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SaaS IPO大全

企業データが使えるノートでは、SaaS企業やIPOに関するデータベースを構築し、「データが使えるコンテンツ」の発信を行っています。

現在は、上場SaaS企業のKPIをまとめたコンテンツPSRなどの最新マルチプルデータの提供を継続的にアップデートしています。

今回の記事では、IPO時に提出がなされる「新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)」などから現在までのSaaS IPOの外観、上場時のバリュエーションなどを集計し、「SaaS IPO分析のアウトソース」として、記事化を行いました。

6000文字弱と長い内容ですが、今後IPOを目指すSaaSスタートアップや投資家の皆様の一助となれば幸いです。

* なお、この記事は現在、無償提供を行っているコンテンツの有料化可否を検討するため、8/17以降有料記事に変更を予定しています。反響が想定よりある場合は、無料公開を続けていきます。もし、参考になった際などはLikeやTwitterなどで反応をいただけますと嬉しいです。

新興市場での存在感が増したSaaS企業

コロナ禍の今、リモートワークでも必須となりつつあるSaaSプロダクトですが、そのサービスを提供する各企業の実力は、株式市場でも大きく存在感を示し始めています。

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* Yahooファイナンスから作成

東証マザーズ時価総額の上位10社中、フリーやラクスといった急成長中のSaaS企業を筆頭に6社が名を連ねており、数年前と顔ぶれを大きく変えてきました。

この好調な状況を受け、スタートアップ界隈では、投資家のSaaSシフトや、ベンチャーキャピタルの新規立ち上げ、PEファンドといった今までにないプレイヤーからの調達、既存SaaS企業のVC設立など、起業家を取り巻く環境が大きく変わりつつあります。

本記事では、過去のSaaS IPOに関する数値面を振り返りながら、今後のIPOに向け参考となるまとめを提示していきます。

■ 対象とするSaaS企業

- 2015年以降にIPOを行ったSaaS企業 14社
サイバーセキュリティクラウド、スマレジ、カオナビ、HENNGE、フリー、
Sansan、Chatwork、チームスピリット、ウォンテッドリー、ユーザーローカル、オロ、マネーフォワード、ユーザベース、ラクス

SaaS IPOの変遷

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