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「型」を理解・駆使して、デザイン力を向上させる方法

先日、ニューヨーク在住の美大講師である遠藤さんの「デザインの仕組【前編】・デザイン力を伸ばすための基礎(創造編)」という講座を受講しました。

今回は、本講座で学んだことの一部をベースに、自分の考えも交えながら、デザイン力の向上方法について書いていきます!

デザイン力の4要素と「型」

遠藤さんによると、デザイン力は以下の4つの要素(MAKE, THINK, LOOK, FEEL)の総体で構成されています。

デザイン4要素-02

デザインの仕組【前編】・デザイン力を伸ばすための基礎(創造編)より

各要素はお互いに繋がっており、思考力を身につけて戦略的に考えることができるようになれば、人々の感情に訴えかけるようなデザインを作れる可能性が高まります。

また、観察力を高めて一般の人には見えない部分に気づければ、素晴らしい造形を再現しやすくなるといった具合です。

つまり、右脳的でクリエイティブな能力や作る力は、思考力などの左脳的な「型(フレームワーク)」の理解を深め・実践することで向上するということです。

思考と造形-08

では、「型」の例を見てみましょう。デザインプロセスにおける型として、英国デザイン協議会が2005年に導入した、ダブルダイヤモンドと呼ばれる課題解決方法があります。(下図参照)

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ダブルダイヤモンド(UX TIMES)より

一見難しく見える図ですが、簡単に表すと以下のようになります。

1. 分ける:ヒアリングやリサーチなどで、問題に関する情報を集める(探索)
2. 分かる:集めた情報を整理、並び替えなどを行い、優先度と課題を明確にする(定義)
3. できる:スケッチやマインドマップなどを使い解決策を洗い出して、絞り込む(展開・提供)

デザイナーがこの型を理解していれば、リサーチ・整理・言語化・文章化なども、重要な創造の一旦であると認識し、いきなり表層的なデザインをしなくなるはずです。(*早い段階で手を動かしたり、途中で改めてリサーチをすることももちろんありますが)

デザインの型は、他にも、

・近接、整列、反復...のようなデザイン原則
・VI
・パッケージ
・UI
・バナー
・ポスター

などなど、全分野に共通する基礎的な部分から、各分野に特化するものまで様々なものがあります。

闇雲にひたすら作り続けるのではなく、自分に必要な型を理解・意識した上で反復してトレーニングしてみましょう。

より具体的に明日から実践できること

作る力を高める上で、型を知ることの重要性はご理解いただけたかと思いますので、明日から実践できるより具体的なトレーニングを3つ紹介します!

1. プロセスを記録する

プロセスを記録-04

一つ目は、プロセスを記録することです。自分がどう考えてデザインの意思決定をしたかが明確になり、より客観的に型と照らし合わせた分析が可能になります。

一人で実践するのも効果的ですが、個人的には会社、デザインチーム全体、または仲間と一緒にSlackのtimes(分報)などでリアルタイムで実況すると、上司から即時フィードバックがもらいやすくなったり、言語化力も上がったりするのでさらにオススメです!

以下に、僕が実際に社内のtimesでプロセスを記録し、ボスからフィードバックをもらっている様子をスクショで持ってきました。

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社内timesでデザイン実況している様子

2. 素晴らしいデザインを観察して、真似る

観察して真似る-05

2つ目は、かなり王道のトレーニングかもしれませんが、素晴らしいと思うデザインを真似してみることです。

観察するだけで良いのですが、実際に描く・模写をすると、眺めているだけでは気づかなかったポイントに、より気づきやすくなります。

MoMAのオンラインギャラリーなどから有名デザイナーやアーティストを探すのもいいですし、より実践に近い型を鍛えたい場合は、バナーギャラリーなどから題材を探してみましょう。

ちなみに僕は最近、テレビテロップとバナーデザインを観察・トレースしました。普段何気なく見過ごしているテレビテロップも、ゆっくり観察すると、何重にも装飾がされていて一目で目立つようになっていることが分かったりします。

テレビテロップ観察

バナー観察

最近テレビテロップとバナーをトレースした図

3. 知見を貯めて、リスト化する

チェックリスト化-06

最後の3つ目は、日々の学びを知見化・リスト化することです。

僕の実施している例が以下のような形なのですが、上司からもらったフィードバックを以下のように書き留めています。(*殴り書きなのはご容赦下さい)

デザインチェックリスト_note

過去にもらったフィードバックをまとめたリスト

そして、次回以降にデザインをする際に必ず1点ずつ、チェックリストのような形で確認する運用をしています。

こうすることで、注目するべきポイントを見逃さなくなったり、似たようなミスを犯す可能性が下がります。

この方法は、過去3〜4ヶ月ほど実践しているのですが、何度も繰り返し使用したきたことで、最近で無意識に着目するべき点も分かるようにもなってきました。

おわりに

今回は、思考力・観察力などの「型」を鍛えることで、デザイン力を向上させられるという話をしました。

「型」をしっかりと学び、ポイントを認識した上で、ぜひ実践を通じて反復練習してみてください。

僕自身もコツコツ実践していく予定なので、いずれnoteかTwitterにて上手くいった点や改善点などを共有していければと思います!

今回参考にした内容は、遠藤さんの講義の一部分でしかないので、より深く学びたい方は、ぜひ以下講座を受講してみてください。



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