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「増額しなければ報酬はいただきません」???

というふれこみで宣伝している法律事務所があるようですが、これはちょっとチートだと思います。
あ、交通事故被害の賠償金額のことです。

こういうところに相談する人はまず弁護士を付けていない人です。
従って相手が提示してきた額は最低ラインの自賠責基準と呼ばれるものです。
要するに、相手の保険会社はドライバーなら誰でも入っている自賠責の補償枠の中で賠償を済ませようとしているわけです。
そしたら自分たちはお金を出さずに済むでしょ。

ここで弁護士に依頼したとしましょう。
その途端、交渉金額は裁判基準(弁護士基準)になります。最高ラインの金額。
実際に裁判を起こしていなくても、弁護士が付いている=裁判準備に入っているからです。
これは絶対で、例外はありません。

従って、法律事務所に依頼して「増額しない」なんてことはありえない。
弁護士の力量にはまったく関係ない、システム上のファクターで増額してるだけ。

相談者にとってはもれなく額が増えることは事実だから問題にされてないんだろうけど。宣伝としてはチートだなあと。
どの法律事務所でも同じなのに、さも自分たちの力量のおかげでそうなりますよ、みたいに宣伝するのはおかしくないですか。
仕組を知らない人は「おお、この事務所スゴイじゃん」って誤解するじゃん。明らかに誤解を招いてるでしょ。
「どこに頼んでも増額することを知っていましたか?」というアンケート取ったら「知りませんでした」が9割ぐらいになると思いますよ。

でもさ、法律事務所に頼まなくても、無料で限りなく裁判基準に近い額の示談をすることはできるんだよ。
都道府県の「交通事故紛争処理センター」に依頼することです。
ここで、センターの弁護士に相談しながら交渉ができます。
センターはどちらの味方でもありませんが、公平な立場で相談から示談までお願いできます。
ここで示談交渉をした話は、また次の機会に。


つらい毎日の記録