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おばさんと散歩。

今朝の体温 35.9

前の家でご近所だった、優しいおばさん。
久々に再会して娘さんが亡くなったことを知る。
用事を片付けている最中だったためしっかり話を聞けず、後悔。
あれから二日、気になって気になってよく眠れない。
今朝、天気が良かったので訪ねてみることにした。
再会時に箱入りミカンをいただいたので、そのお返しを兼ねて。

何がいいかと考えたが、保存のきく食材の詰め合わせにした。

・味付け海苔 70枚入り
・理研ノンオイル和風ドレッシング
・マルハウィンナー 1束
・さばそぼろ2瓶セット
・からあげ缶
・リラックマほうじ茶
・レモンとペッパーの生ソーセージ袋入り

最後のソーセージは一昨日、スーパーに行った時に買っておいたもの。
お安い店なのでこれでトータル1000円弱。
どういう食生活の人なのかわからないので、好き嫌いのなさそうなものを選んだつもりだが、変だったかな(・_・;)
唐揚げの缶詰なんか、面白いよね。シーチキンぐらいの缶に、唐揚げが6個入ってるみたい。
お酒好きならそのままつまみにできるかなと思って選んでみた。
こんなことがなければ絶対に買わなかったもの。

建物に着き、ポストを見ると郵便物が入っているのが目に入る。
これも持って行ってあげよう。
大きなお世話なのは承知だけど、もし外に出たくないとしたら、わざわざポスト見に行く手間が省けるじゃん?
外に出る気満々なら、どっちにしても出るんだから問題ないじゃん?←(笑)
要するに、自分が足を運んで来たことを正当化したかったのかな。
で、郵便物のあて名を見たら私がなんとなくうろ覚えだった名前ではなかった・・・
もとより下のお名前は知らなかったし、苗字は微妙に違っていた。
見ておいて良かった。

部屋に向かうと、誰かが外にいる。おばさん。

「気になったので来ました^^」

と言ったらすごく驚いていた。
目の前にあるショッピングモールの理容室に行くところだと言う。
見た目を気にするのはいいことだね!
行き違いにならなくてよかった。
私の帰り道でもあるので、一緒に歩くことに。
もともとそこらへんを散歩できたらいいなと思っていたので、グッドタイミング。距離的にもちょうどいい。

食べ物と郵便物を渡し、置かれていたゴミ袋を持って、外に出た。
今日はすごく晴れている。
おばさんは歩くのが遅くて、あんまり健康じゃないのかなと思った。
私の腕につかまって、ゆっくりゆっくり歩く。
そういえば手術もしたと言っていたっけ。
私もリハビリ中だし、お互いに鬱だし、太陽の恵みが必要なのだ。
日光は優しく私たちの身体を暖めてくれた。

日当たりのいい場所に来ると、おばさんは立ち止まって色んな事を話した。
同じ話題が繰り返されたり、私の言葉の意味が通じていなかったり、聞こえていなかったり、した。
でもやっぱり優しい人だった。

ベランダで月下美人を育てていること、最初は一輪だったけど、今年は二輪咲いたこと、
花屋さんでもらった1本のバラを土に刺したらちゃんと根が出て今年も花が咲いたこと、
初夏になったらトマトを植えて、去年は収穫分だけで夏のトマトをおぎなえたこと。
写真をたくさん見せてくれた。
月下美人、オレンジ色のばら、鈴なりのトマト。
そして娘さんの写真。

話しているうちに、息子さんがいて、おばさんがお嫁さんをとても可愛がっていることがわかった
さっき玄関先で、お母さんも夏に亡くなったと聞いたから返事に窮してしまったけど、息子さんがいるのならよかった

ショッピングモール前のベンチに座り、ひなたぼっこしながら話した

私は電話が苦手なので連絡手段としてメールアドレスを教えるつもりだったのだけど、メールは使えない、読むこともできないとのこと
うちの母もそうだから、しょうがないのかな
60代だとメール大丈夫な人も多いけど、70超えると難しいみたい
年配の人こそメールが使えたほうがいいのに残念だ
ベンチで電話番号を教え合って、一緒に理容室の前まで行った

またくるね、と手を振って別れた

会って、話してみて初めてわかったこともあり、心配になったり安心したり
しょせん第三者の私にできることなんて何もないし、しょうがないんだと思う
私がこんなふうに気になって会いに来たことも、日々の偶然の1つに過ぎない

また天気のいい日に一緒に歩けたらいいね
せめて月に一度ぐらい、季節に一度ぐらい

ショッピングモールの百円ショップで必要なものを買い、公園の横を通って、私は家に帰った
人生は悲しい、切ない
ひっそりとした日々の暮らしが、積み重なって人生になる

つらい毎日の記録