見出し画像

石岡瑛子「血が、汗が、涙がデザインできるか」の話

「血が、汗が、涙がデザインできるか」

…できねぇー!!

東京都現代美術館にて開催中の石岡瑛子大回顧展。楽しみにしてたこれ!

画像1

まずタイトルがカッコ良過ぎるやろが〜い
シビレるぅ〜〜⚡️
看板に偽り無し!な濃厚な内容だった!!
まあまあのペースで見ても3時間かかったよ…
これから行く人は、たっぷり時間をとって見に行くことをおすすめする。
展示内容もりもり過ぎて、見終わったあと頭ん中がプシュ〜って暫し放心状態に。

会場内で流れてる本人インタビューの音声も、さらっとカッコいいこと言ってるから聞きながら見てると頭ん中が大渋滞。

とにかく石岡さん凄すぎるわ…
凄すぎて、以下ただのメモです📝笑
特に心に刺さったやつをば。


「デザインって、生活の中に現れるオアシスみたいなもの」

・資生堂、PARCO、角川書店、70年代の広告
今見ても斬新!インパクトが凄い。むしろ攻めてる。印刷指示の手書き文字の強さよ。当時の印刷広告って、どうやって作ってたんだろ?(Photoshopとかもないだろうし)

「オリジナル、タイムレス、レボリューショナリー」

「流行は大嫌いだから追わないし、人の真似は絶対しない。」

・東急のロゴ
見慣れたあのマーク。
ポスターの文章を読んで涙ぐんでしまった。
30年も経ってるのに世界(特に日本)はあんまり変われてないなーって。石岡さんが見て触れて作ってきたもの、多様性やジェンダーのこと、問題提議してきたことをやっと最近、世間が本腰で考えだしてきた段階に思える。

「タイムレスなデザイナーになりたい。
自分の昔の作品を見て、良いなぁって思う。昨日作ったみたいに新鮮。」

・幻の映画 MISHIMA のセット
金閣寺、ぱっかーん!たまげた。
映画なのに舞台感が凄い。

「違うジャンルのクリエイターとのコラボレーションはエキサイティングなボクシングのよう」

・オペラ、映画、舞台装置と衣装
こだわりすぎなディテール。
舞台衣装や映画で細部なんて見えないのにこんなに精巧に作られていることに感動。
刺繍じゃなくてペイントじゃダメなの?とか絹じゃなくてサテンじゃダメ?とか…
プロの仕事ってそういうことじゃないんだろうな、妥協しない姿勢。

「本能でジャッジしている。」

・シルクドソレイユの衣装
こんなに装飾的なのに超人的な動きに耐えられるのって…どうなってんの?完全にファンタジーの世界の生き物。



とまぁ一つ一つに感想を延べてたら終わらない。年譜に書くことありすぎ!
幅広く仕事しすぎやで石岡さん…!

既存の常識を覆す切り口の数々にもはや頭がついていかない。
あんたはどうなの?って凄いスピードでバンバン投げ付けられた感じ。

こういう展示見てて毎回思うんだけど、案出しのメモとか指示書とかデザイン画とかよく保存されてるな〜って思うんだよね。
裏紙にぶわーってメモ的なのを書き殴って終わったらポイしちゃわないの?笑
仕事の規模が違うとこういうのもちゃんと資料として大切にするのか〜。って。いや、保存したくなるような情熱を注いだ仕事しなきゃな。

グラフィックデザイナーから舞台や映画衣装のデザインって全然分野が違うのでは?と思ったけど、時系列で見ていくと最初の頃の作品から共通しているイメージやモチーフも見られたし(民族衣装や東洋的なムードとか。「行き行きて重ねて行き行く」のやつ、めっちゃ好き〜)、違う分野でものを作ってきたからこそできる、更にそれをアップデートして新しいものを作っていることも分かった。
見たことのないものを作り世間に一石を投じる姿勢は一貫しているし、彼女の中ではステージが変わっても創造するという行為は同じなのかも。
…でもまぁ、やったことないというか異業種のオファー来ても普通の人は出来ないよ!
それをやってのけてしまうのが彼女の凄いところなんだろう。

違うようで一貫している、
知識と経験、インプットとアウトプット。
どこまでも情熱的なモノ作りの姿勢。
でも決して自己満足なアートじゃなくて、見る人読む人買う人着る人使う人に向けて、人がいてこそ成り立つってところが、やっぱりデザインなんだよな〜。
「デザインとは、自己を語る言語である」

彼女の生い立ちとか創造の原点とか、もっと内面も知りたかったな。それについてはこれから自分で調べていきたい。

「仕事をしているというよりは長い創造の旅を続けているという感じね。」

彼女の素晴らしい生き様に刺激を受けて、また頑張ろうと思えた展示だった。
見に行けてよかった!

いただいたサポートはまた面白記事を書けるように美術展や企画展のチケット代として使わせていただきます!