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秀才イケメンと会食

昨日はクレバーなナイスミドルと待ち合わせし、カフェでおいしいものを食べながらゆっくりと午後を過ごしました。
ただの食事と思ってはいけません。
お料理をシェアしながら談笑しつついただくという親密さです。
彼は真摯に私の話に耳を傾け、私のために一生懸命言葉を紡いでくれます。
誰かに支えられているという安心感、おいしいお料理。
至上のリラックス体験です。
地味な印象だったルックスも、よくよく拝見したらなかなかのイケメンではありませんか。

出会い系?
ホストとの同伴?
いやいや私にそんな気概があろうはずもありません。

答えは、弁護士との打ち合わせでした。


私は交通事故に遭い、後遺症認定を受け、クソ保険会社と慰謝料で折り合いがつかず裁判中です。
事故に遭ってから長距離の運転が怖くなってしまったので、弁護士との打ち合わせにはいつも出張で近所まで来てもらっています。
もちろんガッツリ出張費がかかっています。
しかし私の自己負担は1円もありません。
こういうことができるのも弁護士特約のおかげです。
そこのあなたも今すぐ自動車保険を確認して、付いてなかったら即座に付けてください。どこでどんなバカにぶつけられるかわかりません。

安全運転を心がけていれば何も起こらないでしょ。

なんて呑気なこと考えてませんか?

私は10:0の被害者なのに相手の保険会社、〇〇〇上(特定できないように伏字にしました!^^)からひどい目に遭わされました。
被害者なのに冷酷な仕打ちを受ける、そんな理不尽が日常に転がっているのです。
一流企業の社員が平気な顔で人間のクズみたいな対応をするんです。
私は担当者のふざけた態度を断じて許さないこととし、通院や書類の整理で多忙な中で毎日呪いをかけながら自力で弁護士を探すことにしました。

自分の保険会社からもよさげな事務所を推薦してもらいましたが、全然ピンと来ませんでした。
向こうも私にピンと来てなかったようなので相談しただけで放置することにしました。あんたらの熱意のなさよ・・・。
近場にきめこまやかな対応をする女性弁護士がいるようなのですが、ちょっとアレな事務所のようで気持ち悪かったので関わりたくなくてスルーしました。
これはと思う人をピックアップし、まずはメールや電話で相談し、半月に渡っておよそ10人と面談した結果、選ばれたエリートが目の前にいるイケメンなのです。

ちょっと変わった人であることはわかっていましたが、そこが気に入って選んだところもあります。
連絡は主にメールで、レスポンスも悪くありません。
逆に、病んだ私がメールを読めなくなってシカトすることならしばしばあります。
中には好き勝手なタイミングで電話してくるジジイもいるみたいなので、弁護士との連絡手段が何かという点は重要だと思います。
大きな事務所だと常にアシスタントが間に入り、直接のやりとりはできなかったりするようです。
私は精神的に不安定で弁護士のまめなサポートを望んでいたため、アシスタント経由の事務所は弾きました。
カネにえげつないパワハラサイコパスもいましたし、気が短いやつも、「おまえは加害者と私のどっちの味方なんだよ」と問い詰めたくなるやつもいました。
最終的にはA、Bの二名が候補になり、最後まで悩みました。

A弁護士のスタンス
後遺症認定はほぼ確定でイケる。病院への同伴可能。
裁判には顔を出したほうが良い。
地元の有名事務所から独立したばかり。年上。優しいお父さんのよう。
東大出身。

B弁護士のスタンス 
後遺症認定は甘くない。病院への同伴可能。裁判には出なくて良い。
個人事務所でほぼ交通事故専門。年下。東大出身。
「私もがんばるけどそっちもやることやってね」というスタイル。

後遺症認定ほぼ確定だと言った弁護士はA氏以外1人もいませんでした。
通院頻度が理想よりも若干少なかったからです。
つまり私は弁護士とコンタクトを取るのが遅かったわけです。
事故直後に速やかに弁護士特約を使っていれば、治療中の通院頻度についてしっかりアドバイスを受けたはず。
どうせ使うのならさっさと使うべきでした。
保険会社から嫌がらせされた上に自分がすでに失敗してしまったことを知り、この時期、私はますます滅入りました。

A氏は見るからに包容力があり、物腰も柔らかで、弱った私の精神的サポートという点では申し分なさそうでした。
ただ、先生に甘え倒してわけわからなくなりそうなリスクもありました。
でも他の弁護士はポンコツ(私から見たら)だしどうしようというタイミングでB氏を見つけたんですね。
病んだ私は長文で痛いメールを送ったような気がします。
ようやくこぎつけた面談中、例のクズ保険会社から電話がかかってきてパニックになった私。

「あっ、アイツからです!どうしたらいいですか?( ;∀;)」
「ロクな内容じゃないから出なくていい。切ってください」


と的確な指示をしてくれました(笑)。
その瞬間にこの人に賭けようと思ったのです。
ちなみに、それから「アイツ」とは一度も喋ったことがありません。
この世から消えてほしいです。

依頼してから3年ほどになるのですが、、、ほんとに弁護士とは大変な仕事だと思います。
3年間この案件を抱えて、ことあるごとに私からしょうもない長文メールがきて妄想みたいな苦悩や相談を訴え、それをなだめすかし、ここまで導いてもらったわけです。
で、成功報酬は2割ぐらい?ですよね。
慰謝料が500万だとして(実際はそんなにないですよ。たとえです)100万円。
他にも細かい手数料が支給されますし、案件を抱えている1年ごとの報酬もあるみたいですが、大した額ではありません。
3年もメンヘラ女のお守りをして100万ちょっとなんて、割に合わないよね^_^;
しかも楽しい打ち合わせまでセッティングしてくれるんだよ。

私がこの先生と初めて会った頃、ウツでほとんど食事できなくて激ヤセ中でした(今は運動不足+代謝が落ちて激太り中です)。
先生はいつ打ち合わせしても私がげっそりしていて、飲み物しか頼まないので心配していたらしいのです。
最近の打ち合わせでは二人で軽く食事をとってから本題に入っています。
「前はぜんぜん食べていなかったので、しっかり食事してもらおうと思ってこの時間にしてます」
とのことで、
「この人に依頼してよかったな」と心から思いました。
こんなに親身なこと言ってくれる弁護士さん、他にいるんでしょうか。
アディーレとかだと担当弁護士と直接会うことすらなさそうなのにさ。
依頼主の貧乏人と一緒にご飯食べてくれるなんて天使じゃん。

たまにサイコパスかなと思わせる先生は実はとても親切で、私がどんな突拍子もないムダ話を始めてもちゃんと返事を返してくれて、退屈そうにもしないで相手をしてくれる。
すげえあやし能力だと思う。
しかも頭良くてイケメンて、、、勝ち組すぎでしょ。人気なのわかるわ。

私みたいな底辺が弁護士と会食するチャンスなんて、コレが終わったら二度と訪れないと思う。
こんな華やかな出来事が私の人生で起こるなんて面白いね。
春からこっち辛いことばかりで先行き不安な毎日なんだけど。
ほんとに快適でメロウなひとときでした。
私を支えてくれてありがとう、ありがとう。


つらい毎日の記録