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美容師。

今朝の体温 36.3

私は美容室が苦手。
距離が近すぎるからだ。
刃物を持った他人が周囲をちょろちょろするなんて、恐怖でしかない。

髪型についてはしつこく気に入ってるスタイルがあって、特に変える意思もない。カラーリングにしても好みの色は決まっている。
特に相談する必要がないのだ。

なのに、どう見ても何の共通点もなさそうなのに話しかけて来たりするじゃん。
「今からお出かけっすか?」
とか聞かれて、
「はい」
「どこ行かれるんっすか」
「・・・能楽堂まで狂言を見に」
「何っすかソレ」
って言われた時には、無知なのに話しかけてんじゃねーよ、と思いました。

昔、縁は薄かったのですが気に入った美容師さんがいました。
30代ぐらいの男性で、見た目ちょいワイルド系なんだけどソフトな物腰。雰囲気が、若い頃の髙橋大輔に似てた。
とろーんとした舌足らずなしゃべり方も似てた。

「もっと男っぽくなりたいなーって思うんですけどねー」
「えー大丈夫ですよ!そのままがいいですよー」


なんてやりとりも楽しかったな。
この人に切ってもらってる間は、たあいのない話をしましたね。
私基準で最高の盛り上がりでした。テンション爆上げ。

だって可愛いんだもん。仲良くなりたいと思ったもん。

美容師云々よりも、彼の個人的な資質に興味を持ったわけです。
私はコミュニケーションが苦手なので、それぐらいの理由がないと知らない人とは話しません。

彼はセットの後にアイロンの使い方を教えてくれました。持って来てくれたら使い方教えます、とか言っちゃって。
そんで店から出た後、私が隣の駅のATMにいたところ、彼が全力で私へ向かって走って来るではありませんか。
親切で善良な彼は、私が置き忘れたバレッタを届けてくれたんです。
美容室は隣接するビルの5階。けっこうな距離だというのに。
帰り際に私が「お金をおろさなきゃ」と言っていたので、ATMがある場所=駅まで来てみたんだそうです。すごくない?
はあはあ言ってる彼もチャーミングで、どこの王子様ですかと思ったし、好きになりそうでした。
これから恋が始まりそうな勢いでしたが、遠い美容室だったので二度と行くことはありませんでした。完。

元気にしてるかな(笑)。

つらい毎日の記録