していたことも関係しているよう。
意味があったのか無かったのかわからないけど、読む人はその余白に自分の考えを乗っけることができるから、たくさんの人に愛読されたんだろうな~

新しい発見がたくさんで、なかなか面白い展示だった◎

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