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ウェス・アンダーソンすぎる風景展の話
春に寺田倉庫で開催されていた時に渋谷で再開催されるとの情報を得て「天王洲まで行くのだりぃから渋谷でいっか~」とのんびりしていたのだが、気づけば渋谷での会期も終わりに迫ってきたので重い腰を上げて行ってきた。天王洲よりはマシだが渋谷へ行くのもまあまあだるい。距離的な問題ではなく街の空気的な意味で。
寺田倉庫の時よりチケット値上がりしてるのは場所の問題なのだろうか。展示内容は比べてないのでわからないが。
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ウェスアンダーソンの映画、わたしは比較的好きなほうであるが、この企画展は「ウェス・アンダーソンの展示」ではなく、「ウェス・アンダーソン"っぽい"展示」というのがミソである。
「ウェス・アンダーソン"っぽい"」とは何なのか。
パステルカラーのベタ塗りの壁の色?
会場内に流れてるなんだか懐かしさを感じる音楽?
具体的に挙げることもできるけど、ウェス映画を観たときに感じる何とも言えない空気感。「っぽい」という言葉で片づけるのが正解なんじゃないか。
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人が写っていない(たまに写ってるのもあるけど余計な情報は入ってこないような写り方で風景に溶け込んでいる)写真たちは、しんと静まり返っていて、今まさに物語が始まろうとしているよう。
ウェス本人もインタビューで「僕が撮りそうな写真ばかり」と言っているように、どの写真もウェス映画に見られる 好奇心、少しの皮肉、ノスタルジーがあふれている。
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全てのセクションを見終わったあとは、世界一周旅行でもしたような気分になった。
コロナでしばらく味わえなかった、初めての国へ行く時のドキドキワクワクした気持ち。
海外へ行くと、街並みも建物もちょっとした看板なんかも全てが珍しく思える。風景ばかり撮っていて、帰国してから現像すると「もっと人間も撮っておけば良かった、これじゃポストカードと同じじゃん」と後悔していたことを思い出したが、その瞬間に「お。」と思ってカメラを向けた感覚は大切にしたい。
わたしもウェスアンダーソンすぎる風景、撮ってたかも。
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日常の中にある見慣れた景色も、ちょっと視点を変えるだけで途端にドラマチックになる。そんなことに気づかせてくれる楽しい展示だった!
会期は28日まででもうすぐ終わりなので、気になる人はぜひ。
たっぷり時間を取って見に行ってみて。
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