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生まれ変わっても空気清浄機だけにはなりたくないと思うなど

9月8日。
今まで通りだったら、きっと私にとってただの木曜日でなんでもない日になるはずだった。けれども、2022年の9月8日は、今年だけは特別な日になった。

まさか当たると思ってなかったチケットは、思ってた数倍も良い位置で当日を迎えるまでずっとドキドキが止まらなかった。
加えて、今までだったら1人ぼっちだったけど、今回は大好きな先輩と2人で迎えることが決まっている。いつも以上に心臓が痛かった。
本当にこれは現実なのだろうか?夢だったらどうしよう。夢だとしても、これは相当幸せな夢だな。とか。

当日は、神様が恵まれすぎな私のバランスを取ろうとしたのか、空はとても曇天だった。これから野外でライブを見ようと構える私たちを追いかけるように、ライブ開始直前に雨まで降ってきた。
天気予報を見て簡易的なレインコートは用意しておいたけど、それも意味をなさないくらいの雨で、開演前のドキドキは何処へやら、なるべく濡れないように身を縮こめるのに必死になって開始までの時間を過ごした。
そういえば前回のツアーファイナルの日も、開演前というタイミングで雨が降ってきたなあ。

でも結果的に、雨はいい仕事をしてくれた。

2〜3時間も雨に打たれ続けるなんて小学生の頃でも経験がなかったのに、24歳になった今、しかもこんな日に経験することになるなんて。精一杯お洒落していつも以上に丁寧に作ったまつ毛も虚しく雨に濡れて、せっかく良い席なのに私のビジュやばいじゃん、これは萎える、という気持ちで悲しかったけど、目の前で「あんた濡れてる顔も可愛いから」と言ってくれたし。
雨に反射した照明が本当に綺麗で、幻くらいに神秘的に輝いてる彼らを見ることができたし。
雨のおかげでMCで饒舌な彼らに、いつも以上にドキドキさせられたし。

ライブを見ている間は雨なんて全然気にならなくて、終わった頃に絞れるくらいに濡れていたグッズタオルが信じられなかった。

ライブ中、今起こっていること全てずっと信じられなくて、右手で左手をずっとつねっていた。けどちゃんと痛くて、ああ夢じゃないぞ、と泣きそうになった。

とてもミーハーな気持ちで応援していたあの頃。好きだと言えば、あの人に近づけると思っていたあの頃。私にとっての洋服だったあの頃。今やそれが嘘みたいにハマってしまっていて、今は心から生活の一部だなと胸を張れるくらいにはなった。好きになってからの時間はまだまだ短いけれど、私が生きていく理由のひとつだし、彼らが音楽を続ける限り私は死ねない。死にたくない。

彼らのことが好きだと話すと、世の中の一般的な人たち(巨大主語、全員がそうだとは思ってません)は、メンヘラだとか重たいだとかそういう印象を持ってしまうことも多いらしい。けど、別にどう思われたって私は彼らのことが好きだし何でもいいな、と思わせてくれるくらい、ファンのわたしたちを隅々まで大切にしてくれる彼らに、心底支えられている。

好きな人のためならなんだってできる!とよく言うけれど、好きじゃなかったら、傘無しで長時間雨に降られ続けるなんてたまったもんじゃない。
結構な雨が気にならないくらい、彼らに夢中になってしまっている。そう実感させられた時間になった。

生まれ変わってもまた同じ環境を、と歌う姿に、私も、生まれ変わってもまたどうにか彼らに関わっていられる環境を、と苦しくなった。
生まれ変わっても彼らの音楽のある生活を営めたらどんなに幸せだろうか。また私になりたい、なんて贅沢は言わないから。

ライブが終わりに向かう、私の頑張る理由がまたしばらく無くなってしまう、なんて寂しくなっていた最後に、彼らは静かにアリーナツアーを発表した。
淡々と、やります、と、私たちへのプレゼントをくれた。

これだからやめられない。寂しくさせといて、絶妙なタイミングで喜ばせてくれるのね。私たちの扱い分かってるね。流石だな。沼へとハマっていくばかりだよ。
大好きだなあ、ありがとう、それまでまた頑張るね。どうにかして、またチケット、当てるからね。

次のライブも大好きな先輩と行く約束をした。
発表になった瞬間、先輩と手を取り合って見つめ合ったあの時間は、多分世界一甘かった。
忘れたくない。

死ぬまで一生愛している、なんて、自信を持って宣言することはできないけど、なんとなく、いつまでも、彼らに支えられながらこれからも生きるんだろうな、とか思う。

いつも安心させてくれてありがとう。
これからもどうか、ドキドキさせてください。

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